

IT系企業の面接でほぼ確実に飛んでくる質問があります。
「最近、気になっている技術はありますか?」というものです。
この質問を聞いた瞬間、頭が真っ白になる就活生は少なくありません。「ChatGPTって言っていいの?」「勉強中のプログラミング言語を答えればいい?」「そもそも技術に詳しくないのに聞かれたらどうすれば…」という不安が一気に押し寄せてきます。

結論からお伝えします。この質問はあなたの技術力を試しているのではありません。面接官が本当に見ているのは「思考の質」と「ITへの本気度」です。
この記事では、未経験のIT就活生が「最近気になる技術」という質問に対して、面接官に刺さる回答を作るための考え方・具体的な答え方・NGパターンまで、徹底的に解説します。就活が終わるまで何度でも読み返していただければと思います。
そもそも面接官はなぜこの質問をするのか
「技術の知識」を試したいわけではない
「最近気になる技術は?」という質問を聞いて、「自分はIT知識が浅いから答えられない」と思い込む就活生が多くいます。しかし、それは大きな誤解です。

面接官がこの質問を投げかける理由は、大きく分けて3つあります!
① 情報収集のアンテナが立っているかを見たい
IT業界は変化が激しいです。新しいフレームワーク、新しいクラウドサービス、新しいAIツール…毎月のように業界を揺るがすトピックが出てきます。そんな業界で生き抜くには、「自分からアンテナを張って情報を取りにいく姿勢」が必須です。
面接官は「この人は受け身で言われたことをこなすだけの人か、自分から学ぼうとする人か」を、この質問一つで確かめようとしています。
② 論理的に考えて話せるかを見たい
「なんとなく気になります」で終わる学生と、「〇〇という技術が気になっています。理由は〜という背景があり、自分なりに〜という観点から重要だと思ったからです」と話せる学生では、評価がまるで違います。
面接官は技術の説明を聞きたいのではなく、「なぜ」を言語化できるかどうかを見ています。
③ IT業界・自社への関心度を測りたい
「特にありません」「よく知りません」という回答は、IT業界への関心が薄いと受け取られます。面接官の本音としては、「うちの業界に興味があるなら、何かしら気になっていることがあるはず」という感覚です。
つまり、この質問への回答は「あなたがIT業界で働きたいという意欲のシグナル」になります。
未経験者に求めているハードルは高くない

多くの就活生が誤解していますが、面接官は未経験者に対して「最先端技術の詳細な知識」を求めていません!
求めているのは次のようなことです。
- ニュースやSNSで話題の技術をなんとなく追っているか
- 気になった技術について少し自分で調べてみたか
- 「なぜ気になるのか」を自分の言葉で説明できるか
- その技術がビジネスや社会にどう関係するかをぼんやりでも意識しているか
逆に言えば、これさえできていれば、未経験でも十分に評価される回答ができます。
「最近気になる技術」の回答を作る5ステップ

ステップ1:技術トピックの候補を3〜5個リストアップする
まず、「なんとなく聞いたことある」「ニュースで見た」「友達が話していた」レベルでよいので、IT関連のキーワードを書き出してみましょう。完璧に理解している必要はまったくありません。「聞いたことがある」で十分です。

以下にヒントとなるカテゴリを示します。
AI・機械学習系
- 生成AI(ChatGPT、Gemini、Claudeなど)
- 画像生成AI(Stable Diffusion、Midjourney)
- AI Agentと呼ばれる自律型AIの仕組み
- 大規模言語モデル(LLM)
クラウド・インフラ系
- クラウドコンピューティング(AWS、GCP、Azure)
- サーバーレスアーキテクチャ
- コンテナ技術(DockerやKubernetes)
- エッジコンピューティング
セキュリティ系
- サイバーセキュリティ・情報漏洩対策
- ゼロトラストセキュリティ
- 不正アクセスや詐欺メール(フィッシング)への対策技術
Web・アプリ開発系
- ローコード・ノーコード開発ツール
- PWA(プログレッシブウェブアプリ)
- WebAssembly
- 最新のフロントエンドフレームワーク(React、Vue、Next.jsなど)
社会インフラ・新技術系
- 量子コンピュータ
- ブロックチェーン・Web3
- IoT(モノのインターネット)
- 自動運転技術

