
「説明会に行ったのに、あとで何も思い出せない」
「メモをとったけど、ES書くときに全然使えなかった」
就活生からよく聞く悩みです。
説明会は情報収集の場であると同時に、企業研究のスタート地点です。ただ話を聞いて帰るのと、ちゃんと目的を持って参加するのとでは、その後のESや面接の質が大きく変わります。

私は現在、IT企業で採用・人事を担当しています。毎年、数十社の説明会に足を運んだ学生たちのESや面接を見ていますが、「この子はちゃんと説明会を活かしているな」とわかる学生と、「説明会の内容を単にコピペしているだけだな」という学生は、一目で区別がつきます。
この記事では、IT企業の説明会でメモすべき項目・聞き方・残し方を、採用担当者の視点から徹底的に解説します。未経験からIT業界を目指す方にとって特に役立つ内容を盛り込みましたので、最後まで読んでください。
説明会は「聞く場」ではなく「情報を取りに行く場」
多くの就活生が説明会を無駄にしている理由
説明会でのよくある失敗パターンは次のとおりです。
- ただ座って話を聞いている
- メモはとるが「会社概要だけ」で終わる
- 資料をもらっただけで満足してしまう
- 質疑応答で質問できず帰る
これだと、会社のホームページを読むのと大差ありません。説明会に参加する意味は、「その場でしか得られない情報」を引き出すことにあります。
IT企業の説明会が他業界と違う点

IT業界の説明会は、他業界と比べて次のような特徴があります。
技術用語が多い
SIer・SES・Web系といった業態の違いや、インフラ・アプリ・AI・クラウドなどの職種分類など、専門用語が頻出します。未経験者にとっては聞いたことのない単語が飛び交うことも珍しくありません。だからこそ、用語の意味と文脈をセットでメモすることが重要です。
事業の全体像が見えにくい
IT企業は、何を作ってどう儲けているのかが外からわかりにくい業界です。説明会では「どんなサービスやシステムを作っているのか」「お金の流れがどうなっているのか」を確認する絶好の機会です。
社風・文化の差が大きい
同じ「IT企業」でも、スタートアップと大手SIerでは職場の雰囲気・働き方・評価制度が全く異なります。説明会で感じる「温度感」や「担当者の話し方」なども、重要な企業研究の材料になります。
メモすべき6つのカテゴリ

説明会でのメモは、以下の6カテゴリに分けて整理するのがおすすめです。
① 事業内容・ビジネスモデル

「何をやっている会社か」を理解するための情報です。これが曖昧なままだと、ESや面接で志望動機を語れません。
メモすべきポイント:
- 主力事業は何か(自社サービス型か、受託開発型か、SESか)
- 誰に売っているか(toB企業向けか、toC一般消費者向けか)
- 収益の柱はどこか(売上比率や成長中の事業など)
- 競合と何が違うか(担当者が「うちの強みは〇〇」と言ったこと)
メモ例:
「主力は金融機関向けシステム開発(受託)。全売上の60%。最近クラウド移行支援が伸びていると社員の方が強調していた。競合はNTTデータや富士通と比べて”スピード感”と”提案力”が強みとのこと。」
このように、担当者が自分の言葉で語った部分こそ、メモする価値が高いです。ホームページには書いていない生の情報だからです。
② 職種・配属・キャリアパス

未経験からIT業界を目指す場合、「どんな仕事から始まるのか」「何年でどうなれるのか」は最重要事項です。
メモすべきポイント:
- 未経験者はどの職種から入るか(SE・プログラマー・インフラエンジニアなど)
- 最初の配属先はどう決まるか(本人希望は通るか)
- 研修の内容と期間(何ヶ月か、どんなことを学ぶか)
- 3年後・5年後のキャリアイメージ(担当者や若手社員の実例)
- 資格取得支援の有無(ITパスポート・基本情報技術者など)
特に未経験者が注目すべき点:
「未経験者でも活躍できますか?」という質問への回答は要チェックです。具体的な研修プログラム・フォロー体制・先輩社員の事例が出てくるかどうかで、その企業の本気度がわかります。

「できます!」と笑顔だけで答える会社より、「〇ヶ月のプログラミング研修があって、その後はOJTで〇〇さんがメンターとして」という具体的な話が出る会社のほうが信頼できます。
メモ例:
「未経験入社の場合、最初の3ヶ月はJava研修(自社研修センター)。その後、本配属は希望を聞いたうえで決める。直近の未経験入社は7割がWebアプリ開発に配属されたとのこと。若手社員(2年目)の話:最初は怖かったが今はPMとやり取りする機会もある」
③ 社員・職場の雰囲気

