

「プログラミングスクールって行く意味あるの?」「お金払ってまで通う価値あるのかな?」と迷っていたり、モヤモヤしているも就活生の方も、多いのではないでしょうか?
私はIT企業で採用担当をしており、毎年数百名の就活生と面接をしています。その中には、スクール卒の学生もいれば、独学で学んだ学生も、まったく技術を学ばずに応募してくる学生もいます。
採用側の目線から見ると、「スクールに行ったかどうか」よりも「スクールで何を得たか・得られなかったか」の方がはるかに重要です。
この記事では、就活という文脈において「プログラミングスクールが本当に元が取れる人」と「お金と時間を無駄にしてしまう人」の違いを、採用担当の立場から率直にお伝えします。
プログラミングスクールの実態|採用担当から見たリアル
スクール卒の学生は採用で有利になるのか?
結論から言います。「スクールに通った」という事実だけでは、採用において有利にも不利にもなりません。
誤解している学生が多いのですが、採用担当は「スクール卒かどうか」でフィルタリングしていません。見ているのは「その経験を通じて何を習得し、どう活かせるか」という点です。
実際の面接でよく聞く話として、スクールに通って50万円・100万円と費やしたにもかかわらず、「どんなことを学びましたか?」と聞くと「Webサイトを作りました」しか答えられない学生がいます。
一方で、独学3か月の学生が「こういう課題を解決したくてこんなアプリを作り、こんな技術的な壁にぶつかってこう乗り越えました」と話してくれることもある。

採用担当が「この学生はいいな」と感じるのは後者です。
スクールは「学ぶための環境」を提供してくれるものであって、「採用パスポート」ではありません。この認識を最初に持っておくことが大切です。
スクール経験が評価されるケースと評価されないケース
採用の現場から見ると、スクール経験が面接でプラスに働くケースはいくつか共通点があります。
評価されるケース:
- 制作物(ポートフォリオ)の質と説明力が高い:「なぜこのアプリを作ったか」「どんな技術スタックを使ったか」「どこで詰まってどう解決したか」を自分の言葉で話せる
- スクールで学んだ内容を自走して深掘りしている:カリキュラム通りのものだけでなく、自分で追加で学習した形跡がある
- スクール選びの理由が明確:「なぜ独学でなくスクールを選んだか」を論理的に説明できる
評価されないケース:
- 「スクールで学びました」以上の説明ができない:何をどこまで習得したか不明瞭
- 制作物がカリキュラムの写経そのまま:オリジナリティや応用力が見えない
- 技術的な質問に答えられない:「HTMLとCSSはわかりますが、JavaScriptはスクールでやっただけで…」という状態
- 就活のためだけに通ったことが透けて見える:動機の浅さは面接で必ず露呈します
プログラミングスクールの費用感と種類
主なスクールの料金帯

まずはプログラミングスクールの費用感を整理しておきましょう。相場を知らずに選ぶと、不必要に高額なコースに誘導されてしまうリスクがあります。
月額・サブスク型(比較的安価)
- 月額3,000〜30,000円程度
- 動画教材+テキスト中心
- メンタリングなしor非同期サポート
- 代表例:Udemy(買い切り型)、ProgateやDMMウェブキャンプの入門コースなど
短期集中型スクール(中価格帯)
- 10万〜40万円程度
- 2〜6か月の集中カリキュラム
- メンター・講師によるサポートあり
- 転職・就職保証なしのことも多い
転職保証付き・就活サポート型(高価格帯)
- 50万〜100万円超
- 卒業後の転職・就職サポートが売り
- 給付金制度(経済産業省の「第四次産業革命スキル習得講座」など)を使えば実質負担が下がる場合も
- 返金保証や転職保証の条件を細かく確認する必要あり
給付金・補助制度を見落とすな
社会人向けの制度ではありますが、学生でも条件を満たせば使える補助金制度が存在します。また、一部のスクールは「学生向け割引」「学割プラン」を設けているケースもあります。
ただし、大学在学中の学生が使える補助制度は限定的なことがほとんどです。就活生の立場でスクールを検討するなら、まず補助制度の有無・適用条件をスクールに直接確認することをおすすめします。
就活目線で「元が取れる人」の特徴