この中から「なんか聞いたことあるな」「なんとなく興味あるな」と感じるものをピックアップしてみてください。
ステップ2:選んだ技術を「10分だけ」深掘りする
候補を1〜2個に絞ったら、次はその技術について少しだけ調べてみましょう。Googleで検索して3〜4記事を読む、YouTubeで入門動画を1本見る、それで十分です。

このとき、以下の4つの情報だけ頭に入れておけば大丈夫です。
- その技術は何をするためのものか(一言で説明できるか)
- なぜ今注目されているのか(どんな背景・課題があるか)
- どんな場面・業界で使われているか(具体的な活用事例)
- どんな可能性・課題があるか(自分なりの意見)
これだけ押さえておけば、面接で話せる「素材」が揃います。
ステップ3:「なぜ気になったか」の動機を言語化する
ここが最も重要なステップです。「AIが気になっています」だけでは弱いです。面接官が聞きたいのは「なぜあなたが気になったのか」という個人的な動機です。

動機は以下のようなパターンで考えてみると言語化しやすくなります。
パターンA:日常生活・アルバイト・学校での体験から
「アルバイト先でセルフレジが導入されて、〜という体験をした」 「授業のレポート作成でAIツールを使ってみて、〜と感じた」
パターンB:ニュース・SNS・動画から
「Xで話題になっているのを見て、詳しく調べてみたら〜だとわかった」 「就活を始めてから、〇〇関連のニュースをよく目にするようになった」
パターンC:志望職種・志望企業との接点から
「SE職を目指す中で、〜という技術が現場でよく使われると知った」 「御社の事業内容を調べた際に、〜という技術が使われていると知った」
動機に「自分のリアルな体験」が入ると、面接官の印象にぐっと残りやすくなります。
ステップ4:回答の構成を「型」に当てはめる

回答の構成は以下の「PREP法」が使いやすいです!
【Point】 結論(何の技術が気になるか)
【Reason】 理由(なぜ気になったのか)
【Example】 具体例(どんな活用例・調べた内容)
【Point】 締め(今後どう学びたいか・仕事でどう活かしたいか)
この型に当てはめて回答を作ると、論理的で聞きやすい答えになります。
ステップ5:声に出して練習する
作った回答を、実際に口に出して練習しましょう。目安は1〜2分以内に収まること。長すぎると「話をまとめる力がない」と見られますし、短すぎると「興味が薄い」と思われてしまいます。
鏡の前で話すのが恥ずかしければ、スマホのボイスメモに録音してみてください。自分の話し方を客観的に聞くことで、改善点が見えてきます。
「気になる技術」として使える厳選トピック
ここからは、未経験のIT就活生が面接で答えやすく、かつ面接官に「おっ」と思ってもらえる技術トピックを具体的に解説します。

それぞれに「こう話せばいい」という回答例もつけていますので、参考にしてみてください。
生成AI・大規模言語モデル(LLM)
なぜ今これを選ぶと刺さるか
2022年末にChatGPTが公開されて以来、生成AIは社会のあらゆる場面に影響を与え続けています。IT業界に限らず、医療・法律・教育・製造業まで、活用が広がっています。
面接でこのトピックを選ぶ最大のメリットは「誰もが知っている話題」だということです。面接官との会話が弾みやすく、追加質問にも答えやすいです。
押さえておきたい基礎知識
生成AIとは、テキスト・画像・音声・動画などを新たに「生成」できるAIの総称です。その中核技術が大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)と呼ばれるもので、膨大なテキストデータを学習して人間らしい文章を生成できます。

