面接官が本音で語る|この人は採りたいと思う人の特徴12選(IT企業編)

IT企業の面接では、「どんなスキルを持っているか」だけで合否が決まるわけではありません。
実際の現場では、スキル以上に「この人と一緒に働けるかどうか」が非常に重要な判断基準になっています。

特にIT業界はチームで仕事を進める場面が多く、エンジニア・営業・デザイナーなど複数の職種が連携してプロジェクトを進行します。そのため、能力が高い人よりも「コミュニケーションが取りやすい人」「柔軟に対応できる人」が評価されるケースも少なくありません。

また、面接官は短い面接時間の中で、その人の“仕事の進め方”や“思考のクセ”を見ています。志望動機の内容だけでなく、話し方、態度、考え方まで含めて総合的に判断されています。

では実際に、どのような人が「この人はぜひ採用したい」と思われるのでしょうか。

本記事では、IT企業の面接現場で実際に評価されやすいポイントを、面接官視点で12個に整理して解説します。


① 志望動機に具体性がある人

志望動機は面接において最も重要な評価ポイントの一つです。

「ITで社会に貢献したい」という言葉自体は間違いではありませんが、それだけでは評価につながりにくいのが実情です。なぜなら、この表現は業界・企業問わず誰でも言えてしまうため、差別化ができないからです。

面接官が見ているのは、「なぜIT業界なのか」「なぜこの企業なのか」「その中で自分は何をしたいのか」という3つの軸です。この3つが明確に繋がっているほど、志望動機の説得力は大きく高まります。

例えば、アルバイトでの業務効率化の経験から「仕組みで人の負担を減らすこと」に興味を持ったケースや、学校生活の中で非効率な手続きを経験し、それを改善したいと感じた経験など、具体的な背景があると一気にリアリティが出ます。

単なる憧れではなく、「なぜそう思ったのか」という起点があることが重要です。

さらに評価されるのは、その経験と企業の事業内容をしっかり結びつけられている人です。
例えば「御社の○○というサービスは自分の経験した課題に近いと感じた」など、企業理解と自己経験が接続されていると、本気度が強く伝わります。

また、面接官は「どれだけ調べているか」ではなく「どれだけ自分ごととして語れているか」を見ています。志望動機は完成された文章ではなく、自分の経験を軸にしたストーリーとして語れるかどうかが評価の分かれ目です。


② チームで動くイメージができる人

IT業界の仕事は個人プレーではなく、チームプレーが前提です。

システム開発は要件定義、設計、開発、テストといった複数工程に分かれており、それぞれ異なる役割の人が連携して初めて成立します。そのため、技術力以上に「チームの中でどう振る舞えるか」が重要な評価軸になります。

面接官は会話の中で、その人がチームに自然に馴染めるかどうかを見ています。例えば、自分の意見を主張しつつも他者の意見をしっかり受け止められる人や、全体の流れを理解したうえで発言できる人は非常に評価が高くなります。

逆に、自分の成果だけを強調したり、他人の意見を否定するような態度が見えると「現場で衝突する可能性がある」と判断されることがあります。これは能力の問題ではなく、協働姿勢の問題です。

実際の現場では、技術力よりもコミュニケーションのスムーズさがプロジェクトの成功に直結することも多くあります。どれだけ優秀でも、チーム内で認識のズレが多いとプロジェクト全体に影響が出てしまうためです。

また、面接では過去の経験を通じて「集団の中でどう動いてきたか」も見られています。リーダー経験だけでなく、サポート役としてどう貢献したかも重要な評価ポイントです。


③ 柔軟に考えられる人

IT業界は変化のスピードが非常に速い業界です。新しい技術の登場、開発手法の変化、プロジェクト方針の変更など、常に環境が動き続けています。そのため、一つの考えに固執せず、状況に応じて柔軟に対応できる人が求められます。

面接では、想定外の質問や深掘りへの対応から柔軟性を見ています。自分の意見と異なる視点を提示されたときに、それを否定するのではなく、一度受け止めて考え直せる人は高く評価されます。

例えば、「その方法以外に別のやり方はありますか?」と聞かれたときに、視点を広げて回答できるかどうかは重要です。逆に、自分の考えだけに固執してしまうと「現場で問題が起きたときに対応できないのではないか」と判断される可能性があります。

