
「面接は質問への答えが全てだ」
そう思って準備していませんか?残念ながら、それは半分しか正しくありません。
IT企業の採用担当として年間300名以上の学生と面接してきた経験から、はっきり言えることがあります。面接の評価は、質問が始まる前から、すでに動き出しているのです。
受付での挨拶の仕方、控室での待ち方、廊下の歩き方、ドアのノックのリズム、入室した瞬間の声と表情、椅子までの歩き方、着席する動作——。これらすべてが、面接官の目に入っています。

「そんな細かいことで評価が変わるの?」と思うかもしれません。でも変わるんです。それも、思っている以上に大きく。
理由はシンプルです。面接官が見ているのは「回答の上手さ」だけではありません。「この人は職場に入ったとき、お客様の前に出られるか」「チームの中で自然にコミュニケーションが取れるか」「社会人として基本的な行動ができるか」——それを、わずか数秒の動作から読み取ろうとしているのです。
特に未経験からIT業界を目指す就活生にとって、技術スキルでのアピールが難しい分、「人として信頼できるかどうか」の印象が合否に直結します。

本記事では、受付に到着した瞬間から退室して建物を出るまでの一連の動作を、面接官目線でゼロから丁寧に解説します。知っているだけで差がつく、でも意外と誰も教えてくれないポイントを、すべて盛り込みました。
- そもそも「第一印象」はなぜ面接に決定的な影響を与えるのか
- 【STEP 1】受付到着——「建物に入った瞬間」から面接は始まっている
- 【STEP 2】呼ばれた瞬間——歩き方と廊下での振る舞い
- 【STEP 3】ドアの前——ノックから入室許可まで
- 【STEP 4】入室直後——最初の5秒で第一印象が完成する
- 【STEP 5】椅子まで歩く——わずか数歩が印象を作る
- 【STEP 6】着席——「座り方」で合否は変わるか
- 【STEP 7】面接中の非言語コミュニケーション——「どう話すか」が「何を話すか」より伝わる
- 【STEP 8】逆質問——面接の最後を制する者が内定を制す
- 【STEP 9】退室——「最後の印象」が記憶に残る
- 【特別解説】オンライン面接でも「入室」の印象は変わらない
- 面接の立ち居振る舞いを練習する方法——知識を「体に染み込ませる」
- 面接当日にやってはいけないNG行動——採用担当が「ヒヤッ」とした実例
- 未経験IT就活生が特に意識すべき「人柄の見せ方」
- まとめ——面接は「受付に入った瞬間から退室するまで」がすべて
そもそも「第一印象」はなぜ面接に決定的な影響を与えるのか
「初頭効果」が面接評価を左右するメカニズム
心理学に「初頭効果(primacy effect)」という概念があります。人は最初に得た情報を、その後の判断の基準にする傾向があるというものです。面接に置き換えると、入室してから最初の数十秒で形成された印象が、その後の質問への回答の評価にまで影響するということです。
例えば、入室時に「声が小さくて表情が固い」という印象を持った面接官は、その後の回答に対しても「やっぱり自信がなさそう」というフィルター越しに見てしまいます。逆に「明るくて落ち着いている」という印象を持った面接官は、「この人の話をもっと聞いてみたい」というポジティブな姿勢で質問を続けます。

これは面接官が意地悪なのではなく、人間の脳の自然な働きです。だからこそ、最初の印象を良い状態で作ることが、面接全体のパフォーマンスに大きく影響します。
IT業界の面接で「非言語コミュニケーション」が重要な理由
IT業界というと、「技術力があれば問題ない」「コミュニケーションはあまり関係ない」というイメージを持っている学生がいますが、これは大きな誤解です。
現代のIT業界では、エンジニアでもコンサルタントでも営業でも、クライアントとのコミュニケーションやチーム内での協働は不可欠です。システム開発では、要件をクライアントからヒアリングする能力が求められます。プロジェクト管理では、複数のステークホルダーと連携する必要があります。
特に未経験者を採用する場合、企業は「技術は後から教えられる」という前提で動いています。