採用担当として、スクールへの投資が明らかに就活に活きているなと感じる学生には、いくつかの共通した特徴があります。
特徴① 明確な「学ぶ理由」がある人
スクールで成果を出す学生は、「なんとなくITが伸びているから」「友達が行くから」ではなく、具体的な学びたいこと・作りたいものがある学生です。

面接でこんな話を聞いたことがあります。「アルバイト先の飲食店のシフト管理が紙とLINEで回っていて、毎回ミスが起きていた。自分でシフト管理アプリを作りたくてスクールに入った」という学生。
こういう動機がある人は、カリキュラムを受け身でこなすのではなく、自分の目的に引きつけて学習を進めるため、習得スピードも理解の深さも段違いです。
「何を学ぶか」より「なぜ学ぶか」が明確な人は、スクールへの投資を回収できます。
特徴② スクール外でも自走して学ぶ人
スクールはあくまで「補助輪」です。カリキュラムをこなすだけでITエンジニアになれるほど、IT業界は甘くありません。
就活で強い学生は、スクールで学んだことをベースに、自分でドキュメントを読んだり、GitHubで公開コードを読んだり、エラーにぶつかってStack Overflowや技術ブログで解決策を探したりしています。こうした「自走力」こそ、IT企業が未経験学生に最も期待する素養です。

スクールで学んだことを受け身で吸収するだけで満足してしまう人は、就活でも採用担当に「受け身な人」と映ります。
特徴③ 学んだことをアウトプットできる人
スクールで学んだことを「ポートフォリオ」や「技術ブログ」として外に出せている学生は、採用担当の印象が大きく変わります。
GitHubにコードが公開されている、制作物をデプロイして実際に動かせる状態にある、自分の学習過程をZennやQiitaにまとめているといったアウトプットは、「本当に学んでいる証拠」として機能します。

逆に、スクール内の課題が終わってそのまま、という学生は「スクールに通った」という事実しか残りません。採用担当には、それ以上のことが見えません。
特徴④ ITエンジニア職以外の選択肢も視野に入れている人
「プログラミングスクール=エンジニア職」という固定観念を持っていない人は、就活の選択肢が広がります。
プログラミングの基礎を学ぶことで、エンジニア職だけでなく、ITコンサルタント、営業職(技術営業・SaaS営業)、マーケティング職(Webマーケ・データ分析)、PMやディレクター職なども選択肢になります。
特にSIerやITコンサル志望の学生がプログラミングの基礎を学んでおくことは、面接での差別化に非常に有効です。「エンジニアと会話できる」「システムの中身がイメージできる」という強みは、技術職でないポジションでも評価されます。
特徴⑤ 就活スケジュールとスクールの期間を逆算できる人
これは見落としがちですが非常に重要です。スクールに通うタイミングを就活スケジュールから逆算できる学生は、投資を無駄にしません。
多くのITスクールのカリキュラムは2〜6か月程度です。28卒(2024年4月入学・2028年3月卒業見込み)の学生なら、サマーインターン(25年6〜8月)、秋冬インターン(25年10〜1月)、本選考(26年3月〜)というスケジュールを意識したうえで、「いつまでに何を身につけておくべきか」を逆算してスクール開始時期を決める必要があります。

「就活が本格化してからスクールに通い始めた」「スクールが終わった頃には選考が終わっていた」という学生は、せっかくの学びを就活で活かすタイミングを逃してしまいます。
就活目線で「元が取れない人」の特徴