ITの現場では、正解が一つとは限りません。状況や条件によって最適解が変わるため、複数の選択肢を持てる思考力が必要です。

柔軟性とは単に意見を変えることではなく、「複数の視点を理解したうえで最適な判断を選べる力」です。そのためには、物事を一方向からではなく多面的に捉える習慣が重要になります。

面接官は、こうした柔軟性を過去の経験や対話の中で自然に確認しています。


④ 自分の経験を自分の言葉で話せる人

面接で高く評価されるのは、きれいに整えられた模範解答ではなく、自分の経験を自分の言葉で説明できる人です。

近年はAIやテンプレートの普及により、似たような志望動機や自己PRが増えており、その分「本当に経験しているかどうか」がより重視されています。

面接官は履歴書をもとに深掘り質問を行います。その際に重要なのは、経験の内容そのものよりも「そのとき何を考え、どう判断し、どう行動したか」という思考プロセスです。

例えば、アルバイトやゼミ活動での出来事でも、背景・課題・行動・結果を自分の言葉で説明できる人は信頼性が高くなります。逆に、文章をそのまま覚えているだけだと、質問が深くなったときに一貫性が崩れやすくなります。

また、面接官は完璧な言い回しよりもリアルさを重視しています。多少言葉が詰まっても、自分の体験として語っている人の方が評価される傾向があります。

重要なのは「上手く話すこと」ではなく「自分の経験として話せているか」です。面接はプレゼンではなく、人物理解の場であるため、この点が非常に大きな評価基準になります。


⑤ 自然に目を合わせて話せる人

面接において「目を合わせて話せるかどうか」は、単なるマナーではなくコミュニケーション能力の重要な指標として見られています。特にオンライン面接ではカメラを見るかどうかで印象が大きく変わるため、意識的な対応が必要です。

目を合わせて話せる人は、それだけで「自信がある」「誠実である」「相手としっかり向き合っている」といった印象を与えます。逆に、視線が下を向いていたり、画面の端を見ている状態が続くと、不安や消極性が強調されてしまいます。

IT業界でも対人コミュニケーションは必須です。社内での打ち合わせ、顧客との要件確認、進捗報告など、人と向き合って話す場面は非常に多く存在します。そのため、視線や態度といった非言語コミュニケーションも評価対象になります。

ただし、常に見つめ続ける必要はありません。自然に相手を見る、話すときにカメラを見る、聞くときに適度に反応する、といった基本動作ができていれば十分です。

面接官は話の内容だけでなく、「この人とストレスなくコミュニケーションが取れるか」という感覚も重視しています。目線はその判断材料の一つであり、簡単に改善できるにもかかわらず評価に大きく影響するポイントです。


⑥ 業界理解が深い人

IT業界は一つの業界に見えて、実際には非常に幅広い領域で構成されています。SIer、Webサービス企業、コンサルティング企業など、それぞれ役割やビジネスモデルが異なります。そのため、業界理解の深さは面接で重要な評価基準になります。

「ITは成長産業だから」「将来性があるから」といった理由は一般的ですが、それだけでは評価は高くなりません。面接官が見ているのは、その人がどの領域に興味を持ち、どのようなキャリアを考えているかです。

例えば、システムを作る側に関わりたいのか、サービスを改善する側に関わりたいのか、あるいは顧客課題を整理する上流工程に興味があるのかによって、志望の深さは大きく変わります。ここが具体的であるほど、「業界を理解したうえで選んでいる」という印象になります。

逆に、業界理解が浅いと「なんとなくITを選んでいる」という評価になりやすく、志望動機の説得力も弱くなります。

面接官は「どれだけ詳しいか」よりも、「どれだけ現実的に仕事を理解しているか」を見ています。そのため、職種や業界構造を踏まえた発言ができる人は評価が高くなります。


⑦ 会話がスムーズな人

面接では「話す内容」だけでなく「会話の流れ」が重要な評価ポイントになります。ここでいうスムーズさとは、単に話が上手いということではなく、質問の意図を正しく理解し、適切な構造で答えられるかどうかを指します。