代表的なモデルとして、OpenAIのGPTシリーズ、GoogleのGemini、AnthropicのClaudeなどがあります!
2024年以降は、一つのAIモデルがテキスト・画像・音声など複数の情報を同時に扱える「マルチモーダルAI」が主流になりつつあります。また、AIが自律的にタスクをこなす「AIエージェント」の実用化も急速に進んでいます。
ビジネスでの活用事例
- カスタマーサポートの自動化(チャットボット)
- 契約書・報告書の自動作成・校正支援
- プログラムコードの自動生成(GitHub Copilotなど)
- 医療分野での診断支援
- 教育現場でのパーソナライズされた学習支援
面接での回答例
「最近気になっている技術は、生成AIです。ChatGPTを使って大学のレポート作成を補助してみたことがきっかけで、AIが人間の書いた文章のような品質のテキストを生成できることに驚きました。その後、生成AIの仕組みを調べてみると、LLMという技術が中核にあることを知り、今後の業務にどう活用できるかに興味が広がりました。特に、企業が生成AIを自社のシステムに組み込む際の、プロンプト設計やセキュリティ上の課題にも注目しています。エンジニアとして就職後は、AIを活用したシステム開発に携わりたいと思っており、現在はPythonの基礎学習と並行して生成AIのAPIを試しています。」
注意点・差別化のコツ
生成AIを選ぶ就活生は多いです。差別化するには「すごいと思った」で止まらず、「課題や倫理的問題(ハルシネーション、著作権、プライバシー)にも言及できる」と一気に評価が上がります。

ハルシネーションは、皆さんご認識の、AIは嘘をつくってやつですね。
クラウドコンピューティング(AWS・GCP・Azure)
なぜ今これを選ぶと刺さるか
現代のシステム開発において、クラウドの知識はほぼ必須スキルになっています。AWSの資格(AWS認定クラウドプラクティショナー)は就活生が取得しやすい資格の一つとしても注目されており、「勉強中」と話せるだけで評価がプラスになります。
押さえておきたい基礎知識
クラウドコンピューティングとは、サーバー・ストレージ・データベースなどのコンピューターリソースをインターネット経由で利用するサービス形態です。自前でサーバーを用意する「オンプレミス」と対比して語られることが多いです。
三大クラウドプロバイダーは以下のとおりです。
| プロバイダー | 提供元 | 特徴 |
|---|---|---|
| AWS(Amazon Web Services) | Amazon | 世界シェアNo.1。サービスが最も豊富 |
| GCP(Google Cloud Platform) | AI・機械学習との親和性が高い | |
| Azure(Microsoft Azure) | Microsoft | 企業向けシステムとの連携が強い |
クラウドには3つの提供モデルがあります。
- IaaS:インフラ(サーバーやネットワーク)をサービスとして提供
- PaaS:開発環境・実行環境をサービスとして提供
- SaaS:ソフトウェアをサービスとして提供(GmailやSlackなど)
ビジネスでの活用事例
- Webサービス・スマホアプリのインフラとして(Netflix、Airbnbなど多くの有名サービスがAWSを使用)
- 企業の基幹システムの移行(オンプレからクラウドへ)
- ビッグデータ分析基盤の構築
- 機械学習モデルの学習・デプロイ環境
面接での回答例
「最近気になっている技術はクラウドコンピューティングです。SE志望として就職活動をする中で、現在のシステム開発現場ではAWSやAzureの知識が欠かせないと知りました。現在はAWS認定クラウドプラクティショナーの資格取得に向けて学習しており、クラウドがコスト削減やスケーラビリティの面で従来のオンプレミスと大きく異なることが分かってきました。特に、サーバーレスアーキテクチャのような『サーバーの管理を気にせずアプリ開発に集中できる』という考え方が面白いと感じています。入社後は現場でクラウドを活用した開発を経験しながら、上位資格の取得も目指したいと考えています。」
注意点・差別化のコツ
「資格の勉強中」という事実を加えると、具体性と本気度が上がります。AWSの無料枠を使って実際に何かサービスを立ち上げてみた経験があれば、それも話すとさらに刺さります。
サイバーセキュリティ・ゼロトラスト
なぜ今これを選ぶと刺さるか
情報漏洩事件や不正アクセス被害のニュースは絶えません。企業にとってサイバーセキュリティは経営上の最重要課題になっており、この分野のエンジニア需要は非常に高いです。また、社会問題との接続がしやすく「なぜ気になったか」の説明がしやすいトピックでもあります。
押さえておきたい基礎知識
サイバーセキュリティとは、情報システムやデータを不正アクセス・改ざん・破壊・漏洩などから守るための技術・対策・管理の総称です。