次に、スクールへの投資が就活においてあまり効果を発揮しなかった学生に共通するパターンをお伝えします。採用担当として面接してきた経験から、率直に書きます。
パターン① 「ITに就職したいから」だけの動機でスクールを選ぶ人
「IT業界に就職したいから、とりあえずスクールに通った」という学生は、面接でかなりの確率で苦戦します。
理由は二つあります。一つは、スクールで学ぶ内容に自分ごと感がないため、習得が表面的になりがちであること。もう一つは、面接で「なぜスクールに通ったんですか?」と聞かれたとき、「就職に有利かと思って」以上の答えが出てこないことです。
「IT業界に行きたい」という志望動機は、スクールに通う理由としては弱い。

スクールに通う前に「ITで何がしたいか」をもう少し深掘りすることをおすすめします。
パターン② お金を払えば何とかなると思っている人
高額なスクールを選ぶほど、無意識に「これだけ払ったんだから成果が出るはず」という期待が生まれます。しかし、プログラミングの習得は「お金を払う量」ではなく「手を動かす量」に比例します。
受講料が高いスクールほど講師のサポートが手厚い傾向はありますが、手厚いサポートは裏を返せば「自分で考えなくてもヒントをもらえる環境」でもあります。

採用担当から見ると、「サポートなしでどこまで自力で動けるか」が重要なので、手取り足取り教えてもらうことに慣れすぎた学生は、実は就活で弱みになることがあります。
パターン③ 就活の「ネタ作り」目的でスクールに通う人
「ガクチカのネタが何もないから、プログラミングスクールでも通っておこうか」という発想の学生がいます。これは、ほぼ確実に採用担当に見抜かれます。
ガクチカとしてスクール経験を話すとき、「なぜそれを選んだか」「どんな壁にぶつかったか」「それをどう乗り越えたか」「今の自分にどう活きているか」という深掘りをされます。「とりあえず通った」だけでは、この深掘りに答えられません。
スクールでの経験をガクチカにしたいなら、意図を持って入学し、壁と向き合い、試行錯誤した実体験が必要です。

そうでないなら、ガクチカ目的でスクールに通うお金と時間は他に使った方がいいです!
パターン④ スクール終了=完成だと思ってしまう人
スクールを卒業した時点で「プログラミングを学んだ」と思い込み、そこで学習を止めてしまう学生がいます。IT業界において技術は日々進化しており、スクールで学んだことはあくまでスタートラインです。
採用担当として特に気になるのは、「スクールを卒業して半年以上経っているのに、その後の学習が何もない」という学生です。「なぜ卒業後に学習を継続しなかったのですか?」という質問への答えに詰まる学生を何人も見てきました。

スクール卒業後も技術ブログを書く、個人開発を続ける、OSSにコントリビュートするといった継続学習の姿勢が、採用担当には強く響きます。
パターン⑤ スクールの「転職保証」を過信する人
「転職保証・就職保証付き」のスクールに通えば内定が確約されると思っている学生がいますが、これは大きな誤解です。
「転職保証」の多くは「一定の条件を満たした場合に受講料を返金する」というものであり、「内定を保証する」わけではありません。 条件の内容(求人への応募数、書類通過後のキャンセル不可など)をよく読まずに入学してしまうと、「保証されると思っていたのに…」という後悔につながります。
就活において、スクールの転職保証はあくまで「保険」であって、「合格通知」ではないことを理解しておいてください。
スクールに行く前に試すべきこと

プログラミングスクールへの投資を判断する前に、まず無料または低コストで「自分にプログラミングの適性があるか」を確かめることを強くおすすめします。
まずProgateやpaizaで感触をつかむ
Progate(月額約1,000円)やpaiza(一部無料)は、ブラウザ上でプログラミングの基礎を学べるサービスです。Progateなら「HTML/CSS」「Python」「JavaScript」などのコースが揃っており、1〜2か月触ってみると「自分はこれが楽しいか・苦にならないか」がわかります。
この段階で「思ったより楽しい・もっとやりたい」と感じた人は、スクールへの投資が活きる可能性が高いです。

