
「面接でうまく話せたはずなのに、なぜか落ちてしまった」
「逆に、たいして完璧じゃなかったのに内定をもらえた」
——就職活動をしていると、こんな経験をしたことはありませんか?
未経験からIT業界を目指すあなたにとって、面接は最大の関門です。プログラミングスキルもなければ、実務経験もない。 そんな中で、一体何をアピールすれば「採用したい」と思ってもらえるのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、IT企業の面接官が本当に見ているポイントは、就活生が思っているものとは少し違います。スキルの有無よりも、もっと本質的な「人柄」や「姿勢」の部分を重視しているケースがほとんどなのです。
この記事では、実際にIT企業で採用面接を担当してきた面接官の本音をもとに、「この人は採りたい」と思われる人の特徴を厳選してご紹介します。あわせて、逆に不採用になりやすい人の特徴や、未経験者が今日からできる面接対策も解説していきますので、ぜひ最後まで読んで、次の面接に活かしてください。
そもそもIT企業の面接官は何を見ているのか

まず大前提として、未経験者採用の面接において、面接官は「今の実力」をほとんど見ていません。なぜなら、未経験なのですから、スキルがないのは当たり前だからです。
その代わりに、面接官が重点的にチェックしているのは以下の3つのポイントです。
- ポテンシャル(伸びしろ):入社後にどれだけ成長できそうか
- カルチャーフィット:会社の雰囲気やチームに馴染めそうか
- 定着可能性:早期に離職せず、長く働き続けてくれそうか
IT業界、特にエンジニア職は「入社後の教育コスト」が高い業界です。研修制度を整えている企業ほど、「せっかく育てたのに数ヶ月で辞められては困る」という危機感を強く持っています。
そのため、面接では表面的なスキルの話よりも、その人の内面や価値観、仕事に対する姿勢を深掘りする質問が多くなる傾向があります。
よくある誤解:「プログラミングの勉強をしていないと不利」は本当か
未経験IT就活生からよく聞かれる質問に、「独学でプログラミングを勉強していないと選考で不利になりますか?」というものがあります。
結論から言うと、勉強していないよりは、していたほうが確実にプラス評価にはなります。しかし、それ以上に重要なのは「なぜ勉強しているのか」「どう継続しているのか」というプロセスの部分です。
単に「Progateを1周しました」という事実よりも、「毎日30分でも継続する習慣が身についています」という再現性のあるエピソードのほうが、面接官には響きます。

それでは、具体的にどのような人が「採りたい」と思われるのか、12の特徴を見ていきましょう。
未経験からのIT就職、実際どれくらい厳しいのか

「未経験でもIT業界に入れる」という言葉をよく耳にする一方で、「実際は狭き門なのでは?」と不安になっている方もいるはずです。ここで一度、未経験IT就職を取り巻く状況を整理しておきましょう。
IT業界は慢性的な人材不足に悩まされている業界の一つです。経済産業省の調査などでも、将来的なIT人材の不足が繰り返し指摘されており、多くの企業が「未経験者を採用し、社内で育成する」という方針を積極的に打ち出しています。
特にSESを展開する企業や、大手企業のグループ内SIerでは、新卒・第二新卒の未経験者向け採用枠を毎年一定数確保していることが多く、門戸自体は決して狭くありません。
一方で、「誰でも簡単に受かる」わけでは決してないという現実も押さえておく必要があります。未経験者採用の倍率が下がりにくい理由は、以下のような背景があります。
- 応募のハードルが低いため、応募者数自体が非常に多い
- 「とりあえずIT業界」という軽い気持ちで応募する人が一定数いる
- その結果、企業側は「本気度」や「定着可能性」をより厳しく見極めようとする
つまり、未経験可の求人が多い=誰でも受かる、という意味ではなく、むしろ「入口は広いが、その分ふるいにかけられるポイントが明確」という構造になっているのです。だからこそ、本記事で紹介するような「面接官が本当に見ているポイント」を理解し、対策を練ることが内定への近道になります。
企業タイプ別に見る、採用基準の違い
一口にIT企業と言っても、その形態によって求められる人物像には若干の違いがあります。就職活動を進める上で、以下のような分類を頭に入れておくと、企業研究や志望動機作成に役立ちます。
| 企業タイプ | 特徴 | 未経験者に求められやすい資質 |
|---|---|---|
| 自社開発企業 | 自社サービス・プロダクトを開発 | 主体性、サービスへの当事者意識 |
| 受託開発企業 | クライアントの要望に応じてシステムを開発 | 傾聴力、要件を正確に理解する力 |
| SES企業 | クライアント先に常駐して開発支援 | 適応力、コミュニケーション力、独立心 |
| SIer(システムインテグレーター) | 大規模システムの企画〜運用まで一貫対応 | 論理的思考力、チームでの調整力 |
このように、企業タイプによって「重視される資質」は微妙に異なります。 そのため、面接対策をする際は「IT業界だから」とひとくくりにせず、志望する企業がどのタイプに近いのかを踏まえて、アピールするエピソードを選ぶことをおすすめします。
IT業界について詳しく知りたい人は、以下の記事でまとめていますのでぜひご覧ください。
≫未経験からのIT就活完全ガイド|業界構造・職種・企業選びを徹底解説
面接官が「採用したい」と思う人の特徴12選

