
面接が終わった瞬間、心の中で「終わった〜!」と解放感に包まれる人は多いです。
ただし、その瞬間から油断が始まります。
実は、面接官はあなたがドアを出るまで見ています。そして、最後の最後で評価が上下することは珍しくありません。
今回は、現役面接官として何度も目にしてきた「退室時のうっかり減点」を避けるための、具体的なチェックポイントを解説します。
面接は「ドアが閉まるまで」が本番
まず大前提として、面接は「質問が終わったら終了」ではありません。
面接官があなたを評価するのは、挨拶から退室までの一連の流れです。
なぜなら、社会人としてのマナーや人柄は、最後の行動にこそ出やすいから。
面接が終わって気が緩んだ瞬間に、だらっと椅子から立ち上がったり、小さく「あ〜疲れた」なんて言ってしまう人…本当にいます。
こういう小さな瞬間が、面接官の記憶に悪い形で残ってしまうのです。
チェックポイント1:最後の「ありがとうございます」を丁寧に
面接終了の合図があったら、まずは椅子から静かに立ち上がり、面接官の目を見てしっかりお礼を言いましょう。
ポイントは2つ。
- 声のトーンを下げない
面接中より声が小さくなると、「やっと終わった」感が出ます。 - 形式的すぎない表情
にこやかさを忘れず、感謝の気持ちを表情にも出すと好印象です。
例:
「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございました」
チェックポイント2:椅子を元の位置に戻す
面接会場の椅子は、あなたが座ったままの位置になっています。
そのまま立ち去ると、細かい気配りができない人だと思われることも。
- 椅子を静かに押し戻す
- 音を立てないよう注意する
この一手間だけで、「丁寧な人」という印象に変わります。
チェックポイント3:荷物の持ち方を確認
意外と多いのが、荷物の扱いでの減点。
たとえば、かばんを片手でぶらぶらさせながら出ていく、ジャケットをぐしゃっと持つなど。
- かばんは両手、または片手でもきちんと持つ
- 上着はきれいに腕にかける
- 資料があれば整えて持つ
こうした姿勢が、社会人としての所作の印象を左右します。
チェックポイント4:ドアの開け方・閉め方
退室時のドアの扱いも、面接官はしっかり見ています。
- ノブを静かに回して開ける
- 後ろを振り返って軽く会釈する
- ドアを静かに閉める
バタン!と勢いよく閉めてしまうと、せっかくの好印象が台無しです。
チェックポイント5:廊下やエレベーターでも油断しない
退室して面接会場から離れたら、もう見られていない…と思っていませんか?
実は、面接官やスタッフが窓や通路から見ていることがあります。
- スマホをすぐ取り出さない
- 同じビルの社員や警備員にも丁寧に接する
- 他の候補者がいても礼儀正しく振る舞う
こうした行動が、後からプラス評価につながることもあります。
面接官が実際に見た「残念な退室例」
- 「ありがとうございました」と言いながら、目はスマホの通知
- 椅子をガタンと鳴らし、そのまま出て行く
- ドアを開けっ放しで立ち去る
- 廊下で「終わった〜」と大声で電話
こういう行動は、その人のマナーや社内での振る舞いに直結すると判断されがちです。
理想的な退室の流れ
- 面接終了の合図 → 椅子から静かに立つ
- 面接官に向き直って感謝の言葉
- 椅子を静かに元の位置へ
- 荷物を整えて持つ
- ドアの前で再度お辞儀
- ドアを静かに開閉
- 廊下や受付でも礼儀正しい態度をキープ
最後の印象は想像以上に残る
人間の記憶は「最初」と「最後」が特に残りやすい、という心理効果があります。
つまり、面接官にとっては「退室時のあなた」が、その面接全体の印象を大きく左右するのです。
「面接の最後まで=採用への勝負は続いている」
この意識を持つだけで、退室時の所作が自然と丁寧になります。
まとめ
面接は、質問が終わった瞬間ではなく、ドアが閉まる瞬間に本当に終了します。
退室時に大事なのは、
- 感謝の言葉
- 丁寧な所作
- 最後まで気を抜かない態度
この3つを徹底すること。
面接官は細かい行動の積み重ねから、あなたの社会人としての姿勢を判断しています。
次の面接では、「ドアが閉まるまで」が本番だと意識してみてください。
きっと、今まで以上に好印象を残せるはずです。