逆に「なんか違う・つらい・やる気が続かない」という場合は、スクールに通っても同じ感覚になる可能性が高く、高額投資は慎重に考えた方がいいです。
YouTubeの無料教材で基礎を試す
「プログラミング 入門 Python」「HTML CSS 初心者」などで検索すると、質の高い無料動画教材が多数あります。お金をかける前に、無料で学べることの量は相当あります。
最初の1〜2か月は無料で試し、「もっと深く・体系的に学びたい」「一人では続けられない」と感じてからスクールを検討するのが合理的な順序です。
「スクールに通わなくてもできること」を明確にする
スクールに通う主なメリットは以下の3点です。
- カリキュラムが体系化されていて迷わなくて済む
- わからないときに質問できる環境がある
- 同じ目標を持つ仲間がいてモチベーションを保てる
逆に言えば、「自分で体系的に学習計画を立てられる」「エラーをネット検索で解決できる」「一人でもモチベーションを保てる」という人は、スクールに通わなくても同等の成果を得られる可能性があります。
自分にとってスクールが必要な理由が「1〜3のどれか」であるか確かめてから入学を決めてください。
IT就活における「技術力」の本当の意味
未経験ITエンジニア採用で求めているのは「可能性」
IT企業が未経験の新卒学生に求めているのは、即戦力の技術力ではなく「伸びしろと学ぶ姿勢」です。これは採用担当として断言できます。
面接で「JavaScriptが書けます」「Pythonが少しわかります」という学生より、「自分でつまずいた経験を乗り越えてきた学生」「技術の面白さを自分の言葉で語れる学生」の方が採用される場面を何度も見てきました。

プログラミングスクールで学んだ内容そのものよりも、「学ぶ過程でどう考え・どう行動したか」を語れるかどうかが就活では問われています。
SIer・SES・Web系で求められる技術レベルの違い
IT企業と一口に言っても、SIer・SES・Web系では採用時に求める技術水準がかなり異なります。
SIer(大手・準大手)
- 技術よりもコミュニケーション能力・ロジカルシンキングを重視する傾向が強い
- 文系学生でも採用されやすく、「プログラミングをかじった程度」でも入社後研修で追いつける
- スクールへの投資コスパは相対的に低い(スクールなしでも戦える)
SES(エンジニア派遣・常駐型)
- 入社後の現場投入が早いため、ある程度の基礎技術がある方が有利
- スクールで学んだ内容が実務に近いことが多く、投資効果を感じやすい
- ただし企業によって技術レベルの差が大きい
Web系スタートアップ・自社開発企業
- 技術水準が最も問われる
- スクール修了レベルでは即戦力として採用されることはほぼない
- ポートフォリオの質・GitHubの活動量・OSS貢献など、実力の証明が必要
自分が志望する企業カテゴリによって、スクールへの投資の必要度が大きく異なります。
SIer大手志望でスクールに100万円かけるのは過剰投資かもしれないし、Web系スタートアップ志望なら逆にスクールより個人開発に時間を使った方がいい、という場合もあります。
スクール選びで失敗しないための7つのチェックポイント