ここからは、実際の面接現場で高評価につながりやすい特徴を、具体的なエピソードやNG例と合わせて解説していきます。
特徴1:素直に話を聞き、行動に移せる人
IT業界では「素直さ」が最重要視されると言っても過言ではありません。エンジニアの世界は日々技術が進化しており、先輩や上司からのフィードバックを素直に受け止めて改善できる人でなければ、成長スピードが著しく落ちてしまうからです。
面接官は、以下のような質問を通して素直さを見極めようとします。
- 「これまでの失敗経験と、そこから何を学びましたか?」
- 「あなたが人からアドバイスをもらって、行動を変えた経験はありますか?」

素直さをアピールする際のポイントは、単に「素直です」と自己申告するのではなく、「指摘を受けて、実際に行動を変えた具体的なエピソード」をセットで語ることです。
体験談例:アルバイト先の飲食店で、接客態度について店長から厳しく指摘を受けた際、最初は落ち込んだものの、翌日から自分の接客を動画で見返して改善点を洗い出し、3ヶ月後には新人指導を任されるまでになった——というようなエピソードは、「素直に受け止め、行動に移せる人」として非常に高く評価されます。
現場のエンジニアからよく聞かれる声として、「技術力よりも、指摘された時の顔つきで採用可否がわかる」というものがあります。
指摘を受けた瞬間にムッとした表情を見せたり、言い訳から入ってしまったりする人は、どれだけ論理的な受け答えができていても、印象を大きく下げてしまいます。
反対に、「なるほど、ありがとうございます」と一度受け止めてから自分の考えを述べる人は、それだけで「素直に育つタイプ」という安心感を与えることができます。
面接練習の際は、模擬面接官から厳しめの質問や指摘をあえて受けてみて、そのときの自分の反応を確認しておくと良いでしょう。
特徴2:学習意欲が高く、自走できる人
未経験者採用において、「自走力」は最も重視されるキーワードの一つです。自走力とは、誰かに言われなくても自分で課題を見つけ、調べ、学び続けられる力のことです。
IT業界では技術のアップデートが激しいため、「教えてもらうのを待つ」姿勢の人材は、入社後すぐに壁にぶつかってしまいます。反対に、わからないことがあればまず自分で検索し、調べた上で質問する習慣がある人は、面接官から「この人は放っておいても伸びる」と評価されます。
よくある質問:独学でどこまで勉強すればアピールになりますか?
「Progateを1周した」だけでは弱いですが、「わからないエラーが出た際に、公式ドキュメントやQiitaの記事を読み比べて自己解決した」というプロセスがあれば、それは立派な自走力のアピール材料になります。結果よりもプロセスを語ることが重要です。
特徴3:論理的に物事を説明できる人
エンジニアの仕事は、プログラムというロジックの塊を扱う仕事です。そのため、面接の受け答えの中でも「結論から話せるか」「筋道立てて説明できるか」という論理的思考力が細かくチェックされています。
具体的には、以下のような話し方ができる人が高評価を得やすいです。
- まず結論(PREP法でいう「Point」)を述べる
- その理由(Reason)を説明する
- 具体例(Example)を挙げる
- 最後にもう一度結論(Point)でまとめる
これは「PREP法」と呼ばれる話し方のフレームワークで、面接だけでなく、エンジニアになってからの報告・連絡・相談(いわゆる「ホウレンソウ」)でも非常に役立つスキルです。面接官は、話し方一つで「この人は入社後、チームメンバーと円滑にコミュニケーションが取れそうだ」と判断しています。
≫未経験IT就活を勝ち抜く最強の思考法「PREP法」完全攻略ガイド:就活生のための論理的コミュニケーション術