説明会で直接感じ取れる、貴重なリアル情報です。口コミサイトには書いていない「今現在の雰囲気」がわかります。
メモすべきポイント:
- 登壇した社員の年齢・雰囲気(話し方、服装、表情)
- 質問への回答が率直か、当たり障りのない答えばかりか
- 社員同士の様子(複数登壇の場合、関係性がわかる)
- 「大変だったこと」を聞いたときの答え(本音が出やすい)
採用担当者から見ると、「社員の話を聞いて何を感じたか」を面接で言える学生はかなり少数です。でも、これを言える学生は「ちゃんと説明会を活かしている」と評価されやすいです。
観察ポイントの例:
「若手社員の話し方が自信ありそうだった。残業については”月20時間くらい”と具体的に答えてくれた。大変だったこととして”最初はコードレビューで指摘が多くてつらかったが、上司が丁寧に教えてくれた”と言っていた。→ フォロー体制はありそう」
④ 働き方・待遇・制度

「働く実態」に関する情報です。求人票だけではわからない部分を確認します。
メモすべきポイント:
- 平均残業時間(「月〇時間」と具体的に言及されたか)
- リモートワークの実態(フル出社か、週何日か)
- フレックスや裁量労働制の有無
- 有給取得率・育休取得実績(数字が出たか)
- 技術勉強のための社内制度(勉強会・書籍購入補助・資格手当など)
待遇について質問するのを遠慮する学生が多いですが、働き方に関する質問はむしろ「長く働くことを考えている」という意思表示になります。聞き方さえ丁寧であれば、マイナス評価にはなりません。
聞き方の例:
「長く活躍されている方が多いと感じたのですが、働きやすさという点でどのような制度・環境が整っていますか?」
⑤ 技術・開発環境

IT企業を目指すなら、どんな技術スタックで仕事をするのかは重要な判断基準のひとつです。未経験者でも「聞く姿勢」を見せることで好印象になることがあります。
メモすべきポイント:
- 主に使う言語・フレームワーク(Java、Python、Reactなど)
- インフラ環境(AWS・Azure・GCPなど)
- 開発手法(ウォーターフォール型か、アジャイル・スクラムか)
- 自社プロダクトか、客先常駐か
未経験者向けの注意点:
技術的な内容は説明を聞いても最初はわからなくて当然です。完全に理解しようとせず、キーワードをそのままメモしておくのがベストです。あとで調べることで、「この会社が何を大事にしているか」の理解が深まります。
メモ例:
「主力はJava + Spring。最近ReactとNode.jsも増えているとのこと。インフラはAWSメイン。開発手法はスクラム。(スクラムって何?→あとで調べる)」
⑥ 企業の「らしさ」「価値観」

最も見落とされやすいけれど、ESの志望動機や面接で最も差がつく情報です。
メモすべきポイント:
- 経営理念・ミッションへの言及(どう語られていたか)
- 担当者が何度も繰り返したキーワード(強調=会社が大切にしていること)
- 「うちはこういう人が向いている」という発言
- 社会課題やビジョンについての言及
説明会で担当者が繰り返す言葉は、その会社が本当に大切にしている価値観を表していることが多いです。たとえば「チームワーク」を何度も言う会社は、チームで動くことを重視しているし、「自走できる人」を強調する会社は個人の裁量を重んじる文化があります。
これをESに活かす方法:
「説明会で〇〇さんが”〇〇”という言葉を何度も使っていました。私自身も〇〇の経験を通じて〇〇を大切にしてきたため…」
このように書くと、「ちゃんと説明会に来た」ことが伝わり、かつオリジナリティのある志望動機になります。
説明会前にやるべき「事前準備メモ」

説明会でのメモ精度を上げるために、事前に”問いを持って参加する”ことが重要です。
事前リサーチで確認すること
説明会前に最低限、以下を調べておきましょう。
| 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 会社の主要事業 | 公式HP・IR情報 |
| 業態分類(SIer・SES・Webなど) | 求人票・HP |
| 採用ページの情報 | 採用サイト |
| 口コミ・評判 | OpenWork・就活会議など |
これを確認してから参加することで、「聞いておくべき質問リスト」が自然に浮かんできます。
事前に立てる「問い」の例
- 「HPには受託開発とあるが、客先常駐の割合はどれくらいか?」
- 「未経験者向けの研修内容が求人票に書いていないので聞く」
- 「技術スタックについて触れられていなかったので確認する」
事前準備ゼロで参加すると、担当者の話を「受け身で聞くだけ」になりがちです。

