
面接は「質問に正しく答えられるか」だけの勝負ではありません。
むしろ、入室して席に座るまでのわずか30〜60秒が、あなたの評価を大きく左右します。
現役の面接官として言いますが、ここで「お、この人はしっかりしてるな」と思われるか、「あぁ…なんか頼りないな」と思われるかで、その後の会話の空気が変わります。
極端な話、この段階で“ほぼ合否が傾く”ことも珍しくありません。
今回は、入室から着席までの動きを超細かく分解して、面接官目線の「正解ムーブ」をお伝えします。
① 控室からすでに面接は始まっている
多くの人が勘違いしていますが、面接官は「面接室に入ってきた瞬間」だけを見ているわけではありません。
受付から控室までの対応や、呼び出されて面接室に向かう時の歩き方も見られています。
たとえば、廊下ですれ違った社員が、後で面接官に
「さっきすごくだるそうに歩いてた人がいましたよ」
なんて話すこともあります。これ、意外とあるあるです。
チェックされているポイント
- 姿勢(猫背・肩の巻き込みはマイナス)
- 歩き方(引きずるように歩かない)
- カバンや書類をガサガサ探さない
💡 ワンポイント
カバンは利き手と逆側に持つと、ドアの開け閉めがスムーズになります。
② ノックの回数とリズム
ドアの前に立ったら、まずは深呼吸。
慌ててノックすると、ガチャガチャ音や変なリズムになり、落ち着きのない印象になります。
正解の流れ
- ドア前で一呼吸
- 「コン、コン、コン」と3回ノック(一定の間隔)
- 中から「どうぞ」や「お入りください」の声を確認
- 「失礼いたします」と一礼してから静かに入室
やってはいけない例
- 2回ノック(トイレ確認の意味になる)
- ノック後すぐ入室(返事を待たない)
- 強すぎてドンドン音になる(威圧感)
面接官は、ノックの仕方だけで「この人はマナーを知っているか」まで見抜きます。
③ 入室時の第一声と表情
ドアを開けた瞬間、面接官はあなたの顔と声を見ます。
この瞬間の印象は、後から覆すのが難しいほど強烈です。
✅ 声は普段よりワントーン高く
✅ 笑顔は自然に(口角を少し上げる程度)
✅ 「よろしくお願いします」と明るくはっきり
例えるなら、就活は舞台のオーディションと同じ。
最初の一歩が暗いと、「この人と働くの楽しそう」とは思われません。
④ 歩き方・カバンの扱い
入室後、椅子まで歩く間も評価対象です。
ズルズル足を引きずったり、足音が「カツーン!」と響く人は、それだけで落ち着きのない印象を与えます。
正解ムーブ
- 歩幅は肩幅より少し狭く
- 足音は控えめ
- 視線は椅子か面接官に向ける(下ばかり見ない)
カバンの置き方
- 座る前に椅子の横か足元に静かに置く
- 机の上に置くのは絶対NG(ビジネスマナー違反)
⑤ 着席までの所作
席に着くまでの動きは、スムーズであることが大切です。
モタモタすると、その場の空気が重くなります。
- 面接官から「どうぞお掛けください」と言われるまで座らない
- 「失礼いたします」と軽く一礼
- 静かに腰を下ろす(音を立てない)
座り方のコツ
- 背筋をまっすぐ(背もたれには軽く触れる程度)
- 足は揃えて床にぴったり
- 両手は膝の上で軽く重ねる
⑥ よくある失敗例とその印象
- 勢いよくドアを開ける
→「落ち着きがない」「配慮に欠ける」 - ノックせず入る
→「ビジネスマナーを知らない」 - うつむいて歩く
→「自信がない」「元気がない」 - カバンを机の上に置く
→「常識不足」
⑦ まとめ:30秒で差がつくポイント
入室〜着席までの流れを整理するとこうなります。
- 控室から姿勢と動きを意識
- ノックは3回、返事を待ってから入室
- 自然な笑顔+ワントーン高い声で「よろしくお願いします」
- 静かに歩き、カバンは椅子横や足元へ
- 「失礼します」と一礼してから着席
面接官は、あなたの経歴だけでなく「一緒に働きたいか」を見ています。
入室から着席までのたった30秒を磨くだけで、スタート地点から他の候補者より有利に立てます。
準備ゼロの人との差は、この30秒で歴然ですよ。