もしプログラミングスクールへの入学を検討するなら、以下の7点を必ず確認してください。採用担当として、「このスクールに通った学生はよく育っているな」と感じる学校には、共通の特徴があります。
チェック① カリキュラムの最終的なアウトプットが明確か
「何を学ぶか」ではなく、「学び終わった後に何が作れるようになっているか」がカリキュラムに明示されているかを確認してください。「Webアプリケーションを一から設計・実装・デプロイできる」など具体的なゴールがあるスクールは、学習設計がしっかりしている証拠です。
チェック② 講師は現役エンジニアか
カリキュラムを作った人と教える人が違うスクールもあります。講師が現役エンジニアかどうか、また実務経験が豊富かどうかを公式サイトやオンライン説明会で確認してください。現役エンジニアから学ぶことで、実務に即した思考法・コーディング習慣が身につきます。
チェック③ 就活サポートの具体的内容
「就職・転職サポートあり」とだけ書いてあるスクールは要注意です。**「どんな求人を紹介してくれるか」「模擬面接はあるか」「ポートフォリオのレビューをしてくれるか」**まで確認しましょう。特に28卒向けに「新卒就活サポート」があるかどうかは重要です。転職向けのサポートに特化しているスクールでは、新卒就活生にとっての支援が薄いことがあります。
チェック④ 受講生・卒業生の就職先が公開されているか
卒業生の就職先・転職先が具体的に公開されているスクールは、実績に自信があるサインです。 「IT業界に就職できました!」という曖昧な体験談だけで、具体的な企業名・職種・待遇が示されていない場合は注意が必要です。
チェック⑤ 途中解約・返金の条件
入学後に「自分には合わない」「就活の方向性が変わった」となった場合のキャンセルポリシー・返金規定を必ず事前に確認してください。 高額なスクールほど、途中解約時のトラブルが起きやすいです。特定商取引法に基づく表記が正確に掲載されているかもチェックポイントです。
チェック⑥ 無料体験・体験授業があるか
無料体験・体験授業が用意されているスクールは、自信の表れです。 体験せずに入学を決めるのはリスクが高いため、必ず体験授業を受けてから判断してください。また、体験授業の際に「入学を急かされる」「今日決めないと割引が消える」と言ってくるスクールは要注意です。
チェック⑦ コミュニティ・学習仲間の環境
一人でのオンライン学習は挫折率が高いです。Slackなどのコミュニティ、勉強会・ハッカソンの開催、受講生同士がつながれる環境があるかを確認してください。同じ目標を持つ仲間の存在は、学習継続力に大きく影響します。
スクールに行かずにIT就活で戦うための独学ロードマップ