問いを持って参加すると、聞きながら「あ、さっきの質問が解決された」「これはまだ聞けていない」という能動的な思考ができるようになります。
メモの「書き方」と「残し方」
デジタル vsアナログ:どちらがいい?
結論から言うと、どちらでも構いません。大事なのは後で使えるかどうかです。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ノートPC・タブレット | 速い・整理しやすい・文字量を多く書ける | 打鍵音が気になる場合あり・電池切れのリスク |
| 手書きノート | 図や矢印が書きやすい・印象が残りやすい | 後からの検索・整理が手間 |
| スマートフォン | 手軽・録音アプリと併用可 | 画面が小さい・失礼に見える場合も |
ハイブリッドで使う学生も多いです。たとえば「手書きでラフメモ → 当日夜にPCで整理」という方法は、記憶の定着にも効果的でおすすめです。
「その場で書くメモ」と「あとで書く補足」を分ける
説明会中に書くメモは、スピードを重視してキーワードベースでOKです。聞きながら文章を完成させようとすると、次の話を聞き逃してしまいます。
説明会中のメモイメージ:
・主力:金融SIer。Java多め
・未経験研修:3ヶ月 → 先輩OJT
・リモート:週2〜3日(プロジェクトによる)
・若手社員が「失敗しても怒られない文化」と言っていた ← 重要
・「顧客と一緒に課題解決」という言葉が3回以上出た
説明会後(当日中)に補足するメモイメージ:
・「顧客と一緒に課題解決」=toB企業との長期関係重視。下請けではなくパートナー的位置づけ?
・研修は手厚そう。入社1年目の不安は軽減できそう
・【確認したいこと】技術スタックの詳細(Javaのフレームワークは何か)
・【ESに使えそうなこと】社員の"顧客目線"という言葉×自分のアルバイト経験と結びつけられるかも
このように「事実メモ」と「自分の解釈・感想・活用方針」を分けて書くと、ESや面接準備に使いやすくなります。
メモを「企業研究シート」に転記する

説明会後のメモをそのまま放置するのは非常にもったいないです!
各社の情報を統一フォーマットで整理する「企業研究シート」を作ることを強くおすすめします。
企業研究シートに含める項目の例:
【企業名】〇〇株式会社
【業態】SIer(受託)
【説明会参加日】〇月〇日
【事業内容メモ】
【職種・配属・研修メモ】
【社員の雰囲気メモ】
【気になった発言・キーワード】
【競合との差別化ポイント(自分の理解)】
【ESに使えそうな要素】
【まだ確認できていないこと】
【総合的な印象(★1〜5)】
ExcelやNotionなどのデジタルツールで作ると、後で会社を比較するときに便利です。
質疑応答で「使える質問」をするコツ
質疑応答は「企業研究の続き」
多くの学生が質疑応答を「怖いもの」「なんか質問しなきゃいけない場」と思っています。しかし本来は、自分が調べても出てこなかった情報を直接確認できる貴重な時間です。

良い質問をするためには、「事前に疑問を持って参加すること」が前提です。
NG質問 vs OK質問
NG質問(聞かないほうがいい):
OK質問(印象が良く、有益な情報が得られる):
ポイント:「具体的な数字・事例・経験談」を引き出す質問をすることで、ホームページには載っていないリアルな情報が手に入ります。
未経験者ならではの質問で差をつける
未経験からIT業界を目指す学生には、積極的に「未経験ならでは」の質問をしてほしいです。
例:
- 「文系出身・IT未経験で入社された先輩はいらっしゃいますか?その方が最初に苦労されたことと、どのように乗り越えられたか教えていただけますか?」
- 「プログラミングを学び始めたばかりですが、入社前に身につけておくべきスキルや知識はありますか?」
- 「研修後の配属先を決める際に、本人の希望はどの程度考慮されますか?」
これらは自分の現状に正直であり、かつ入社後を真剣に考えていることが伝わる質問です。採用担当者から見ると、「自分ごと化できている就活生だな」と感じます。
オンライン説明会ならではのメモ術