近年の主な攻撃手法には以下のようなものがあります。
- フィッシング詐欺:偽のメールやサイトで個人情報を盗む
- ランサムウェア:データを暗号化して身代金を要求するマルウェア
- 標的型攻撃:特定の企業・組織を狙った高度な攻撃
- サプライチェーン攻撃:取引先や外部ベンダーを経由した攻撃
特に注目されているのがゼロトラストという考え方です。従来のセキュリティは「社内ネットワーク内は安全、外部は危険」という前提(境界防御)に立っていました。しかしクラウド普及・リモートワーク拡大により、その前提が崩れています。ゼロトラストは「何も信頼しない(Zero Trust)」を前提に、すべてのアクセスを常に検証するアーキテクチャです。
社会との接続ポイント
2024年以降、日本でも官公庁や大企業での情報漏洩事件が相次いでいます。また、個人情報保護法の改正やGDPR(EU一般データ保護規則)への対応など、法規制の観点からもセキュリティ投資が必須になっています。
面接での回答例
「最近気になっている技術はサイバーセキュリティ、特にゼロトラストセキュリティです。ニュースで大企業の情報漏洩事件を頻繁に目にするようになり、自分がシステムを作る側に回るとしたら、セキュリティの知識は必須だと感じるようになりました。調べる中で、従来の『社内ネットワーク内は安全』という前提が、クラウドやリモートワークの普及によって成立しなくなっていることを知りました。ゼロトラストという『すべてのアクセスを検証する』という考え方が、現代のシステム開発に不可欠だと感じています。将来はセキュリティを意識したシステム設計ができるエンジニアになりたいと考えています。」
ローコード・ノーコード開発
なぜ今これを選ぶと刺さるか
「プログラミングをほとんど書かずにアプリが作れる」というローコード・ノーコード技術は、IT人材不足への解決策として注目されています。システム開発の民主化とも言われており、ビジネス部門と開発部門の橋渡しを担う職種(IT部門の営業・PM・コンサルなど)を目指す方には特に刺さるトピックです。
押さえておきたい基礎知識
ノーコード:プログラミングコードを一切書かずに、GUIの操作だけでアプリやウェブサービスを作れるツール群です。代表例はBubble、STUDIO、Notionなどです。
ローコード:最小限のコードを書くだけで開発できるプラットフォームです。MicrosoftのPower Platform(Power Apps、Power Automateなど)が有名で、多くの企業が業務効率化に活用しています。
これらのツールの普及は「市民開発者(Citizen Developer)」という概念を生みました。開発の専門家でなくてもシステムを作れるようになることで、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速が期待されています。
ビジネスでの活用事例
- 営業部門が自分でデータ集計・報告ツールを作る
- 人事部門が採用管理フォームを内製化する
- 中小企業がシステム会社に頼らず業務ツールを整備する
面接での回答例
「最近気になっている技術はローコード・ノーコード開発です。IT人材が不足する中で、プログラミングの専門知識がない人でもシステムを作れるようにする仕組みに興味を持ちました。実際にNotionやMicrosoftのPower Automateを使って日々のタスク管理を自動化してみたところ、コードなしで業務の効率化ができることを実感しました。将来、ITコンサルタントとしてお客様の業務改善に携わる際に、このような技術を提案・活用できるエンジニアになりたいと考えています。」
コンテナ技術(Docker)
なぜ今これを選ぶと刺さるか
システム開発の現場でDockerはほぼ標準ツールになっています。エンジニア職を目指す方がこのトピックを選ぶと、「実務に直結した技術への関心がある」と評価されます。技術系の職種を目指す方に特におすすめです。
押さえておきたい基礎知識
コンテナ技術とは、アプリケーションとその実行に必要な環境(ライブラリ・設定など)を一つのパッケージ(コンテナ)にまとめる技術です。
代表的なツールがDockerです。Dockerを使うと「どの環境でも同じように動く」アプリを作れます。「自分のPCでは動くのに、本番環境では動かない」という開発現場の悩みを解決してくれます。
面接での回答例
「最近気になっている技術はDockerに代表されるコンテナ技術です。プログラミングを独学する中で、環境構築の難しさに悩む場面が多く、Dockerを使うと環境を丸ごとパッケージ化できると知って試してみました。実際にDockerを使うと、自分のPCで作った環境をそのまま他の人に共有できることが分かり、チーム開発での生産性向上に大きく貢献する技術だと実感しました。現在もDockerの基本的な使い方を学習しており、将来的には大規模システムの運用にも携わりたいと考えています。」
量子コンピュータ
なぜ今これを選ぶと刺さるか
やや先端寄りのトピックですが、「今後のIT業界の未来に関心がある」という姿勢を示せます。ただし、理解が浅いまま選ぶと追加質問に答えられなくなるリスクがあります。しっかり基礎を押さえてから選ぶようにしましょう。
押さえておきたい基礎知識
量子コンピュータは、量子力学の原理(重ね合わせ・量子もつれ)を利用したコンピュータで、従来のコンピュータが何百万年もかかる計算を、理論上は数分で解ける可能性があります。