代わりに何を見るかというと、コミュニケーション能力・素直さ・成長意欲・社会人としての基礎力です。
これらはすべて、面接での「立ち居振る舞い」や「第一印象」に直接表れます。声の大きさ、目線の使い方、姿勢、表情、反応の速さ——これらが「コミュニケーション能力の可視化されたもの」として評価されるのです。
「言葉で説明した内容」より「行動で見せた印象」が記憶に残る
面接官は1日に複数の就活生と面接することが多く、後で振り返ったとき「あの人はどんな人だったか」を思い出す材料は、実は「何を言ったか」よりも「どんな雰囲気だったか」の方が強く残ることがあります。
「明るく元気な挨拶をしてくれた人」「緊張しながらも誠実に話してくれた人」「入室した瞬間から笑顔だった人」——これらの印象は、数ある質問への回答よりも鮮明に記憶に残ります。
だからこそ、言葉の準備と同じくらい(場合によってはそれ以上に)、入室から退室までの立ち居振る舞いを整えることが重要なのです。
【STEP 1】受付到着——「建物に入った瞬間」から面接は始まっている
受付スタッフへの対応が採用担当に伝わることがある

面接室に入る前、あなたは受付のスタッフと接触します。多くの就活生は「採用担当者以外には見られていない」と思っていますが、それは間違いです!
特に中小〜中堅規模のIT企業では、受付担当者が採用担当者の同僚や後輩であることが多く、「さっきの就活生、感じ良かったですよ」「待っている間ずっとスマホ見てましたね」といった一言が、採用担当の耳に入ることがあります。
実際に、面接後の採用会議で「受付での態度を見ました」という話題が出たことは、採用現場では決して珍しいことではありません。
受付でのベストアクション
到着時刻について 会社の受付には、面接開始時刻の10〜15分前に着くのが理想です。それ以上早い場合は、ビル外または近くのカフェで時間を調整しましょう。30分以上前の訪問は、担当者側の準備が整っていないため迷惑になることがあります。
受付での挨拶の仕方 受付カウンターに近づいたら、スマホはすでにカバンにしまった状態で、背筋を伸ばして立ちます。受付スタッフと目が合ったら、軽く会釈をしてから話しかけましょう。
「本日〇〇時に面接のお約束をいただいております、〇〇大学の△△と申します。よろしくお願いいたします。」
声は普段よりやや大きめ、口角を少し上げた状態で話すと、好印象になります。
受付後の待ち方 案内された椅子に座って待つ間も、見られています。背筋を伸ばして座り、足は揃えるか軽く組む程度にします。スマホを取り出して見たくなる気持ちはわかりますが、できれば控えましょう。どうしても確認したいことがある場合は、画面の明るさを下げて短時間で済ませます。

目線は正面かやや下に向け、落ち着いた表情を保ちます。緊張しているとき、人はついきょろきょろしてしまいますが、視線が落ち着いているだけで「余裕がある人」という印象になります。
控室で差をつける「待ち時間の使い方」
控室での待ち時間は、面接直前の最終調整タイムとして活用できます。新しい情報を詰め込もうとするのではなく、「気持ちを整えること」に集中しましょう。
有効な過ごし方
- 会社のホームページや企業情報を軽く見直す(スマホで静かに確認)
- 逆質問の候補を心の中で整理する
- 深呼吸を数回行い、呼吸を整える
- 話す内容のキーワードを頭の中でなぞる
避けた方がいいこと
- SNSのタイムラインを流し見する(ネガティブな情報が目に入りやすい)
- 他の就活生と大声で話す
- イヤホンをつけて音楽を聴く
- 足を組んだり、椅子に深くもたれかかったりする
【STEP 2】呼ばれた瞬間——歩き方と廊下での振る舞い
「名前を呼ばれた瞬間」の反応が第一印象の実質的なスタート

「〇〇さん」と名前を呼ばれた瞬間の反応で、すでに印象は始まっています。
モタモタと立ち上がって荷物をまとめているより、スッと立ち上がって「はい」と返事をする方が格段に印象が良いです。特に返事の声は大きすぎるくらいで構いません。呼ばれたことへの明確な反応として、はっきりした「はい」の一声は強い好印象を生みます。
荷物はあらかじめ「すぐ持てる状態」に整えておきましょう。カバンのファスナーを閉めた状態で足元に置いておくと、立ち上がった瞬間にすぐ持てます。
廊下・エレベーターでの歩き方
担当者に案内されて面接室へ向かう間も、観察されています。この移動中の振る舞いが評価に影響することはあまり知られていません。
歩くときに意識すること
- 背筋を伸ばし、視線は前方(担当者の背中の方向)に向ける
- 歩幅は肩幅程度を目安にし、大股すぎず・小股すぎず
- 足音を立てない(かかとから着地しないよう意識する)
- 担当者のペースに合わせて歩く(先に進みすぎない、置いていかれすぎない)
エレベーターでの立ち方 エレベーターに乗る場合、「お先にどうぞ」と案内されたら先に乗ります。乗ったら端に寄り、担当者が乗ってきたら軽く会釈。無言でもOKですが、簡単な一言(「今日はお時間をいただきありがとうございます」など)があると印象が良くなります。