よくあるNG例として、「学生時代に頑張ったことを教えてください」という質問に対し、時系列で長々とエピソードを語ってしまい、結局何が言いたいのか最後までわからなくなってしまうケースがあります。面接官は一日に何人もの就活生と話しているため、要点が見えない話し方が続くと、それだけで集中力が切れてしまいます。 「結論はこれです」と最初に宣言する癖をつけるだけで、話し方の印象は大きく変わります。
特徴4:なぜIT業界なのか、理由が明確な人
「なんとなく需要がありそうだから」「手に職をつけたいから」という理由だけでは、正直なところ面接官の心には響きません。それだけで終わってしまうと、他の就活生との差別化ができないのです。
高評価を得ている就活生の多くは、以下のように自分自身の原体験と結びつけてIT業界への志望動機を語っています。
- 「学生時代に自分で作った簡単なツールが、友人の役に立った経験から、ものづくりの楽しさに目覚めた」
- 「アルバイト先の非効率な業務をシステム化できないかと考えたことがきっかけだった」
志望動機の弱い例と強い例
| 弱い例 | 強い例 |
|---|---|
| 「将来性があるから」 | 「将来性がある中でも、なぜ自分がその分野に惹かれるのか原体験がある」 |
| 「手に職をつけたい」 | 「手に職をつけたいと思ったきっかけとなる具体的な出来事がある」 |
| 「安定していそうだから」 | 「安定よりも、自分の手で価値を生み出せることに魅力を感じている」 |
特徴5:チームで働くイメージを持てている人
「エンジニア=1人でパソコンに向かってひたすらコードを書く仕事」というイメージを持っている未経験者は少なくありません。しかし実際の開発現場は、チーム開発が基本です。設計を話し合い、コードレビューを受け、テストを協力して行うなど、コミュニケーションが不可欠な仕事です。
面接官は「チームで成果を出した経験」について質問することで、協調性や役割意識を確認しています。
体験談例:大学のサークル活動やアルバイトでのチームプロジェクトにおいて、「自分がリーダーだった」経験だけでなく、「自分は縁の下の力持ちとしてメンバーを支える役割だった」という経験も、十分にアピール材料になります。むしろ、役割を客観的に把握できていること自体が評価されるポイントです。
特徴6:粘り強く物事に取り組める人(GRIT力)
プログラミングの学習やエンジニアの仕事には、「エラーとの格闘」がつきものです。思い通りに動かないコードと何時間も向き合い続ける忍耐力、いわゆる「GRIT(グリット=やり抜く力)」が求められます。
面接では、以下のような質問でこの力を見極めようとします。
- 「これまでで最も長く時間をかけて取り組んだことは何ですか?」
- 「うまくいかないとき、どうやって乗り越えましたか?」
ここで重要なのは、「途中で投げ出さずに最後までやり切った経験」を語ることです。部活動での長期的な努力、資格取得のための勉強、あるいはダイエットやトレーニングの継続など、テーマは何でも構いません。「困難に直面したときの自分なりの乗り越え方」を言語化できているかどうかが評価の分かれ目になります。
特徴7:謙虚さと向上心を併せ持つ人
意外に思われるかもしれませんが、面接官は「自信満々すぎる人」をあまり高く評価しません。特に未経験者採用においては、「自分はできる」というアピールが強すぎると、逆に「この人は入社後に指摘を素直に受け入れられないのでは」と警戒されてしまうことがあります。
理想的なのは、謙虚さと向上心のバランスが取れている状態です。
- ✕「独学で〇〇まで学んだので、即戦力になれます」
- ○「独学で学んではいますが、実務レベルにはまだ及ばないと自覚しています。だからこそ、現場で学ばせていただきながら、一日でも早く貢献できるようになりたいです」