「スクールには行かないけどIT就活したい」という学生のために、採用担当目線での独学ロードマップを示します。
STEP1 プログラミング入門(1〜2か月)
目標:「プログラミングが何をするものか」を体感する
- Progateで「HTML/CSS」「JavaScript」または「Python」の入門コースを修了
- paizaのランクをDランク→Cランクに上げる(目安)
- この時点で「楽しい・続けられる」と思えるかを自己評価する
この段階でやること:
STEP2 技術の深掘りと制作物づくり(2〜4か月)
目標:「動くものが一つ作れる」状態になる
- JavaScriptまたはPython+Flaskで簡単なWebアプリを作る
- 「作りたいもの」を決めて、検索しながら実装する(写経ではなく自分で考える)
- GitHubに定期的にコミットする習慣をつける
おすすめの制作物テーマ:
STEP3 ポートフォリオの整備と就活準備(1〜2か月)
目標:「面接で話せるポートフォリオ」を完成させる
- GitHubのREADMEを丁寧に書く(何のアプリか・使った技術・工夫した点・苦労した点)
- 可能であればデプロイして実際にアクセスできるURLを用意する(Render・Vercel・Netlifyなど)
- 技術ブログ(Zenn・Qiita)に学習記録や詰まったことの解決記録を投稿する
面接で語れるポートフォリオの条件:
- なぜこれを作ったか(動機)
- どんな技術を使い、なぜその技術を選んだか
- 実装で苦労した点と、どう解決したか
- 今後改善したい点
この4点をすらすら話せるものを少なくとも1つ用意しておけば、スクール卒の学生と同じ土俵に立てます。
STEP4 IT企業の種別理解と志望先の絞り込み
独学で就活に臨む場合、志望する企業のカテゴリによって準備の深さを変える必要があります。
- SIer大手・コンサル志望:技術よりロジカルシンキング・コミュニケーション力を磨く。ポートフォリオは「あれば加点」程度でOK
- SES・受託開発系:基礎技術の習得が重要。ポートフォリオを1〜2本用意したい
- Web系・スタートアップ:ポートフォリオの質・量・GitHub活動が選考の中心になる。独学でここを目指す場合は相当な学習量が必要
採用担当が面接で必ず確認する「スクール経験の深掘り質問」
プログラミングスクールに通った経験を就活でアピールする場合、面接では必ず以下のような深掘り質問が来ます。事前に答えを準備しておかないと、スクール経験が逆に弱みになる場合があります。
「なぜ独学ではなくスクールを選んだのですか?」
この質問への答えが「自分で調べながら学ぶ力があるかどうか」を測るものでもあります。
良い答え方の例: 「独学を2か月試みましたが、エラーの解決に時間がかかりすぎて学習が止まる経験が続きました。体系的にカリキュラムが組まれた環境と、質問できる講師のサポートがあることで、詰まった箇所を素早く解決しながら前に進めると判断してスクールを選びました」
避けたい答え方: 「ITに就職したくて、スクールが手っ取り早いと思ったので」
「スクールで作った制作物を教えてください。どんな技術を使いましたか?」
制作物の内容と技術の説明をシンプル・具体的に話せることが最低条件です。さらに「なぜその技術を選んだか」「他の選択肢と比較したか」まで話せると評価が上がります。
「スクール卒業後、どんな学習をしていますか?」
これが一番重要な質問かもしれません。「スクールで学んで終わり」の学生と「スクールをきっかけにその後も自走している学生」は、採用担当の目には天と地ほどの差に映ります。
「卒業後はZennで技術ブログを書いています」「個人で新しいアプリを作り始めました」「今はTypeScriptを独学で勉強しています」といった答えが返ってくる学生は、入社後も自己成長し続ける人材として高く評価されます。
「スクールを通じて、プログラミングの難しさと面白さをそれぞれ教えてください」
この質問は、本当に手を動かして学んだかどうかを確かめるための質問です。表面的にしか学んでいない学生は、「面白かったです」「難しかったです」以上のことが言えません。
採用担当が期待する答えは、「〇〇を実装しようとしたとき、△△というエラーが解決できずに3日間悩んだが、□□というアプローチを試したら解決できた。そのとき『なるほど、こういう仕組みだったのか』と理解が深まった瞬間が一番面白かった」のような具体性です。
スクールに通った学生が就活で犯しがちなミス

採用担当として面接の場で繰り返し見てきた、スクール経験者の就活における典型的なミスをまとめます。
「〇〇スクール出身です!」という言い方で面接に臨む学生がいますが、採用担当はスクールのブランドには基本的に関心がありません。 大学名と違い、スクール名それ自体が評価軸になることはほぼないと思ってください。
ミス① スクール名をブランドとして押し出す
スクール名ではなく、「スクールで何を学び、何を作り、何を得たか」の中身で勝負することが大切です。
ミス② 技術的な質問に「スクールではそこまでやらなかったです」と答える
「JavaScriptを学んだとのことですが、非同期処理は理解していますか?」のような技術的な質問に「スクールではそこまでやらなかったです」と答えてしまう学生がいます。
この答えは「カリキュラムの範囲しかやっていない」という自己紹介になってしまいます。正直に「まだ深くは理解できていないですが、今独学で学んでいます」と言える学生の方が、自走意欲が伝わって評価されます。
ミス③ スクール経験をガクチカのメインにしてしまう
スクールに通った経験をガクチカのメインエピソードとして話す学生がいますが、スクールは「お金と時間を使って学んだ経験」であるため、他の課外活動と比べると主体性の観点で見劣りすることがあります。
スクール経験をガクチカで話す場合は、「スクールに入ること」ではなく「スクールの中でぶつかった困難や工夫」をエピソードの核にすることをおすすめします。また、できれば「スクールで得たスキルを使って外でやったこと(個人開発・ハッカソン参加など)」をガクチカにした方が、主体性が伝わりやすいです。
ミス④ IT業界全体を「エンジニア職」と同一視している
「ITに就職したい=エンジニアになりたい」という思い込みで就活している学生がいます。しかし実際には、IT企業の職種はエンジニアだけではありません。
営業・カスタマーサクセス・マーケティング・PM・コンサルタント・データアナリストなど、プログラミングを書かないけれどIT知識が役立つ職種は多数あります。スクールでプログラミングを学んだ経験を活かしながら、こういった職種を志望するのも賢い戦略です。
まとめ|プログラミングスクールは「道具」にすぎない