エレベーター内でスマホを触ったり、鏡をのぞきこんで身だしなみを直したりするのは避けましょう。
「案内してくれた人」への挨拶を忘れない
面接室前まで案内してくれた担当者に「ありがとうございました」と一言伝えましょう。この一言を忘れる就活生は意外と多いです。案内スタッフも採用チームの一員であることが多く、こうした細かい気遣いが評価者の耳に届くことがあります。
【STEP 3】ドアの前——ノックから入室許可まで
ノックは「3回」が面接の基本マナー
面接室のドアの前に立ったとき、多くの就活生が「2回でいいのか、3回か」と迷います。答えは明確です。面接では3回ノックが基本です。2回ノックは一般的にトイレの確認に使われる回数とされており、ビジネスの場では少々カジュアルすぎる印象を与えることがあります。3回は「これからお邪魔します」という礼儀ある意思表示です。
ノックのリズムと強さ 「コン・コン・コン」と、間隔をある程度空けながら、強すぎず弱すぎないリズムで叩きます。速すぎるノックは「焦っている」「落ち着きがない」印象を与えます。1回1回を丁寧に、少し間を置くくらいのリズムが理想です。

ドアを叩く際は、指の第二関節を使って軽く叩く。グーで叩くと音が大きくなりすぎるので注意です。
「どうぞ」の声を必ず待つ
ノックの後、中から「どうぞ」「お入りください」という声が聞こえるまで、ドアを開けてはいけません。これは鉄則です。就活生の多くが「ノックしたらすぐ開けていい」と思っていますが、そうではありません。ノックはあくまで「入っていいですか?」という確認です。返事があって初めて入室できます。

もし少し待っても返事がない場合は、もう一度軽くノックしてみましょう。
入室の一言と扉の閉め方
返事が来たら、「失礼いたします」と声に出しながらドアを開けます。この一言を言わずに無言で入室する就活生は多いですが、「失礼いたします」の一言があるだけで礼儀正しい印象になります。
扉の閉め方について 入室したら、扉を後ろ手で閉めずに、扉の方を向いて両手で静かに閉めましょう。後ろ手で閉めることは「雑」「面倒くさがっている」印象を与えることがあります。少し手間に感じるかもしれませんが、振り返って丁寧に扉を閉める動作は、面接官に「所作が丁寧な人」という印象を与えます。
【STEP 4】入室直後——最初の5秒で第一印象が完成する
「5秒ルール」——入室後すぐにやるべき3つの動作
入室してから着席するまでのわずかな時間、特に最初の5秒が、面接での第一印象のほぼすべてを決定します。

面接官は、この5秒間に「この人と話したい」か「少し不安だな」かを直感的に判断していますよ!
最初の5秒でやるべき3つの動作
① 面接官の方を見る 扉を閉めたら、まず面接官の方に体を向けます。床や天井を見たり、視線が泳いでいると「自信がなさそう」な印象になります。面接官の目の方向に視線を向け、アイコンタクトを取りましょう。複数の面接官がいる場合は、中央の人(おそらく主担当)に目を向けてから、他の方にも視線を移します。
② 口角を上げた表情を作る 入室直後に「無表情」または「引きつった笑顔」でいると、緊張が前面に出てしまいます。「自然な笑顔」は難しければ、口角を少し上げるだけで十分です。これだけで表情が柔らかくなり、「感じの良い人」という印象になります。
③ はっきりした声で挨拶する 「本日はよろしくお願いいたします。〇〇大学の△△と申します。」
この挨拶を、普段より1.2〜1.5倍大きな声でハキハキと言います。声が小さいと「自信がない」「暗い」という印象を一瞬で与えてしまいます。緊張していても、声だけは大きく出す。これを意識するだけで、第一印象は大きく変わります。
挨拶の言葉は何が正解か