このように、自分の現在地を客観的に把握した上で、成長意欲を示す話し方が、面接官の信頼を得やすいのです。
面接官の印象を下げやすいNGワード例
謙虚さと自信のバランスを崩してしまう発言として、以下のようなものが挙げられます。面接前に、自分がこうした言い回しを使っていないか、一度振り返ってみることをおすすめします。
- 「絶対に成功させます」「必ずできます」といった根拠のない言い切り
- 「〇〇は自分にはできないと思います」といった過度な自己卑下
- 「特に困難だったことはありません」といったリアリティのない回答
- 「正直、御社が第一志望というわけではありません」といった正直すぎる本音
正直さは大切な資質ですが、面接の場では「伝え方」も同じくらい重要です。本音をそのままぶつけるのではなく、相手にどう伝われば建設的か、一度クッションを置いて考える癖をつけましょう。
特徴8:会社研究をしっかり行っている人
「弊社について、どんなイメージをお持ちですか?」という質問は、ほぼすべての面接で聞かれると言っても過言ではありません。この質問への回答の深さで、志望度の本気度が一発でわかってしまいます。
よくある質問:会社研究って具体的に何をすればいいですか?
最低限、以下の3点は確認しておくことをおすすめします。
- 事業内容:受託開発なのか、自社サービスなのか、SESなのか
- 企業理念・カルチャー:採用ページやSNSでの発信内容
- なぜ「その会社」なのか:同業他社との違いを自分なりに言語化できているか
特に未経験者向けの採用を行っているIT企業は数多く存在するため、「なぜ数ある会社の中でうちを選んだのか」を聞かれた際に、その会社固有の魅力を語れるかどうかが差別化のポイントになります。
「研修制度が充実しているから」という理由も悪くはありませんが、それだけでは他社にも当てはまってしまうため、一歩踏み込んだ研究が必要です。
特徴9:清潔感とビジネスマナーが備わっている人
技術力とは直接関係がないように思えるかもしれませんが、清潔感やビジネスマナーは今も昔も評価対象です。特にIT業界は「客先常駐(お客様先で働くこと)」という働き方も多く、会社の代表として社外の人と接する機会が想像以上に多いのです。
面接官が見ているポイントは以下のようなものです。
- 服装や髪型に清潔感があるか
- 挨拶や言葉遣いが適切か
- オンライン面接の場合、背景や通信環境に配慮があるか
- 時間厳守(5〜10分前の入室・入場)ができているか
「私服可」と指定された面接でも、業界の雰囲気に合わせた服装選びができているかどうかは、意外と見られています。迷った場合はオフィスカジュアル程度を選んでおくと無難です。
特徴10:長期的なキャリアビジョンを持っている人
「入社後、どのようなエンジニアになりたいですか?」という質問に対して、明確なビジョンを語れる人は高評価を得やすい傾向にあります。逆に「特に決まっていません、まずは頑張ります」という回答だけで終わってしまうと、キャリアに対する解像度の低さを指摘されてしまう可能性があります。
もちろん未経験の段階で、具体的な技術領域(例:バックエンドエンジニア、インフラエンジニアなど)まで決め切る必要はありません。しかし、以下のような形で、自分なりの方向性を示すことは可能です。
- 「まずは幅広い技術に触れ、その中で自分の適性を見極めたい」
- 「将来的には、ユーザーに近い立場で価値を届けられるエンジニアになりたい」
- 「〇〇の分野に興味があり、まずはその基礎を現場で学びたい」
ポイントは、「会社の事業内容」と「自分のキャリアビジョン」に接点があることです。全く関係のない方向性を語ってしまうと、「うちの会社である必要がないのでは」と思われてしまうため注意しましょう。
特徴11:失敗を恐れずに挑戦できる人
未経験からIT業界へ挑戦すること自体が、ある意味で「リスクを取った選択」です。面接官は、その挑戦する姿勢そのものを評価材料の一つとしています。
特に、以下のようなエピソードは好印象につながりやすいです。
- 未経験の分野やアルバイトに飛び込んだ経験
- 大学で専攻とは違う分野に挑戦した経験
- 失敗するリスクがあっても、あえて難しい選択をした経験
体験談例:文系学部出身でありながら、独学でプログラミングの勉強を始め、最初は挫折しかけたものの、オンラインコミュニティに参加して仲間と励まし合いながら学習を継続した——というようなエピソードは、「挑戦し続ける姿勢」として非常に評価されやすいです。
特徴12:入社後の解像度が高い人
最後に紹介するのは、「入社後、自分がどのように働くのかを具体的にイメージできているか」という点です。これは特徴10のキャリアビジョンとも重なりますが、より短期的・現実的な視点での質問です。
例えば、以下のような質問がよくされます。
- 「入社後、最初の半年間はどのような期間になると思いますか?」
- 「わからないことがあったとき、どう対処しますか?」
- 「残業や勉強時間について、どう考えていますか?」
ここで理想論だけを語ってしまう人(「毎日定時に帰って、プライベートも充実させたいです」など)は、企業側の期待とのミスマッチを懸念されてしまうことがあります。
もちろんワークライフバランスを大切にする姿勢自体は問題ありませんが、未経験からのスタートである以上、一定の自己学習時間が必要になるという現実的な理解を示すことが、信頼につながります。
逆に「不採用」になりやすい人の特徴

