SESの人気はなぜ落ちたのか?IT業界の構造から解説

IT業界を志望していると、一度は「SES」という言葉を聞いたことがあると思います。
未経験からエンジニアになれる入口として紹介されることも多い一方で、「SESはやめた方がいい」という意見を見ることもあります。

実際、就活市場ではSES企業の人気が以前より落ちているとも言われています。
では本当にSESは避けられているのでしょうか。そしてその理由はどこにあるのでしょうか。

この記事では、IT業界の採用に関わる視点から、SESの仕組みと人気の変化について整理してみたいと思います。


SESとは何か

まずSESとは、システムエンジニアリングサービス(System Engineering Service)の略です。

簡単に言うと、エンジニアの技術力を企業に提供する契約形態のことを指します。
エンジニアは自社ではなく、顧客企業のプロジェクトに参加して仕事をします。

IT業界では非常に一般的な仕組みで、多くの企業システム開発はこの形で進められています。

例えば次のようなプロジェクトです。

・銀行システム
・保険システム
・通信インフラ
・企業の基幹システム

こうした大規模な開発では、数十人から数百人のエンジニアが必要になります。
そのため、多くの企業がSESという形でエンジニアを集めてプロジェクトを進めています。


IT業界の構造

IT業界は、一般的に次のような構造になっています。

自社開発企業(自社サービスを作る企業)

SIer(大規模システムの管理・設計)

二次請け企業

SES企業(エンジニアの技術提供)

例えば銀行のシステム開発では、元請け企業がプロジェクト全体を管理し、その下に複数のIT企業が参加します。

その中で、SES企業はエンジニアをプロジェクトに送り、開発に参加する形になります。

つまりSESは特殊な業界というより、IT業界の構造の中に組み込まれている仕組みと言えます。


SESの人気が落ちていると言われる理由

就活生の情報量が増えた

以前は就活生がIT業界の働き方を詳しく知る機会は多くありませんでした。

しかし現在は

・YouTube
・就活ブログ
・SNS
・口コミサイト

などを通じて、IT業界の働き方がかなり可視化されています。

その結果、「客先常駐」という働き方に不安を感じる学生も増えています。


自社開発企業の人気が高まっている

IT業界の中でも特に人気が高いのは、自社サービスを持つ企業です。

自社開発企業の特徴は次の通りです。

・自社サービスの開発
・同じチームで働く
・リモートワークが多い
・モダンな技術を使うことが多い

こうしたイメージから、学生の志望度は高くなる傾向があります。

その結果、比較される形でSES企業の人気が下がったように見えることがあります。


働き方のイメージが広がった

SESは客先常駐という働き方になるため、学生の中には次のような不安を持つ人もいます。

・勤務地が変わる可能性がある
・チームが固定ではない
・会社との距離を感じる

もちろん実際には企業によって環境は大きく異なりますが、こうしたイメージが広がったことも人気低下の理由の一つと言われています。


それでもSESがなくならない理由

人気が変化しているとはいえ、SESという仕組み自体は今もIT業界の中心にあります。

その理由は、企業システムの開発には多くのエンジニアが必要だからです。

例えば銀行のシステム開発では、数百人規模のプロジェクトになることも珍しくありません。
このような開発では、

・SIer
・SES企業
・フリーランス

など、多くのエンジニアが関わります。

つまりSESは、IT業界の構造上なくなる可能性は低い仕組みと言えます。


未経験者にとってのSES

就活の観点で見ると、SESには一つ大きな特徴があります。

それは未経験からエンジニアになりやすい入口になっていることです。

自社開発企業や大手IT企業は、経験者採用が中心になることも多いです。
一方でSES企業は、研修制度を用意して未経験者を育成するケースも多くあります。

そのため

・エンジニアとして経験を積む
・開発の現場を知る

という意味では、最初のキャリアとして選ばれることも多い業界です。


SES企業を選ぶときのチェックポイント

SESと聞くと、すべての企業が同じ働き方だと思われがちですが、実際には企業ごとに環境は大きく異なります

そのため、就活では「SESかどうか」だけで判断するのではなく、企業の仕組みや方針を見ることが大切です。

ここでは、SES企業を検討する際に見ておきたいポイントを紹介します。


研修制度があるか

未経験でIT業界に入る場合、研修制度の有無は非常に重要です。

例えば次のような研修があります。

・プログラミング研修
・IT基礎研修
・資格取得支援
・OJT(現場研修)