面接室入室直後の挨拶には、いくつかのパターンがあります。正解は一つではありませんが、以下のような形が自然で印象が良いです。
シンプルパターン(短め) 「失礼いたします。〇〇大学の△△と申します。本日はよろしくお願いいたします。」
丁寧パターン(少し長め) 「失礼いたします。本日はお時間をいただきありがとうございます。〇〇大学の△△と申します。よろしくお願いいたします。」
どちらでも問題ありません。重要なのは内容よりも声の大きさ・表情・目線です。完璧な言葉を選ぶより、元気よく笑顔で言う方が印象が良いです。
一礼のタイミングとやり方
挨拶と同時に、一礼を行います。一礼は「お辞儀」ですが、角度や方法を意識しましょう。
面接での一礼の基本
- 角度は30〜45度程度(深すぎると不自然)
- 頭だけを下げるのではなく、腰から前傾する
- お辞儀をしながら話さない(「ながらお辞儀」は見苦しい)
- お辞儀をして頭を上げてから、面接官に目線を戻す
「ながらお辞儀」というのは、「よろしくお願いいたしま〜す」と言いながら同時にお辞儀をすることで、落ち着きのない印象を与えます。一言言い終わってからお辞儀する、という流れを意識しましょう。
【STEP 5】椅子まで歩く——わずか数歩が印象を作る
面接室内での歩き方が「コミュニケーション能力」を示す
入室後、椅子に向かって歩く数歩の間も、面接官は見ています。歩き方はその人の「内面の状態」が表れやすいからです。緊張しているときは早歩きになりやすく、それが「落ち着きのない人」という印象につながります。逆に、ゆっくりしすぎてもマナーが悪そうに見えることがあります。
理想的な歩き方の4ポイント
- 背筋を伸ばし、猫背にならない
- 歩幅は狭すぎず(小股は自信のなさを演出する)
- 足音を立てない(かかとから着地しない)
- 視線は前方、またはナチュラルに椅子の方向へ
歩きながら荷物の持ち方に注意が必要です。カバンは体の前に持つか、利き手と逆の手に持って体の横に自然に下げるのが一般的です。カバンをだらんと引きずるように持ったり、両手でギュッと抱えたりするのは緊張が見えすぎてしまいます。
カバンはどこに置くのが正解か

椅子の横に立ったとき、カバンをどこに置くか迷う就活生は多いです。
基本ルール
- 机の上には置かない(これはNG)
- 椅子の隣(床の上)に置くのが基本
- 椅子の横に荷物置き用のサブ椅子がある場合は、そちらへ
- 担当者から「こちらへどうぞ」と指示があれば、その通りに
カバンを置くときは、音を立てずに静かに置きましょう。ドスンと置くのは、丁寧さに欠ける印象になります。
【STEP 6】着席——「座り方」で合否は変わるか
「どうぞお掛けください」を待ってから座る
椅子の前に立ったら、面接官から「どうぞお掛けください」という言葉を待ちます。これはビジネスマナーの基本です。何も言われないまま時間が経つことは実際にはほとんどありませんが、万が一何も言われなかった場合は、「失礼いたします」と一言添えてから座ります。

「着席してください」の言葉があったら、「ありがとうございます。失礼いたします」と返してから座るとスムーズです。
着席するときの所作

椅子に座る動作も、見られています。
NG動作
- ドカッと勢いよく座る
- 椅子を引く音が大きい
- 座るときに「よっこいしょ」のような表情・声が出る
- カバンを持ったまま座ろうとしてもたつく
OK動作
- 静かに椅子を引く(音を立てない)
- カバンを先に置いてから、ゆっくり座る
- 座る前に一瞬だけ面接官を見て会釈する
座った後の姿勢——これが意外と大事