コロナ以降、オンライン説明会が定着しました。対面と同じメモ術でいい部分もありますが、オンラインならではの注意点と活用術があります。
オンラインのメリットを活かす
画面録画・録音の許可確認をする
説明会によっては録画・録音を許可している場合があります。許可が出た場合は、資料の見えにくい部分や早口で話した部分を後で確認できるので積極的に活用しましょう。ただし許可なく録画するのはマナー違反なので、必ず確認を。
チャット機能を活用する
質疑応答でチャットを使う形式の場合、質問文を事前に準備しておいてすぐ送信できる状態にしておくと良いです。また、他の参加者の質問とその回答もメモしておきましょう。意外と有益な情報が他の学生の質問から得られることがあります。
複数デバイスを使い分ける
タブレットで説明会を視聴しながら、PCでメモをとるという使い方がおすすめです。画面切り替えのロスがなく、集中してメモできます。
オンラインのデメリットをカバーする
「場の雰囲気」はつかみにくい
対面説明会と違い、オフィスの雰囲気・社員の実際の様子・建物の印象などは得にくいです。その分、担当者の言葉の端々・語るスピード感・熱量を注意深く観察してメモするようにしましょう。
集中力が切れやすい
自宅で参加すると緊張感が薄れ、メモが疎かになりがちです。説明会の時間はスマホをサイレントにし、他のタブを閉じるなど、集中できる環境を整えてから参加しましょう。
説明会メモを「ES・面接」に活かす方法
志望動機への活かし方

企業研究の中で最も説明会のメモが活きるのが、志望動機の作成です。
よくある薄い志望動機のパターン:
「IT業界に興味があり、御社の成長性に魅力を感じました。」
説明会メモを活かした志望動機のパターン:
「説明会で〇〇さんが”顧客の経営課題を技術で解決する”という言葉を繰り返しおっしゃっていたことが印象的でした。私はアルバイトの接客経験の中で、お客様の”言葉にならないニーズ”を汲み取ることにやりがいを感じてきました。御社では、その感覚をITスキルと掛け合わせて発揮できると考え、志望しています。」
この違いは明白です。「説明会で聞いた具体的な言葉を引用し、自分の経験と結びつける」ことで、オリジナリティのある志望動機になります。
「企業理解の深さ」を面接でアピールする

面接でよく聞かれる「当社について知っていること・気になったことを教えてください」という質問。
ここで説明会で聞いた内容を具体的に引用できると、一気に信頼度が上がります。
例:
「先日の説明会で、〇〇事業が最近特に成長していると伺いました。担当の社員の方が、”〇〇という課題を持つ企業が増えているため需要が高まっている”とおっしゃっていたのが印象に残っています。その点についてもう少し詳しくお聞きしてもよいですか?」
このように言えると、「ちゃんと説明会に参加して理解を深めてきた学生」という印象を与えられます。面接官から「うちのことをよく調べてくれている」と感じてもらえると、面接全体のムードが良くなります。
複数社を比較するときのメモ整理術
「比較軸」を最初から統一する

IT業界の就活では、複数の企業に同時並行でエントリーするのが一般的です。そのため、説明会のメモは最初から比較できる軸で整理しておくことが大切です。
比較軸の例:
| 比較軸 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 業態 | 自社開発 | SIer(受託) | SES |
| 研修期間 | 6ヶ月 | 3ヶ月 | 1ヶ月OJT |
| 技術スタック | Python・AWS | Java・オンプレ | 幅広い(案件次第) |
| リモート | フルリモート可 | 週2〜3日 | 客先による |
| 未経験者の割合 | 新卒の4割 | 2割 | 不明 |
| 社員の印象 | 明るい・オープン | 落ち着いた・丁寧 | やや事務的 |
| 気になった発言 | 「失敗は学びの機会」 | 「品質へのこだわり」 | 特になし |
このように横並びで整理すると、企業ごとの違いが視覚的に明確になり、志望順位の整理がしやすくなります。
また、複数社を比較したうえで「なぜA社を第一志望にしたか」を言語化できると、面接での「他社との違いをどう見ているか」という質問にも答えやすくなります。
「なぜここじゃないと駄目なのか」を言える準備をする
IT業界の面接では、「同じような会社がたくさんある中で、なぜ当社なのか?」という質問は頻出です。