特に注目される応用分野は以下のとおりです。
- 創薬・新材料の開発:分子のシミュレーション
- 金融:リスク計算・ポートフォリオ最適化
- 物流最適化:複雑な配送ルート計算
- 暗号解読:現在の暗号技術の突破(これはリスクでもあります)
ただし、現在の量子コンピュータは「エラー訂正」の問題から、実用的な大規模応用にはまだ課題が多いです。IBMやGoogleが量子コンピュータの開発競争を繰り広げており、日本でも理化学研究所が国産量子コンピュータを開発しています。
面接での回答例
「最近気になっている技術は量子コンピュータです。IBMやGoogleが量子コンピュータの開発を競い合っているニュースを見て、従来のコンピュータとは根本的に異なる計算原理に興味を持ちました。調べてみると、特に創薬や新材料の開発で、分子レベルのシミュレーションが格段に精度よくできるようになるという話が印象的でした。まだ実用化には課題が多い段階ですが、10年後・20年後のIT業界に大きな影響を与える技術だと考えており、継続的に情報を追っています。」
回答の深みを出す「プラスアルファ」の話し方
「なぜ気になったか」に自分の体験を絡める

技術の説明はできても「なぜあなたが気になったか」が弱い回答は多いです。以下のような「自分の体験」を起点にすることで、回答が唯一無二のものになります。
体験を起点にした回答の例(生成AIの場合)
弱い回答:「ChatGPTが話題になっているので気になっています」
強い回答:「アルバイト先の飲食店でキッチンスタッフのマニュアル作成を担当した際、ChatGPTを使ってみたところ、私が2時間かけて書いた草稿より整理された文章が数分で出来上がりました。この体験から、AIが業務効率化に与えるインパクトを実感し、より詳しく学びたいと思うようになりました」
前者は「情報を追っているだけ」ですが、後者は「実際に使って、自分なりの気づきを得た」という質の違いがあります。
「課題・限界」にも言及する
技術の良い面だけを話す就活生は多いです。しかし、「良い面だけでなく課題も把握している」学生は一段上の評価をもらえます。
- 生成AIの課題:「ハルシネーション(もっともらしい嘘をつく)問題がある」「著作権・プライバシーの懸念がある」
- クラウドの課題:「クラウド依存によるベンダーロックインのリスクがある」「コストが予想外に膨らむケースがある」
- ローコードの課題:「複雑なカスタマイズには限界がある」「ブラックボックス化によってトラブル対応が難しくなることがある」
課題を知ることは「技術を客観的に評価できる」ことの証明になります。
「自社・志望職種との接続」で締める
回答の最後は「なぜ御社でその技術を活かしたいか」「どんなエンジニアになりたいか」に繋げましょう。

