
就活や転職の面接で、最初にほぼ必ず出てくるのがこの2つ。
- 自己紹介
- 自己PR
…なんですが、実はこの2つ、全然別物です。
「同じでしょ?」と思ってまとめて答えると、面接官の頭の中で
「あ、この人は質問の意図を理解してないな」
という赤信号が灯ります。
今回は現役面接官として、「自己紹介」と「自己PR」の違いを徹底的に解説します。
さらに、それぞれの正しい作り方と答え方のコツも紹介します。
① まずはざっくり違いを理解しよう
項目 | 自己紹介 | 自己PR |
---|---|---|
内容 | 自分の経歴・現状の説明 | 自分の強み・価値をアピール |
目的 | 面接官に自分を知ってもらう | 「採用したい」と思わせる |
時間目安 | 30秒〜1分 | 1分〜2分 |
キーワード | 「概要」「情報共有」 | 「強み」「成果」「再現性」 |
💡 イメージ
- 自己紹介=名刺代わり
- 自己PR=営業トーク
自己紹介は「私はこういう人です」という事実ベースの説明。
自己PRは「私にはこんな強みがあり、それが御社で役立ちます」という説得です。
② 自己紹介でやるべきこと
自己紹介は、面接の最初のアイスブレイク的な時間です。
ここでゴチャゴチャ詰め込みすぎると、面接官は「この人、結局どんな人?」と混乱します。
正解の流れ
- 名前
- 現在の状況(在学中・在職中・職種など)
- 簡単な経歴(最も重要な1〜2点)
- 「本日はよろしくお願いいたします」で締め
例:転職面接
○○と申します。現在は△△株式会社で営業職をしております。
前職では新規開拓を中心に、年間〇〇件の契約を獲得しました。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
③ 自己PRでやるべきこと
自己PRは「私はこの会社にとって価値がある存在です」というプレゼン。
ただ自慢話をするのではなく、「会社にどう貢献できるか」を軸にします。
正解の流れ(PREP法)
- Point(結論):私の強みは○○です
- Reason(理由):なぜそれが強みなのか
- Episode(具体例):その強みが発揮された事例
- Point(再結論):御社でこう活かせます
例:新卒面接
私の強みは計画性です。大学時代、サークルイベントで100人規模の合宿を3年連続で企画運営しました。
事前のスケジュール管理や予算配分を徹底し、参加者満足度を毎回90%以上に保ちました。
この計画性を活かし、御社のプロジェクト進行にも貢献したいと考えております。
④ なぜ混同するとマズいのか
面接官は質問ごとに違う意図を持っています。
- 自己紹介 → あなたがどんな人かを知りたい(事実)
- 自己PR → あなたの強みや価値を知りたい(評価)
ここをごちゃ混ぜにすると、面接官は「質問を聞いてない」「論理的に話せない」と判断します。
特に営業・企画職などでは、質問の意図を読み取る力=ビジネススキルと見られます。
⑤ ありがちな失敗例
- 自己紹介で長々と自己PRまで語る
→ 冒頭から時間オーバー&空気が重くなる - 自己PRで経歴だけを説明する
→ 強みが伝わらない - どちらも同じ内容で答える
→ 臨機応変さがないと思われる
⑥ 面接官が感心する切り替え方
面接の場では、自己紹介と自己PRが連続して出る場合があります。
その時に「切り替え」が自然だと好印象です。
自己紹介の後、
「続いて、私の強みについてお話させていただきます」
と一言入れて自己PRへ。
このワンクッションだけで、「話を組み立てられる人」という印象になります。
⑦ まとめ:違いを理解して武器にしよう
- 自己紹介=事実ベースの概要説明(30秒〜1分)
- 自己PR=強みと貢献を示すプレゼン(1〜2分)
- 両方を使い分けることで、面接官の印象が格段に良くなる
面接は、ただの質疑応答ではなく「あなたという商品のプレゼン会」です。
名刺代わりの自己紹介で興味を持たせ、営業トークの自己PRで欲しいと思わせる。
この2ステップを意識するだけで、採用確率は一気に上がります。