企業によっては数か月の研修を用意している場合もあれば、短期間で現場に入る場合もあります。

未経験からエンジニアを目指す場合は、どのような研修があるのかを事前に確認しておくと安心です。


どのような案件があるか

SES企業では、どのようなプロジェクトに参加するかが重要になります。

例えば案件には次のような種類があります。

・業務システム開発
・Webサービス開発
・インフラ構築
・運用保守

企業によっては、特定の分野に強みを持っている場合もあります。

例えば

・金融システム
・通信インフラ
・Web開発

などです。

自分がどの分野に興味があるのかを考えながら、企業の案件内容を見ると良いでしょう。


キャリア支援があるか

エンジニアとして成長していくためには、キャリア支援の仕組みも重要です。

例えば次のような制度があります。

・定期的なキャリア面談
・技術勉強会
・資格取得支援
・社内プロジェクト

SES企業の中には、エンジニアのキャリア形成を重視している企業もあります。

長く働くことを考える場合は、成長できる環境があるかも確認しておきたいポイントです。


IT業界を志望する人へのアドバイス

IT業界を目指す場合、就活の段階ですべてを理解するのは難しいかもしれません。

ただし一つ言えるのは、IT業界では経験が大きな価値になるということです。

実際に開発現場に入り、システムがどのように作られているのかを知ることで、エンジニアとしての理解は大きく深まります。

そのため就活では、企業の名前やイメージだけで判断するのではなく、

・どんな仕事をするのか
・どんな技術に触れられるのか
・どんな経験が積めるのか

という視点で企業を見ることが大切です。

IT業界はキャリアの選択肢が多い業界でもあります。
最初の会社だけで将来が決まるわけではありません。

重要なのは、どのような経験を積みながら成長していくかという視点です。


採用担当から見たSES志望の就活生

採用の現場で学生と話していると、SESについてのイメージは人によって大きく違います。

「SESはやめた方がいいと聞いた」という学生もいれば、「未経験でもエンジニアになれる入口」として前向きに考えている学生もいます。

実際のところ、企業側が見ているのは「SESをどう思っているか」よりも、IT業界をどう理解しているかです。

例えば面接では次のような点がよく見られています。

・IT業界の仕組みを理解しているか
・エンジニアとして成長したい意思があるか
・技術を学び続ける姿勢があるか

IT業界は変化が早いため、企業は「最初の会社」よりも「将来どのように成長していくか」を見ていることが多いです。


まとめ

SESの人気が落ちていると言われる背景には、就活生の情報量が増えたことや、自社開発企業の人気が高まったことがあります。

しかしSESという仕組み自体は、IT業界の中で今も重要な役割を持っています。

大切なのは、イメージだけで判断するのではなく、企業の仕組みやキャリアの考え方を理解することです。

IT業界を目指す場合は、SES・SIer・自社開発など、それぞれの特徴を知ったうえで、

プロフィール
この記事を書いた人
パパダンゴ

はじめまして!
当ブログ「天職カツ丼ブログ」を運営しているパパダンゴです。

私は現在、IT企業の人事マネージャーとして、これまで多くの学生の面接に関わってきました。現在も年間200名以上の方に面接をしています。
面接官としての経験を活かし、「受かる答え・落ちる理由・志望動機の作り方」など、就活の本音を分かりやすく解説しています。

学生の多くは、何を準備すればいいか分からず不安を抱えています。
このブログでは、面接官目線で情報を整理し、IT業界未経験者でも挑戦しやすいように解説しています。

■ブログで発信していること
・未経験からIT業界に入る方法
・T業界の職種解説
・志望動機の作り方
・自己分析のやり方
・SPI、Web-CABなどの適性検査対策
・面接で評価されるポイント

すべて、採用現場のリアルな視点をもとにしています。

■人柄・価値観
人が安心して挑戦できる「場」を作ることが好きです。
誰かが一歩踏み出すとき、その背中を少し押せるような情報を届けたいと思っています。
MBTIは INFJ(提唱者型) で、人の成長や可能性に関わることに喜びを感じます。

就活は不安や迷いが多いものです。
このブログが少しでも、皆さんの「次の一歩」を考えるヒントになれば嬉しいです。

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