ここまで採用されやすい人の特徴を見てきましたが、反対に、面接官が「うちには合わないかも」と感じてしまう特徴についても押さえておきましょう。
- 他責思考が強い:前職や過去の失敗を、環境や他人のせいにする発言が多い
- 志望動機に一貫性がない:受ける企業ごとに話す内容がバラバラで、使い回し感が強い
- 質問への回答が抽象的すぎる:「頑張ります」「努力します」など具体性のない回答ばかり
- 逆質問がない、または的外れ:会社研究不足が露呈してしまう
- 態度や言葉遣いに違和感がある:面接官やスタッフへの対応で横柄な態度を取ってしまう
特に注意したいのが「他責思考」です。「前の会社(学校)が悪かった」という趣旨の発言は、たとえ事実であったとしても、面接の場では「入社後も何かあれば会社のせいにするのでは」という懸念を抱かせてしまいます。
過去の出来事を語る際は、自分がその状況の中で何を学び、どう改善しようとしたか、という視点を必ずセットにしましょう。
よくある質問:正直に「未経験で不安です」と伝えるのはNGですか?
不安な気持ちを正直に伝えること自体は、決して悪いことではありません。むしろ背伸びをして「不安はありません、大丈夫です」と言い切ってしまうほうが、かえって不自然に見られることもあります。
大切なのは、不安を伝えたうえで、「だからこそ、こういう努力をしています/していく予定です」という前向きな行動とセットにすることです。不安をそのまま垂れ流すのではなく、不安を乗り越えるための工夫まで語れるようにしておきましょう。
面接の段階別に見る、チェックされるポイントの違い

IT企業の選考は、多くの場合「一次面接」「二次面接(現場責任者や技術者との面談)」「最終面接(役員・社長)」という複数のステップで構成されています。
実は、面接の段階によって、面接官が重視するポイントは少しずつ変化します。 ここでは段階別のポイントを整理しておきましょう。
一次面接:基礎的なコミュニケーション力とマナー
一次面接は人事担当者が対応することが多く、ここでは主に「社会人としての基礎力」がチェックされます。挨拶、言葉遣い、質問への受け答えの基本的な部分に問題がないかを見極める段階です。
ここでつまずいてしまう就活生の多くは、緊張のあまり結論から話せなかったり、声が小さくなってしまったりするケースです。一次面接は「減点方式」に近いと考え、まずは基本的なマナーを徹底することを意識しましょう。
二次面接:現場目線でのポテンシャル確認
二次面接では、実際に配属される可能性のある部署のマネージャーや、現場のエンジニアが同席することが多くなります。ここでは、「実際に一緒に働けそうか」という、より実務的な視点でのチェックが行われます。
技術的な質問が出てくる場合もありますが、答えられなかったとしても、「わからないなりにどう考えようとしたか」というプロセスを見せることができれば、大きなマイナスにはなりにくいです。
最終面接:入社意欲とカルチャーフィットの最終確認
最終面接に進んだ時点で、基本的なスキルや人柄については一定の評価を得ていると考えて良いでしょう。最終面接で見られるのは、「本当にこの会社に入りたいと思っているか」という熱意と、「経営層の考え方に共感できるか」というカルチャーフィットです。
ここでは、企業理念やビジョンについて、自分なりの言葉で共感ポイントを語れるようにしておくことが重要になります。
面接でよく聞かれる質問と、その裏にある「本当の意図」

面接対策をする際に多くの就活生がやってしまいがちなのが、「質問に対する模範解答」だけを丸暗記してしまうことです。しかし、面接官は一つひとつの質問に必ず「意図」を持って質問をしています。