この一言があるかないかで、「勉強熱心な人」と「うちで活躍してくれそうな人」という印象が分かれます。
接続フレーズの例
- 「御社のDX支援事業において、〇〇の技術が中心になると考えており、入社後はこの分野の専門性を早期に高めたいと考えています」
- 「将来は〇〇分野に貢献できるエンジニアになりたいと考えており、そのためにも今から〇〇について学び始めています」
- 「御社の採用ページで〇〇技術を使ったプロジェクトの記事を拝見し、自分も携わってみたいと強く感じました」
これだけはやめよう:NGパターン7選
NGパターン① 「特にありません」「よく分かりません」
最悪の回答です。面接官に「IT業界に興味がない」「情報収集をしていない」という印象を与えてしまいます。どんなに浅くても、何か一つ答えられるように準備しておきましょう。
NGパターン② 技術の説明だけで終わる
「〇〇という技術が気になっています。これは〜するためのものです。以上です」というパターンです。説明は正確かもしれませんが、「なぜ気になったか」「それをどう活かしたいか」がないと面接官に響きません。
NGパターン③ 「誰もが言いそうなこと」だけ並べる
「AIが気になっています。すごいと思います。今後も発展すると思います。」では差別化できません。「すごい」で終わらずに、自分なりの視点を一言でも加えるようにしましょう。
NGパターン④ 嘘や誇張をする
「Dockerを毎日使っています」「量子コンピュータの論文を読んでいます」など、実際にしていないことを言うのは危険です。面接官が技術者であれば、深掘り質問一つで化けの皮が剥がれてしまいます。「〜を学習中です」「〜について調べ始めました」など、実際の状況をそのまま話しましょう。
NGパターン⑤ 流行りすぎて中身が薄い答えを出す
「メタバースが気になっています」「NFTが気になっています」など、かつて一世を風靡した技術を今さら答えると「情報が古い」と見られることがあります。また、「ブロックチェーン」も理解が浅いまま答えると、追加質問で詰まるリスクが高いです。
NGパターン⑥ 長すぎる回答
面接の回答は1〜2分が基本です。技術の説明が好きな方ほど、延々と話し続けてしまう傾向があります。「結論→理由→具体例→まとめ」の構成で簡潔にまとめることを意識してください。
NGパターン⑦ 「志望企業と全く関係ない技術」を答える
例えば、ゲーム会社を受けているのに「量子コンピュータが気になっています」と答えても、接続が弱くなります。志望企業が使っている技術・関係している分野の技術を選ぶと、「うちへの関心も高い」という評価にもつながります。
「最近気になる技術」以外の関連質問への対処法
「IT業界のトレンドをどう見ていますか?」

この質問は「最近気になる技術」の発展形です。一つの技術ではなく、業界全体の流れを語ることが求められます。
回答の骨格例
「大きなトレンドとして、AIの実用化・クラウドネイティブ化・セキュリティ強化の3つが重なり合って進んでいる時代だと感じています。特に生成AIは単なるツールではなく、システム開発のプロセス自体を変える可能性があり、エンジニアの働き方にも影響すると考えています。一方で、AIへの依存が高まるほどセキュリティリスクも増大するため、AI×セキュリティの組み合わせが今後の重要テーマになると思っています。」
「技術を学ぶためにどんなことをしていますか?」