着席後の姿勢は、面接が終わるまでの間ずっと評価に影響します。
正しい着席姿勢の5ポイント
① 背筋を伸ばす(猫背NG) 猫背は「元気がない」「暗い」「やる気がない」という印象を与えます。背筋を伸ばすだけで、堂々とした印象になります。
② 背もたれには寄りかからない(軽く触れる程度) 椅子の背もたれにもたれかかると「だらしない」「くつろいでいる」印象になります。ただし、全く触れないほど前傾みになると、体が疲れてきます。軽く背もたれに触れる程度が理想です。
③ 足は揃えて床に置く 女性はひざを揃えて。男性は肩幅程度に開く。足を組むのは基本NG(格が上の人間がすることとされるため)。
④ 両手は膝の上に軽く置く 腕を組む・机に肘を乗せる・手をポケットに入れるのはすべてNG。手は膝の上に置き、リラックスした状態を作ります。
⑤ 視線は面接官の顔の方向に 常にじっと目を見続けるとプレッシャーを与えてしまうことがあります。目を見て話す→少し目線を外す→また目線に戻す、という自然なサイクルを意識しましょう。
【STEP 7】面接中の非言語コミュニケーション——「どう話すか」が「何を話すか」より伝わる
面接官が話す内容より「伝わり方」を見ているとき

面接官は、就活生の話を聞きながら同時に「どんな人か」を判断しています。その判断に使っているのは、言葉の内容だけではありません。
コミュニケーション研究では、対人コミュニケーションにおいて非言語情報(見た目・声・態度)が印象に大きな影響を与えるとされています。面接においても、「話している内容」と「話し方・見た目」が一致していないと、内容よりも見た目の印象が勝つことがあります。
例えば「私は積極的に物事に取り組みます」と言いながら、声が小さく表情が暗かったとしたら——面接官の印象には「積極的な人」ではなく「声が小さくて暗い人」が残ります。
声のトーンと速さをコントロールする

声のトーンと速さをコントロールすることで、印象をかなり向上させることができます!
声の大きさ 面接室では、緊張で声が小さくなりがちです。普段より1.2〜1.5倍大きな声を意識しましょう。「少し大きすぎるかな」と思うくらいがちょうどいい場合がほとんどです。
話すスピード 緊張すると早口になります。意識的にゆっくり話す練習をしておきましょう。特に重要なポイントを話すときは、一呼吸置いてから話し始めると、落ち着いた印象になります。
語尾をはっきりさせる 「〜だと思います……」「〜かもしれません……」のように語尾が消えると、自信のない印象になります。「〜と考えています。」「〜だと思います。」と、語尾まではっきり言い切ることを意識しましょう。
アイコンタクトの正しい使い方
アイコンタクトは面接において重要ですが、「ずっと見続ける」のは逆効果です。
正しいアイコンタクトのサイクル
- 話し始めるときに面接官の目を見る
- 話している途中は時々目線を外す(3〜4秒ごとを目安に)
- 大事なポイントを言うときに再び目を合わせる
- 質問が終わったら目線を面接官に戻す
複数の面接官がいる場合は、全員に均等に目線を向けることが大切です。主担当者だけを見続けると、他の面接官は「この学生は自分を無視している」という感覚になります。
うなずきとリアクションで「聞いている姿勢」を示す
面接は「答える場」だけではありません。面接官が話しているとき、あなたはどんな態度をとっていますか?面接官の説明を「無反応で聞いている」就活生は意外と多いですが、これは「興味がない」「理解していない」という印象につながります。
効果的なリアクションの取り方
- 面接官が話しているとき、軽くうなずく
- 「はい」「なるほど」など短い相槌を適度に入れる
- 説明の後に「ありがとうございます」と一言添える
- 重要な情報は軽くメモを取る(「メモしてもよろしいですか」と事前に確認)
特にメモを取ることは非常に効果的です。「この人はしっかり話を聞いている」「仕事でも記録を取れる人だ」という好印象につながります。
【STEP 8】逆質問——面接の最後を制する者が内定を制す
「特にありません」は選考を終わらせる一言
「何かご質問はありますか?」という逆質問の場面で、「特にないです」「大丈夫です」と答える就活生が相当数います。しかしこれは、採用担当者にとって「この会社に本当に入りたいのか?」という疑問を強く生みます。