ここまで読んでいただいて、プログラミングスクールに対するイメージが少し変わったでしょうか。
採用担当として最後にお伝えしたいのは、「プログラミングスクールは道具にすぎない」ということです。
良い道具を使っても、それを使う人次第で結果は変わります。スクールに通えば就活で有利になるわけでもなく、スクールに通わなければ不利になるわけでもありません。
就活において本当に差がつくのは、以下の3点です。
- 「なぜITか・IT企業で何をしたいか」の言語化ができているか
- 「学んだ過程で何を考え・どう行動したか」の具体的なエピソードがあるか
- 「入社後も自走して学び続ける人間だ」という姿勢を示せるか
この3点において、スクールはあなたの引き出しを増やす手段の一つです。スクールに通うかどうかよりも、「通った後に何をするか・通わない代わりに何をするか」の方がずっと大切です。

迷っているうちに時間が過ぎるのが一番もったいない。まずは無料教材でプログラミングを触ってみて、自分に合うかどうかを確かめることから始めてみてください。就活は、行動した人から差がついていきます。
よくある質問(Q&A)
Q. 文系学部生でもプログラミングスクールに通って意味がありますか?
A. はい、意味があります。 ただし「どんな就職先を目指すか」によって、スクールの費用対効果は変わります。Web系スタートアップのエンジニア職を目指すなら相当な学習量が必要ですが、SIer・ITコンサル・SaaS営業などを目指すなら、スクールで学んだプログラミングの基礎が面接での差別化ポイントになります。文系学生がスクールに通う場合は「志望職種に対してどう活かすか」を最初に設計することをおすすめします。
Q. プログラミングスクールに通いながら就活は両立できますか?
A. できますが、スケジュール管理が必須です。 スクールのカリキュラムをこなしながらES・面接対策を同時並行するのは体力的・時間的にきつい時期が来ます。早い時期(3年生の夏以前)にスクールを修了できるよう逆算するのが理想です。スクールが就活の後半に差し掛かる場合は、一時的に学習ペースを落とすか、インターンシップへの参加を先行させる判断も考えてください。
Q. 無料のプログラミングスクールや給付金が使えるスクールはありますか?
A. あります。 経済産業省が認定する「第四次産業革命スキル習得講座(リスキリング講座)」は、雇用保険の被保険者が一定条件を満たす場合に受講料の最大70%が給付される制度です。ただし、大学在学中の学生は雇用保険の被保険者でないことが多いため、この制度は使えないケースが大半です。各スクールに「学生向けの割引・給付制度はあるか」を直接問い合わせるのが確実です。
Q. ポートフォリオを作ったことがない。何から始めればいいですか?
A. まず「自分が実際に困っている問題を解決するアプリ」を作ることから始めてください。 ToDoリストやメモアプリといった定番のものでも、「なぜこれを作ったか」という動機が面接で語れれば十分です。技術的に高度なものより、「自分がユーザーとして使える・使いたいと思えるもの」を作った方が説得力が増します。
Q. スクールを途中でやめた経験があります。面接で正直に言うべきですか?
A. 正直に言った上で、そこから何を学んだかを話すことをおすすめします。 「途中でやめた」という事実より、「なぜやめたか」「その経験から何を得たか」「その後どうしたか」の方が採用担当は聞きたいと思っています。失敗経験を正直に話し、そこから学び行動を変えたエピソードは、誠実さとPDCAサイクルの証明になります。