「最近気になる技術」で答えた内容と整合性を取ることが大切です。具体的な情報収集手段として使えるものをまとめておきましょう。
- 技術系ブログ・メディア:Zenn、Qiita、TechCrunch Japan、ITmedia
- 動画プラットフォーム:YouTubeの技術解説チャンネル(プログラミング系YouTuber)
- SNS:XでIT系アカウント・エンジニアをフォローして情報収集
- 書籍:プログラミング入門書、図解IT技術書
- Udemy・Progate・ドットインストールなどのオンライン学習サービス
- ハンズオン:実際に手を動かしてツールを試してみる
「〜で情報収集して、さらに気になった部分はYouTubeで調べています」という形で話すと、具体性があって好印象です。
「プログラミング経験はありますか?その感想は?」

未経験であっても、「学習中」であれば問題ありません。大事なのは「何を学んでいるか」と「つまずいたことをどう乗り越えたか」を話せることです。
例文
「現在PythonとJavaScriptを独学しています。最初はプログラムが動かない原因が分からず苦労しましたが、エラーメッセージを一つ一つ検索して解決する習慣がついてきました。先日、Pythonで簡単なWebスクレイピングができたときには達成感がありました。まだ基礎段階ですが、動くものを作る喜びを感じており、入社後も積極的にスキルを伸ばしていきたいと考えています。」
企業規模・職種別の「気になる技術」の選び方
大手SIer(システムインテグレーター)を受ける場合
大手SIerでは、お客様(クライアント)のシステムを受託開発・運用する仕事が中心です。技術の選び方として、「クライアントのビジネス課題を解決できる技術」という視点が効くトピックを選ぶとよいでしょう。
おすすめトピック:
クラウド移行(AWS/Azure)、セキュリティ(ゼロトラスト)、AI活用によるDX推進、ローコード開発
ポイント:「お客様の業務効率化に貢献できる技術」という文脈で話せると好印象です。
スタートアップ・ベンチャーを受ける場合
成長スピードと変化への適応力が求められる環境です。「最新技術に飛びつく好奇心」と「それを使って何かを作る行動力」が評価されます。
おすすめトピック:
生成AI・AIエージェント、コンテナ技術(Docker/K8s)、最新フロントエンド技術(Next.js等)、PWA
ポイント:「実際に触ってみた」「自分でサービスを作ってみた」という話が刺さりやすいです。
ITコンサルを受ける場合
技術の詳細より「技術がビジネスにどう影響するか」の視点が重視されます。技術のメリット・デメリットをバランスよく話せるかが問われます。
おすすめトピック:
生成AIのビジネス活用と課題、DXとローコード、量子コンピュータの将来展望
ポイント:「技術がビジネスに与えるインパクト」「導入時の課題」「ROI(投資対効果)の考え方」などに言及できると一歩上の評価をもらえます。
自社開発のWebサービス企業(いわゆる「Web系」)を受ける場合
エンジニアとして実際に手を動かすことへの熱量が最も重視されます。「使ったことがある」「作ってみた」という実践を重視した話が好まれます。
おすすめトピック:
コンテナ(Docker)、最新フロントエンド技術、生成AIのAPI活用、CI/CD(継続的インテグレーション・継続的デリバリー)
ポイント:GitHubのポートフォリオやプロトタイプがあると圧倒的に有利です。
非IT系企業のDX推進部門・IT部門を受ける場合
「既存の業務をITでどう改善するか」という視点が中心です。技術の名前より「業務改善への貢献」にフォーカスした話し方が刺さります。
おすすめトピック:
ローコード・ノーコード、RPA(業務自動化)、生成AIによる業務効率化、クラウドへの移行
ポイント:「現在のアナログな業務がITでどう変わるか」を具体的にイメージして話せると好印象です。
情報収集の習慣を今日から始める方法
まずはXをIT情報収集ツールとして使う