逆質問は「あなたがこの会社にどれだけ興味を持っているか」を示す絶好のチャンスです。事前に3〜5つ準備しておきましょう!
評価が上がる逆質問の特徴
逆質問には「印象を上げるもの」と「下げるもの」があります。
評価が上がりやすい逆質問
- 入社後の成長・キャリアパスについて聞く質問 「未経験で入社した場合、最初の1年間でどのようなことを身につけることができますか?」
- 会社の文化・チームの雰囲気を聞く質問 「実際に現場で働いている方々は、どのような雰囲気のチームが多いですか?」
- 仕事の具体的な内容を深掘りする質問 「御社でITコンサルタントとして最初に担当するプロジェクトは、どのような種類のものが多いですか?」
- 面接官自身の体験を聞く質問 「面接官の方が入社後に一番成長を感じた場面はどんな経験でしたか?」
評価が下がりやすい逆質問
- 会社のホームページに載っている情報そのままの質問 (「主にどんな事業をされていますか?」→調べれば分かる)
- 待遇・福利厚生・残業時間についてのみの質問 (一次面接では特に「仕事より条件重視」という印象になりやすい)
- 「特にないです」「大丈夫です」という回答
逆質問の作り方——面接前に3ステップで準備する

以下の3ステップで整理すると、考えがまとまりやすいです!
Step 1:企業研究を深める 会社のホームページ・採用ページ・IR情報・最近のプレスリリースを読み込む。「これはどういうことだろう?」と思った点をメモしておく。
Step 2:「自分が入社したら?」という視点で考える 「自分がこの会社で働いたとき、どんなことが気になるか」を想像する。最初の配属先・一緒に働くチームメンバー・身につけられるスキル……これらを具体化することで、良い逆質問が生まれます。
Step 3:面接官自身への質問を一つ加える 「面接官さんが入社して良かったと思う瞬間は?」のように、面接官個人に向けた質問は会話に温かみを生み、面接全体の雰囲気を良くします。
【STEP 9】退室——「最後の印象」が記憶に残る
面接は「退室して建物を出るまで」終わらない
面接が終わった安堵感から、退室後に気が抜けてしまう就活生は多いです。しかし、廊下・エレベーター・建物のロビーで社員と出くわすことは十分にあります。