その意図を理解せずに表面的な回答を用意していると、少し切り口を変えられただけで対応できなくなってしまいます。ここでは、代表的な質問とその背景にある意図を一覧にまとめました。
| よくある質問 | 面接官の本当の意図 |
|---|---|
| 「学生時代に力を入れたことは?」 | 物事への取り組み方、継続力、役割意識を知りたい |
| 「なぜIT業界を志望するのですか?」 | 志望動機の一貫性、業界理解の深さを確認したい |
| 「なぜ数あるIT企業の中で弊社なのですか?」 | 本気度、企業研究の深さ、入社後のミスマッチを防ぎたい |
| 「あなたの短所は何ですか?」 | 自己理解の深さ、短所への向き合い方を知りたい |
| 「入社後、どのように成長していきたいですか?」 | 中長期的なキャリア意識、会社との方向性の一致を確認したい |
| 「最近気になったIT関連のニュースはありますか?」 | 業界への関心度、情報収集の習慣を確認したい |
| 「何か質問はありますか?」 | 志望度の高さ、主体性、コミュニケーション力を確認したい |
それぞれの質問に対して「意図」を意識した回答を用意しておくことで、たとえ聞かれ方が多少変わったとしても、柔軟に対応できるようになります。
例えば「最近気になったIT関連のニュース」を聞かれた場合、単にニュースの内容を説明するだけでなく、「そのニュースを見て、自分はこう考えた」という自分なりの視点まで添えて話すことができれば、より深い印象を残すことができます。
エピソード選びで意識したい「一貫性」
面接全体を通して、面接官が細かくチェックしているのがエピソード同士の一貫性です。
例えば、自己PRでは「粘り強さ」をアピールしていたのに、長所・短所の質問では「飽きっぽい性格です」と矛盾する回答をしてしまうと、面接官は「どちらが本当の姿なのだろうか」と疑問を抱いてしまいます。
事前に自己分析を行う際は、エピソードを一つひとつバラバラに用意するのではなく、「自分軸」を一本通した上で、質問ごとに切り口を変えて話せるように整理しておくことをおすすめします。これにより、面接全体を通して「一貫性のある、ぶれない人物像」を印象付けることができます。
就活軸が定まっていない人は、以下の記事でまとめていますのでぜひご覧ください。
≫未経験からのIT業界の就活、軸なしで不安?後悔しないための戦略設計と見つけ方
未経験者が面接官に評価されるための具体的な準備方法

ここまで紹介してきた12の特徴を踏まえて、実際に面接までにどのような準備をしておけば良いのか、具体的なアクションプランをまとめます。
ステップ1:自己分析でエピソードの棚卸しをする
まずは、これまでの人生の中で「素直さ」「粘り強さ」「挑戦」「チームワーク」といったキーワードに当てはまるエピソードを、できるだけ多く書き出してみましょう。 学生時代の部活動やアルバイト、ゼミ活動、趣味の中にも、意外と使えるエピソードが眠っているものです。
以下の記事でまとめていますのでぜひご覧ください。
≫ 未経験からのIT就活の基本|自己分析・志望動機・自己PR・ESを徹底解説
エピソード整理シートの例
| キーワード | エピソード | 学んだこと |
|---|---|---|
| 素直さ | アルバイトで店長からの指摘を受けて接客を改善 | フィードバックを行動に変える大切さ |
| 粘り強さ | 部活動の大会に向けて半年間毎日練習 | 目標達成までのプロセス管理 |
| 挑戦 | 未経験の飲食店アルバイトに応募 | 未知の環境への適応力 |
ステップ2:企業研究を「比較」の視点で行う
1社だけを深く調べるのではなく、複数社を比較しながら研究することで、それぞれの会社の特徴がより鮮明に見えてきます。
「A社は自社サービス開発が中心、B社はSESで幅広い現場を経験できる」というように、事業モデルの違いを理解しておくと、志望動機にも説得力が増します。
ステップ3:模擬面接で「話し方」を客観視する
内容が良くても、話し方が原因で評価が下がってしまうケースは非常に多いです。スマートフォンで自分の面接練習を録画し、見返してみることをおすすめします。早口になっていないか、目線が泳いでいないか、結論から話せているかなど、客観的にチェックしましょう。
就活エージェントや大学のキャリアセンターを活用し、第三者からフィードバックをもらうのも効果的です。就活エージェントなどのサービス利用については、以下の記事も合わせて参考にしてください。
≫【未経験からIT業界へ】資格・スクール・就活サービス完全活用ガイド
ステップ4:逆質問を3〜5個は用意しておく
面接の最後にある「何か質問はありますか?」という時間は、志望度をアピールする絶好のチャンスです。準備不足で「特にありません」と答えてしまうのは非常にもったいないことです。
≫就活の逆質問で評価が上がる質問60選|IT企業面接官が見ているポイントと絶対NGな質問まとめ
未経験者におすすめの逆質問例
- 「入社後の研修制度について、具体的にどのようなカリキュラムがありますか?」
- 「未経験で入社された方が、最初にぶつかりやすい壁があれば教えてください」
- 「配属先はどのように決定されるのでしょうか?」
- 「活躍されている方に共通する特徴があれば教えていただきたいです」
面接再作については、以下の記事でまとめていますのでぜひご覧ください。
≫未経験からIT業界を目指すあなたへ | 現役面接官が面接対策のすべてを教えます
よくある質問(FAQ)

