
面接で「あなたの将来像を教えてください」と聞かれたとき、正直ちょっと困りますよね。
「え、そんな先のことまだ決まってないし…」とか、
「会社に気に入られる答えを言った方がいいのかな…」とか、頭の中でぐるぐる考えてしまいます。
しかし、この質問は単なる“未来予想クイズ”ではありません。
面接官はあなたの将来像を通して「働き方の姿勢」や「会社との相性」を見ているのです。
つまり、ここをうまく答えられれば、「この人は会社と一緒に成長してくれそうだ」と思ってもらえるチャンス。
今日は、現役面接官の視点から、「感動される将来像の作り方と話し方」をお伝えします。
面接官は将来像で何を見ているのか?
「将来像」の質問には、主に次の意図があります。
- 成長意欲があるか
ただ現状維持を望む人より、向上心のある人の方が評価されやすいです。 - 会社の方向性とマッチしているか
将来像が会社のビジョンとズレすぎていると、「長く働かないかも」と思われます。 - 現実的な計画性があるか
理想だけ語っても実現性がゼロだと評価が下がります。
この3つが揃った答えは、面接官から「いいですね!」と素直に褒められることが多いです。
感動される将来像の3ステップ構成
将来像をただ「◯◯になりたいです!」とだけ言っても弱いです。
そこでおすすめなのが、この3ステップ構成。
- きっかけ・背景(なぜそう思うのか)
- 具体的な目標(何を目指すのか)
- 実現への行動計画(どうやって達成するのか)
順に説明していきます。
1. きっかけ・背景
まずは将来像の土台になる「理由」を語ります。
ここが抜けると、ただの思いつきに聞こえてしまうんですよね。
例:
「大学時代、◯◯のアルバイトでお客様に喜んでいただいた経験から、将来は人の役に立つ仕事を続けたいと考えるようになりました」
こうすると、目標が自分の経験や価値観に根ざしていると伝わります。
2. 具体的な目標
次に「何を目指すのか」を明確にします。
このとき、あまりに抽象的だと印象が弱くなるので、ポジション・スキル・成果のいずれかを具体的に示しましょう。
例:
「5年後には営業部のリーダーとして、新人教育にも携われるようになりたいです」
「数字や役職を入れる」だけで、ぐっと現実味が出ます。
3. 実現への行動計画
最後に、「どうやってそこにたどり着くのか」を話します。
これを入れることで、「考えるだけじゃなく行動できる人」という印象になります。
例:
「まずは入社後、先輩から営業の基礎を学び、半年以内に社内成績で上位3位以内を目指します。そのうえで後輩に指導できるスキルを身につけたいです」
こう話せば、努力の姿勢がしっかり伝わります。
実際の回答例
面接官「あなたの将来像を教えてください」
あなた「はい。大学時代、飲食店のアルバイトで接客をしていたとき、お客様から“また来たい”と言っていただいたことが大きな喜びでした。この経験から、人との関わりを通じて価値を提供する仕事を続けたいと考えています。5年後には営業部のリーダーとして、新人育成にも携われるようになりたいです。そのために、まずは入社後1年目で業務を一通り習得し、成績上位を目指します。そして3年目までに後輩の指導役を務められるようスキルを磨きたいです」
この答えなら、「背景→目標→行動」の流れが明確で、感動ポイントも押さえられています。
感動度を上げる3つの工夫
- 会社のビジョンとリンクさせる
「御社の理念である◯◯に共感し、その実現に貢献できる人材になりたいです」と入れるだけで一体感が増します。 - 自分の価値観を混ぜる
「人を支えることにやりがいを感じる」など、自分ならではの動機を添えると印象に残ります。 - 実現までの期間を明示する
「3年後」「5年後」など期限を入れると具体性が高まります。
NGな将来像
・「社長になりたいです!」(現実味がなく幼稚に見える)
・「定年まで働きたいです」(成長意欲が見えない)
・「まだ決まってません」(準備不足に見える)
もちろん、本当に社長を目指すなら否定はしませんが、その場合は明確な根拠や計画が必須です。
面接官の心を動かすポイント
面接官は「あなたが自分の未来をどう描いているか」を聞きながら、その未来をこの会社で実現できるかを想像しています。
だからこそ、「会社のフィールドを活かした成長ストーリー」を話すことが大切です。
たとえば、メーカーの面接なら「商品開発に携わりたい」、IT企業なら「プロジェクトマネージャーとして活躍したい」など、業界と絡めると効果的です。
まとめ
「将来像」の質問は、自己PRの延長線上にあるチャンスです。
- きっかけ・背景
- 具体的な目標
- 実現への行動計画
この3ステップで、自分の価値観と会社の方向性をリンクさせれば、面接官の心を動かす答えができます。
将来像は空想ではなく、「今から積み重ねる成長の道筋」として語ることがポイントです。