退室した瞬間から建物を出るまで、気を抜かないことが大切です。
終わりの挨拶を丁寧にする
面接が終わったとき、しっかりした終わりの挨拶ができる就活生は好印象です。椅子から立ち上がり、荷物を持った状態で面接官の方を向き、一礼しながら言います。
「本日はお時間をいただきまして、ありがとうございました。大変勉強になりました。どうぞよろしくお願いいたします。」
この挨拶が終わった後、扉まで歩いていきます。扉の前で再度振り返り、軽く会釈してから退室します。この「最後の一礼」を忘れる就活生は多いですが、これがあるかないかで最後の印象は大きく変わります。
退室後の廊下・エレベーターでの振る舞い
廊下では 廊下ですれ違う社員に目が合ったら、軽く会釈をする。これを自然にできる就活生は「感じが良い人」という印象を強化できます。
エレベーターでは 担当者と一緒にエレベーターに乗る場合、入り口近くに立ちましょう(開閉ボタンを押してあげる必要があるため)。降りるときは「本日はありがとうございました。失礼いたします」と一言添えて降りましょう。
ビルを出るまで スマホを取り出したり、ため息をついたり、面接を振り返るように大きな声で独り言を言ったりするのは避けましょう。ビルを完全に出て、企業から見えない場所に移動してから一息つくようにします。
【特別解説】オンライン面接でも「入室」の印象は変わらない
オンライン面接にも「入室」はある
コロナ以降、IT業界では特にオンライン面接が普及しました。「画面越しだから所作は関係ない」という考え方は誤りです。オンライン面接にも、対面と同じように「入室」の概念があります。
オンライン面接の「入室」
- 接続して面接官の顔が映った瞬間が、対面での「扉を開けた瞬間」に相当する
- 接続した瞬間に明るい表情で「本日はよろしくお願いいたします」と言えるか
- カメラに向かって自然にアイコンタクトが取れるか
オンライン面接で差がつく環境・見た目の設定
カメラ角度と照明 カメラは目線の高さに合わせる(見下ろす角度・見上げる角度はNG)。照明は顔の正面から当てると表情が明るく見える。逆光(背景に窓がある状態)は顔が暗くなるので絶対に避ける。
背景 白・グレー・薄い色のシンプルな壁が最良。部屋が映る場合は整理整頓されていることを確認。バーチャル背景はOKだが、派手すぎるものは避ける。
服装 オンラインでも上半身はスーツが基本(画面外でパジャマ、という事態は避ける。立ち上がる可能性もある)。カラーはネイビー・グレー・黒が画面映りが良い。白は照明によっては過度に明るく映ることがあるので注意。
音声・通信 接続テストは前日までに完了。当日は10分前には起動して準備しておく。マイクは内蔵よりもイヤホンマイクの方がクリアに声が届く。接続が不安定な場所は避け、有線LANが使えれば最良。
オンライン面接ならではのNG行動
- 接続ギリギリに入室する(開始時刻の5分前には接続待機しておく)
- 接続後に画面・カメラの調整を始める(準備不足の印象)
- 下を向いて話す(カメラからズレて顔が映らない、または目線が下がる)
- 画面外を何度も見る(別のものを見ているように見える)
- 通知音を消し忘れてスマホやPCが鳴る
- 通信が悪い場所から接続する(声が途切れる・映像が固まる)
面接の立ち居振る舞いを練習する方法——知識を「体に染み込ませる」
「知っている」と「できている」は全く別物
ここまで読んだ内容を「知っている」状態にするのは難しくありません。しかし本番で「できている」状態にするには練習が必要です。人間の体は、緊張すると「普段やっていないこと」はまずできません。
面接の立ち居振る舞いは、事前に体で練習しておくことで初めて本番で使えるようになります。
練習方法①:鏡の前でロールプレイ
自室の鏡の前で、一連の動作をそのままやってみましょう。
- ドアの前に立つ(実際にドアを使う)
- 3回ノック→「失礼いたします」と言いながら入室
- 扉を振り返って丁寧に閉める
- 鏡(面接官)の方を向いて一礼・挨拶
- 椅子まで歩く(歩き方を確認)
- カバンを置く
- 「どうぞお掛けください」と自分で言ってから着席
- 着席姿勢を鏡でチェック
この一連の流れを最低10回は繰り返しましょう。最初はぎこちなくても、繰り返すうちに自然な動きになります。
練習方法②:スマホで動画撮影
鏡では自分の「正面」しか確認できません。スマホを三脚や台に置いて、面接のロールプレイを動画で撮影してみましょう。
撮影した動画で確認すべきポイント:
自分が想像している姿と、カメラに映っている姿が全然違うことに驚く学生は多いです。客観的に見ることで、改善点が明確になります。
練習方法③:友人・家族・キャリアセンターでのモック面接
一人での練習には限界があります。実際に「面接官役」を立ててロールプレイすること(モック面接)が、最も効果的な練習です。友人に面接官を頼む・大学のキャリアセンターで模擬面接を申し込む・就活エージェントのサービスを利用するなど、方法はいくつかあります。
特に大学のキャリアセンターは無料で利用できるにもかかわらず、活用している学生の割合は多くありません。積極的に活用することで、他の就活生より確実に有利な立場に立てます。
面接当日にやってはいけないNG行動——採用担当が「ヒヤッ」とした実例
NG行動その①:建物に入ってすぐスマホを取り出す
ビルのエントランスを入った瞬間にスマホを取り出し、画面を見ながら歩いている就活生。案内デスクのスタッフがその様子を見ており、後に担当者へ一言。こうしたケースは、採用現場では実際に報告が上がることがあります。
対策:ビルに入ったら、スマホはカバンの中へ。必要な確認は建物の外で済ませておく。
NG行動その②:ノックしてすぐにドアを開ける
「コン、コン、コン」とノックしたとほぼ同時にドアを開けてしまう就活生。「どうぞ」の声を待たない行動は、「衝動的」「マナーが身についていない」という印象を与えます。
対策:ノック後は必ず2〜3秒待つ。「どうぞ」の声を確認してから開ける。
NG行動その③:着席を促される前に座る
面接官が「どうぞ」と言う前に、自分で椅子を引いて座り始める就活生。「せっかちだな」「空気が読めないのかな」という印象につながります。
対策:椅子の横に立った状態で面接官と目が合うのを待つ。指示があってから座る。
NG行動その④:逆質問で「特にないです」と答える
最後の逆質問タイムで「特に何もないです、大丈夫です」と答えた就活生。面接官は「本当にうちに来たいのかな?」と疑問を持ちます。
対策:逆質問を必ず3つ以上準備しておく。面接で既に解決した質問があれば、「〇〇について先ほどお話いただいたので解決しました。追加で〇〇についてお聞きできますか?」のように繋ぐ。
NG行動その⑤:退室後に廊下ですぐため息をつく
面接が終わって廊下に出た直後、「はあ〜……」と大きなため息をついた就活生を、別の社員が目撃していたケースがあります。
対策:建物を出るまでは「面接中の状態」を維持する。ため息・独り言・スマホ操作は建物の外で。
NG行動その⑥:面接中に姿勢が崩れる
最初は良い姿勢で座っていたのに、面接が10〜15分経過するにつれ、椅子に深くもたれかかり、足を組み始める就活生。「最初だけ頑張る人」という印象になります。
対策:着席姿勢は面接が終わるまで維持することを意識する。5分に一度、頭の中で「姿勢確認」のルーティンを入れると効果的。
未経験IT就活生が特に意識すべき「人柄の見せ方」
IT企業が未経験者に期待するもの
IT企業が未経験者を採用するとき、技術的なスキルは期待していません(あれば評価されますが、なくて当然という前提で見ています)。では何を期待しているか。
IT企業が未経験者に期待する3つの資質
① 素直に学べるか ITの技術は日進月歩で変化します。既存の知識ではなく、「知らないことを素直に認めて、一から学べるか」が重要です。面接での「謙虚さ・学ぶ姿勢」はそのまま評価ポイントになります。
② コミュニケーションが取れるか クライアントやチームメンバーとの円滑なやり取りは、ITの現場でも不可欠です。面接での話し方・聞き方・反応の仕方が、そのまま「職場でのコミュニケーション力」の参考になります。
③ 粘り強く取り組めるか IT開発の現場では、問題が発生したとき諦めずに取り組む姿勢が求められます。面接でうまく答えられなかったとき、どう立て直すかも「粘り強さ」として見られています。
「未経験」であることを強みに変える話し方