最後に、未経験IT就活生からよく寄せられる質問について、まとめてお答えします。
Q1.文系出身でもIT企業の面接で不利になりませんか?
A.結論として、文系・理系は選考においてほとんど関係ありません。 実際、IT業界で活躍しているエンジニアの中にも文系出身の方は数多くいます。重要なのは学部ではなく、これまで解説してきたような「素直さ」「学習意欲」「論理的思考力」といった資質です。
Q2.面接で緊張してうまく話せません。どうすればいいですか?
A.緊張すること自体は自然なことであり、面接官もそれを理解しています。「緊張しています」と正直に一言伝えてから話し始めるだけでも、気持ちが少し楽になることがあります。また、事前に模擬面接を重ねることで、話す内容が体に染み付き、本番での緊張も和らいでいきます。
Q3.複数内定が出た場合、何を基準に選べばいいですか?
A.給与や知名度だけでなく、「研修制度の充実度」「事業内容と自分のキャリアビジョンとの接点」「実際に働く社員の雰囲気」を軸に比較することをおすすめします。可能であれば、内定後に社員面談やオフィス見学を依頼してみるのも良い方法です。
Q4.面接官によって評価基準が違うことはありますか?
A.はい、あります。会社によっては複数回の面接で異なる立場の面接官(人事担当、現場エンジニア、役員など)が登場することが一般的です。それぞれ見ているポイントが多少異なる場合もありますが、本記事で紹介した12の特徴は、業界全体で共通して評価される普遍的なポイントと言えます。
Q5.オンライン面接と対面面接で、意識するポイントは違いますか?
A.基本的に見られているポイントは同じですが、オンライン面接特有の注意点もあります。通信環境の事前確認、カメラ目線での会話、背景の整理は必ず行いましょう。また、オンラインでは声のトーンが単調に聞こえやすいため、対面のとき以上にリアクションを大きめに、抑揚をつけて話すことを意識すると、印象が良くなります。カメラの位置を目線の高さに合わせるだけでも、相手に与える印象は大きく変わります。
Q6.面接で「他社の選考状況」を聞かれたら、正直に答えるべきですか?
A.正直に答えて問題ありません。ただし、答え方には工夫が必要です。「〇社と〇社を受けています」と事実だけを伝えるのではなく、「同じIT業界の中でも、〇〇という軸で企業を比較検討しています」というように、自分なりの就活軸を添えて伝えると、単なる状況報告ではなく、志望度の高さや思考の整理力を示すアピール材料に変えることができます。
Q7.内定後に「やっぱり合わないかも」と感じたら、どうすればいいですか?
A.内定はゴールではなく、あくまで入口です。もし違和感を覚えた場合は、内定者懇親会や社員面談などの機会を活用し、率直に疑問点を確認してみることをおすすめします。多くのIT企業は、内定者からの質問に対して真摯に対応してくれるはずです。それでも不安が拭えない場合は、就活エージェントのキャリアアドバイザーに相談し、客観的な意見をもらうのも一つの方法です。
Q8.グループディスカッションやグループワークがある場合、何を意識すればいいですか?
A.IT企業の選考では、複数人でのグループディスカッションが実施されることもあります。ここで評価されるのは、発言の量や積極性そのものよりも、チームとしての成果に貢献できているかという視点です。自分の意見を主張することに終始するのではなく、他のメンバーの意見を要約したり、議論が停滞したときに軌道修正の提案をしたりする動きができると、高く評価されやすくなります。「目立つこと」ではなく「チームに貢献すること」を意識するのがポイントです。
面接前日・当日にやっておきたい最終チェックリスト