例えば、質問に対して結論が曖昧なまま話し始めたり、前提説明が長くなりすぎると、面接官にとって理解しづらい印象になります。一方で、「結論→理由→補足」の順で簡潔に話せる人は、内容が整理されており評価が高くなります。

IT業界では、報告・相談・仕様説明など、短時間で正確に情報を伝える場面が多くあります。そのため、面接はその基礎的なコミュニケーション能力を確認する場でもあります。

また、スムーズな会話ができる人は、相手の反応を見ながら話を調整できる特徴があります。これは単なる話術ではなく、「相手に正しく伝えたい」という意識の表れです。

面接官は「この人と一緒に仕事をしたときにストレスなくやり取りできるか」を無意識に判断しています。そのため、話の流暢さよりも“理解しやすさ”が評価の中心になります。


⑧ 会話のキャッチボールができる人

会話のキャッチボールとは、一方的に話すのではなく、相手の質問や反応を受け取りながら対話を成立させる力のことです。面接ではこの能力が非常に重要視されています。

例えば、質問の意図を正しく理解せずに的外れな回答をしてしまったり、聞かれていない情報を長く話しすぎると、「コミュニケーションが成立しにくい」と判断される可能性があります。
一方で、必要な情報を簡潔に整理して返せる人は高く評価されます。

ITの現場では、要件確認や仕様調整など、相手との認識合わせが非常に重要です。そのため「相手の言いたいことを正しく理解しながら会話できるか」は実務能力に直結します。

キャッチボールができる人の特徴としては、質問を一度整理してから答える、相手の言葉を繰り返して確認する、不明点をそのままにせず質問し直す、といった行動が挙げられます。これは特別なスキルではなく、意識で改善できる部分です。

面接官はこのやり取りを通じて、「この人は現場で認識ズレなく仕事ができるか」を判断しています。知識や経験以上に、対話の成立性が評価に影響するポイントです。


⑨ 清潔感がある人

清潔感は面接においてスキルとは無関係に見える要素ですが、実は非常に重要な評価基準の一つです。特にIT業界でも、社内外の人と関わる機会が多いため、「人前に出せるかどうか」という視点で見られています。

清潔感で評価されているのは、高価な服装やおしゃれさではありません。重要なのは「整っているかどうか」です。例えば、髪型が整っているか、シャツにシワがないか、靴が汚れていないか、姿勢が悪くないかといった基本的なポイントです。

これらが整っているだけで、「この人はきちんとしている」「仕事も丁寧そうだ」という印象につながります。逆に、服装が乱れていたり髪が整っていない場合、それだけで「仕事も雑なのではないか」「勤怠不良になりそう」といった印象を持たれてしまう可能性があります。

また、オンライン面接でも清潔感は重要です。背景が散らかっていたり、カメラの角度が悪かったりすると、それだけで印象が下がることがあります。画面越しでも印象は強く伝わるため注意が必要です。

清潔感は特別なスキルではなく、少し意識するだけで改善できる要素です。しかしその分、評価への影響は非常に大きく、面接においては“コスパの高い改善ポイント”とも言えます。


⑩ 結論から話せる人

結論から話せるかどうかは、論理的思考力を判断するうえで非常に重要なポイントです。面接官は限られた時間の中で多くの情報を判断するため、話の構造が整理されているかを重視しています。

例えば、「私は○○です。その理由は〜」という形で話せる人は、内容が非常に理解しやすく評価が高くなります。一方で、背景説明から入り、最後に結論が出る話し方は、情報が整理されていない印象になりやすくなります。

IT業界では、報告・相談・仕様説明など、情報を正確かつ短時間で伝える場面が多くあります。そのため、面接はその基礎能力を確認する場でもあります。

また、結論から話せる人は思考が整理されている傾向があります。一度頭の中で構造化してから話すため、相手にとっても理解しやすいのです。

このスキルは生まれ持った能力ではなく、意識で改善可能です。「結論→理由→具体例」の順番を意識するだけでも、面接での印象は大きく変わります。


⑪ 困難を前向きに捉えられる人

仕事においてトラブルや失敗は必ず発生します。そのため面接官は「問題が起きたときにどう向き合うか」を非常に重視しています。

評価されるのは失敗そのものではなく、その後の行動です。例えば、課題に直面した際に改善策を考えたり、周囲に相談して解決に導いた経験がある人は高く評価されます。

一方で、問題を環境や他人のせいにしてしまうと、成長性に不安を持たれる可能性があります。IT業界では仕様変更やバグ対応など、予期しない問題が頻繁に発生するため、問題への向き合い方は重要な評価ポイントです。