未経験を恥じる必要はまったくありません。むしろ「未経験だからこそ持っている強み」を積極的にアピールしましょう!
未経験者の強みとして話せること
「先入観なくIT業界を学べる」 → 既存の知識や固定観念がない分、御社のやり方を素直に身につけることができます。
「別の業界・職種の経験を持っている」 → ITの専門家には見えにくい「ユーザー側の視点」を持っています。
「学ぶ意欲がある・すでに動き出している」 → 入社前からProgateでプログラミングを学んでいる・ITパスポートの勉強を始めているなど、行動実績を示す。

行動実績がある・ないでは、採用担当の印象は大きく変わります。どんなに小さな行動でもいいので、「ITへの関心を示す具体的な行動」を一つでも持っておきましょう。
まとめ——面接は「受付に入った瞬間から退室するまで」がすべて
面接での評価は、「答えた言葉の内容」だけで決まりません。受付での挨拶・控室での待ち方・廊下の歩き方・ノックの仕方・入室の第一声・着席の動作・面接中の姿勢と表情・逆質問・退室の一礼——これらすべてが「あなたという人間」の評価を積み上げていきます。
本記事で解説した一連のポイントを整理します。
受付・控室 → スマホをしまい、背筋を伸ばして丁寧な挨拶。スタッフへの態度も見られている。
廊下・移動中 → 背筋を伸ばし、静かで落ち着いた歩き方。案内してくれた人へのお礼を忘れずに。
ノック・入室 → 3回ノック→返事を待つ→「失礼いたします」→扉を振り返って静かに閉める。
最初の5秒 → 面接官を見て、口角を上げて、はっきりした声で挨拶・一礼。
着席・姿勢 → 「どうぞ」を待ってから座る。背筋を伸ばし、最後まで姿勢を崩さない。
面接中の非言語 → 声の大きさ・語尾・アイコンタクト・うなずき・メモ。話す内容と見た目の一致を意識する。
逆質問 → 3〜5つ事前準備。「入社後の成長・職場の雰囲気・具体的な仕事内容」を軸に。
退室 → 丁寧な締めの挨拶、扉の前でもう一礼。建物を出るまで気を抜かない。
これらを「知っている」状態から「できている」状態にするために、鏡の前でのロールプレイ・動画撮影・モック面接を繰り返しましょう。
面接で「特別なことをやる必要はない」。でも「基本的なことを丁寧にやり切る」ことが、他の就活生との差を生む最大の武器です。

準備した人は、静かに、確実に、内定に近づいていきます!