Xは今や国内最大のリアルタイム技術情報の発信地です。以下のようなアカウントやキーワードをフォロー・検索してみましょう。
- IT系ニュースメディア(ITmedia、TechCrunchなど)のアカウント
- 著名なエンジニア・CTOのアカウント
- 「#エンジニア就活」「#28卒」などのハッシュタグ
- 「生成AI」「AWS」「セキュリティ」などのキーワード検索
毎朝5分、タイムラインを眺めるだけでも、IT業界の空気感が少しずつ分かってきます。
Zenn・Qiitaで「わかりやすい解説記事」を読む
ZennやQiitaは、エンジニアが書いた技術解説記事が豊富です。特にZennの「スクラップ」「本」機能には、体系的にまとめられた入門コンテンツが多くあります。
「〇〇 入門」「〇〇 とは」で検索すると、初心者でも読みやすい記事が見つかります。
Google Alertsで気になるキーワードを登録する
Googleアラートにキーワードを登録しておくと、関連ニュースが自動的にメールで届きます。「生成AI」「サイバーセキュリティ」「クラウド」などを登録しておくと、毎日自然に情報が入ってくるようになります。
YouTubeの技術解説チャンネルを活用する
テキストより動画が頭に入りやすい方には、YouTubeがおすすめです。IT・プログラミング系の解説チャンネルは数多くあり、「〇〇 とは」「〇〇 入門」で検索すると丁寧な解説動画が見つかります。
通勤・通学の電車の中でイヤホンをして聴くだけでも、知識の積み重ねになります。
月に1冊、IT関連の本を読む
「図解入門」「マンガでわかる」系のIT入門書は、専門知識がなくても読みやすいです。以下のようなジャンルから興味のあるものを選んでみましょう。
- IT業界全体の動向を解説した本
- 生成AI・機械学習の入門書
- セキュリティ・情報漏洩事件に関するノンフィクション
- デジタルトランスフォーメーションの事例集
読んだ本の感想・学びをノートやメモアプリに残しておくと、面接の準備にも役立ちます。
面接当日の「伝え方」を磨くコツ
話すスピードと間の取り方
技術について熱く話しはじめると、ついスピードが上がってしまう方が多いです。面接官が話の内容を処理する時間を考えて、ゆっくり目に話すことを意識しましょう。

特に「技術の名前」「数字」「固有名詞」を言ったあとは、一瞬間を置くと聞き手が理解しやすくなります!
「分かりません」と正直に言える姿勢
追加質問に答えられないことがあっても、焦らないことが大切です。「その点については、まだ詳しく理解できていないのですが、〜という方向で学んでいます」と正直に言える方が、嘘をついて誤魔化そうとするより遥かに評価が高いです。

誠実に「知らない」と言える学生は、入社後も正直に「わからない」と言って周囲に質問できる、成長できる人材だと面接官は判断します。
面接官の反応を見ながら話す
面接は一方的なプレゼンではなく、対話です。面接官が頷いて聞いてくれているなら続けて話し、何か聞きたそうな顔をしていたら「少し詳しくお話しましょうか?」と確認する余裕を持ちましょう。

相手の反応を見ながら話す力は、コミュニケーション能力として高く評価されます。
まとめ:「最近気になる技術」は準備で差がつく質問

この記事で解説してきた内容を整理します!
回答の本質:面接官は技術知識ではなく「IT業界への関心」「論理的な思考力」「自発的な学習姿勢」を見ています。
回答を作る5ステップ
- 技術トピックを3〜5個リストアップ
- 1〜2個に絞って「10分だけ」深掘り
- 「なぜ気になったか」の動機を言語化
- PREP法で回答の構成を作る
- 声に出して練習する
刺さるトピック:生成AI・クラウド・セキュリティ・ローコード・Dockerなど、今の業界動向と合っていて、自分が少しでも調べたものを選びましょう。
差別化のコツ:自分の体験を絡める、課題・限界にも言及する、志望企業・職種と接続する。
NGパターン:「特にありません」、技術の説明だけで終わる、嘘をつく、長すぎる回答。
「最近気になる技術」は準備できる質問です。あとはやるかやらないかだけです。今日からアンテナを張り始めれば、面接本番では「この質問が来てよかった」と思えるはずです。

ぜひ、自分だけの「気になる技術エピソード」を作り上げて、面接に臨んでみてください!