ここまで「内面」や「話し方」の話を中心にお伝えしてきましたが、最後に、面接直前の実践的な準備についても触れておきます。どれだけ良いエピソードを用意していても、当日のコンディションや持ち物一つで、実力を発揮できなくなってしまうこともあります。
前日までに準備しておきたいこと
- 企業研究ノートの見直し:事業内容、企業理念、志望動機、逆質問を一枚にまとめて見返す
- 持ち物の準備:履歴書・職務経歴書のコピー、筆記用具、腕時計、印鑑(必要な場合)
- 服装の最終確認:シワや汚れがないか、靴は磨かれているか
- 移動ルートの確認:対面の場合、最寄駅からの所要時間を事前に調べておく
- オンライン面接の場合:カメラ・マイク・通信環境のテスト、静かな場所の確保
特に見落としがちなのが「オンライン面接のバックアップ体制」です。当日、Wi-Fiが不調になったり、アプリの不具合が発生したりするケースは珍しくありません。事前に面接官の緊急連絡先(電話番号やメールアドレス)を控えておくことで、万が一のトラブルにも落ち着いて対応できます。
当日の心構え
面接当日は、誰でも多かれ少なかれ緊張するものです。面接官も「完璧な受け答え」を求めているわけではありません。 むしろ、少し緊張しながらも一生懸命自分の言葉で伝えようとする姿勢のほうが、好印象につながることも多いのです。
面接開始前に深呼吸を数回行う、面接官の名前を呼んで話しかけるなど、ちょっとした工夫で緊張は和らぎます。また、もし質問の意味がうまく理解できなかった場合は、わかったふりをして曖昧に答えるよりも、「恐れ入ります、〇〇という理解でよろしいでしょうか」と聞き返すほうが、誠実な印象を与えられます。
曖昧な理解のまま的外れな回答をしてしまうことのほうが、聞き返すことよりもよほどマイナス評価につながりやすいのです。
面接後のフォローアップも忘れずに
面接が終わった後の振り返りも、次の選考に活かすうえで非常に重要です。うまく答えられなかった質問はなかったか、逆質問はしっかりできたか、その日のうちにメモとして残しておく習慣をつけましょう。
企業によってはお礼メールを推奨している場合もあります。必須ではありませんが、丁寧な印象を与えたい場合は、面接当日〜翌日中を目安に、簡潔なお礼の連絡を送るのも一つの方法です。
まとめ:スキルよりも「人柄」と「姿勢」で勝負しよう

今回は、IT企業の面接官が本音で「採用したい」と感じる人の特徴を12個ご紹介しました。最後に、重要なポイントを振り返っておきましょう。
- 未経験者採用では、スキルよりもポテンシャルや人柄が重視される
- 素直さ・自走力・論理的思考力は特に評価されやすいキーワード
- 志望動機や逆質問は、「その会社ならでは」の内容まで踏み込んで準備する
- 不安な気持ちは隠さず、前向きな行動とセットで伝えることが大切
- 準備の質は、自己分析・企業研究・模擬面接の積み重ねで決まる
未経験からのIT就活は、不安なことも多いと思います。周りの友人がすでに専門知識を持っていたり、他の就活生が資格をたくさん取得していたりするのを見て、「自分は出遅れているのではないか」と焦りを感じることもあるかもしれません。
しかし、面接官が本当に見ているのは「今のあなたに何ができるか」ではなく、「これからのあなたがどう成長していけるか」です。今すでに完成されている必要はまったくありません。
むしろ、未経験だからこそ持っている「素直に学べる姿勢」や「初心を忘れない謙虚さ」は、キャリアを積んだ中途採用者にはない、あなただけの強みでもあるのです。
今回紹介した12の特徴——素直さ、自走力、論理的思考力、明確な志望動機、チームワーク、粘り強さ、謙虚さと向上心のバランス、企業理解の深さ、清潔感とマナー、キャリアビジョン、挑戦する姿勢、入社後の解像度——は、決して特別な才能を必要とするものではありません。
日々の生活や、これまでの経験を丁寧に振り返ることで、誰もが自分の言葉で語れるようになるものばかりです。
一度の面接でうまくいかなかったとしても、それは「あなたという人間そのものが否定された」ということでは決してありません。企業とのご縁やタイミングが合わなかっただけ、というケースも数多くあります。落ち込みすぎず、一つひとつの面接を「次に活かすための練習の場」と捉え直してみてください。
自分自身の経験を丁寧に振り返り、あなたらしい言葉で伝えられるように準備を進めていきましょう。この記事が、あなたの就職活動の一助となれば幸いです。

あなたの就職活動が実り多いものになることを、心から応援しています。
「面接の準備はできた。でも、未経験の自分は何をアピールすればいい?」
最後は、資格・スキルの身につけ方や、スカウト・エージェントなどの就活サービスも上手に活用していきましょう。
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