困難を「失敗」として終わらせるのではなく、「改善の材料」として捉えられるかどうかが大きな分かれ目です。

また、前向きに捉えられる人は成長スピードが速い傾向があります。失敗から学び、次に活かす姿勢があるため、現場でも安定して成果を出しやすくなります。

面接官は過去の経験を通じて、その人の思考の癖や問題解決スタイルを見ています。


⑫ 相手目線・多角的に考えられる人

ITは技術職であると同時に、人の課題を解決する仕事です。そのため、常に相手目線で考えられる人は非常に高く評価されます。

例えば、ユーザーがどこでつまずくのか、どの操作が分かりにくいのかといった視点を持てる人は、実務でも成果を出しやすい傾向があります。単に自分のやりやすさではなく、「相手にとってどうか」を考えられることが重要です。

さらに、多角的に物事を考えられる能力も重要です。一つの原因だけで判断するのではなく、複数の可能性を検討できる人は問題解決能力が高いと評価されます。

IT業務では、原因分析や設計など論理的思考が求められる場面が多くあります。そのため、表面的な理解ではなく、背景や構造まで考えられているかが評価のポイントになります。

面接官は「この人はどれくらい深く考えているか」を会話の中から判断しています。答えの正しさではなく、思考の広さと深さが見られているのです。

相手目線と多角的思考は別の能力ですが、どちらもIT業界では欠かせない基礎力であり、長期的な成長にも直結します。


まとめ

ここまで、IT企業の面接官が「この人は採りたい」と感じる特徴を12個紹介してきました。

共通しているのは、特別なスキルや突出した実績ではなく、社会人としての基礎力や一緒に働きやすいかどうかという点です。

志望動機の具体性、チームでの動き方、柔軟性、コミュニケーション能力など、どれも一見シンプルな要素ですが、実は面接では非常に重要な評価軸になっています。

また、面接は正解を当てる試験ではなく、「この人と一緒に仕事をしたいか」を判断する場です。そのため、完璧な回答をすることよりも、自分の経験をもとに自然に考えを伝えられるかどうかが重視されます。

今回紹介した12のポイントは、すべて意識することで改善できる内容です。特別な才能が必要なわけではなく、準備と意識の積み重ねで大きく変わります。

面接は“評価される場”であると同時に、“自分を理解してもらう場”でもあります。

ぜひ今回の内容を参考に、自分らしい言葉で面接に臨んでみてください。

プロフィール
この記事を書いた人
パパダンゴ

はじめまして!
当ブログ「天職カツ丼ブログ」を運営しているパパダンゴです。

私は現在、IT企業の人事マネージャーとして、これまで多くの学生の面接に関わってきました。現在も年間200名以上の方に面接をしています。
面接官としての経験を活かし、「受かる答え・落ちる理由・志望動機の作り方」など、就活の本音を分かりやすく解説しています。

学生の多くは、何を準備すればいいか分からず不安を抱えています。
このブログでは、面接官目線で情報を整理し、IT業界未経験者でも挑戦しやすいように解説しています。

■ブログで発信していること
・未経験からIT業界に入る方法
・T業界の職種解説
・志望動機の作り方
・自己分析のやり方
・SPI、Web-CABなどの適性検査対策
・面接で評価されるポイント

すべて、採用現場のリアルな視点をもとにしています。

■人柄・価値観
人が安心して挑戦できる「場」を作ることが好きです。
誰かが一歩踏み出すとき、その背中を少し押せるような情報を届けたいと思っています。
MBTIは INFJ(提唱者型) で、人の成長や可能性に関わることに喜びを感じます。

就活は不安や迷いが多いものです。
このブログが少しでも、皆さんの「次の一歩」を考えるヒントになれば嬉しいです。

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