この質問に答えるためには、比較検討した事実が必要です。「御社しか見ていません」は逆に信頼されません。
例:
「SIer3社・自社開発2社の説明会に参加しました。そのうえで、御社を第一志望にした理由は〇〇です。他社と比較して御社が際立っていた点は〇〇でした。」
このように「比較した事実 + 選んだ理由」を伝えられると、志望度の高さと論理性が同時に伝わります。
IT企業の「種類別」説明会でのメモポイント
IT業界にはいくつかの業態があり、説明会で注目すべきポイントが変わります。
SIer(システムインテグレーター)の説明会でのメモポイント
SIerは企業のシステム開発・運用を受託する会社です。規模が大きく、プロジェクト管理やコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
特に確認すべき点:
- プロジェクトの規模と期間(大規模・長期 vs 小規模・短期)
- 客先への常駐割合(自社オフィス勤務か、客先勤務か)
- 上流工程(要件定義・設計)に携わる機会があるか
- 下請け構造の位置づけ(一次請け・二次請けなど)
- 文系・未経験者の活躍事例
SIerは「大規模プロジェクトに関わりたい」「チームで仕事をしたい」という学生に向いていますが、客先常駐の多い会社では職場が固定されないケースもあるため、実態をしっかり確認しましょう。
SES(システムエンジニアリングサービス)企業の説明会でのメモポイント
SESは、エンジニアを客先企業に常駐させるビジネスモデルです。多様な現場・技術を経験できる反面、自分のキャリアをどう積み上げるかが問われます。
特に確認すべき点:
- 配属先の決め方(本人の希望は聞いてもらえるか)
- スキルアップのサポート体制(社内勉強会・資格取得支援)
- 評価の基準(客先評価か、自社評価か)
- 常駐先の変更頻度(何年ごとに現場が変わるか)
- 自社に戻れるタイミングがあるか
SESは業界未経験者の入り口として活用されることも多いですが、会社によってサポート体制に大きな差があるため、説明会での「本音に近い情報収集」が特に重要です。
聞くべき質問の例:
「常駐先が合わなかったと感じた場合、変更を申し出ることはできますか?その際のフローを教えてください。」
自社開発(Webサービス・スタートアップ)の説明会でのメモポイント
自社でサービスやプロダクトを開発・運営している会社です。スピード感・自由度が高い一方で、研修が手薄な会社もあるため注意が必要です。
特に確認すべき点:
- 自社サービスのユーザー数・成長率(会社の将来性)
- エンジニアの裁量の大きさ(何を自分で決められるか)
- チームの規模・構成(エンジニア何人でサービスを運営しているか)
- 未経験者向けオンボーディングの有無(研修・メンター制度)
- 技術的負債への向き合い方(レガシーコードの扱いなど)
自社開発企業では特に、「会社のプロダクトに対して自分が共感できるか」が長期的なモチベーションに関わります。説明会でサービスの話を聞いて「面白い!」と思えたかどうかも、メモしておく価値があります。
よくある失敗メモと改善パターン
失敗パターン① 会社概要だけメモして終わる
NG例:
・設立:1995年
・従業員数:3000名
・売上高:500億円
・主要取引先:銀行・保険会社
これは公式HPに書いてあることを書き写しているだけです。説明会で「初めて知った情報」や「担当者の生の言葉」が一切入っていないため、企業研究に使えません。
改善後:
・設立から30年近く、金融系SIerとしての信頼で成長してきた(安定感あり)
・担当者「最近は地方銀行のDX支援が増えている。前は案件が少なかった地方出身の社員にも出番が増えた」→ 地方学生にもチャンス?
・売上500億の内訳:金融60%、公共20%、製造20%。製造向けが直近3年で倍増中
失敗パターン② メモが散漫で後で見返せない
説明会後に見返したとき、「これ何の話だっけ?」という断片的なメモになっているケースです。
改善策:
- 話題が変わったらメモに区切り線を引く
- メモのカテゴリ(事業・職種・社員・制度など)を左端に書いておく
- 重要だと思ったことには★や◎などの記号をつける
記号の使い方の例:
★★ ESに絶対使う
★ ESに使えるかも
◎ 面接で確認したい
? 意味がわからなかった(後で調べる)
! 意外だった・驚いた
失敗パターン③ メモをとったまま放置する
説明会後にメモを整理しないと、時間が経つほど「あの会社どうだったっけ?」と記憶が薄れていきます。
改善策:
説明会当日中に10分だけ整理する習慣をつけることを強くおすすめします。記憶が新鮮なうちに「自分が感じたこと・考えたこと」を補足しておくだけで、後の活用度が格段に上がります。
整理に使うフォーマットは前述の企業研究シートでも、自分なりのフォーマットでも構いません。「すぐ使えるメモにする」ことが目的です。
IT企業の説明会に参加する前後のスケジュール管理
就活スケジュールとの連動
IT業界(特に大手SIer・自社開発企業)では、早期選考・インターンシップへの参加が本選考に影響することもあります。説明会への参加時期を意識してスケジュールを組みましょう。
一般的な流れ(28卒の場合):
| 時期 | 活動 |
|---|---|
| 大学3年の夏〜秋 | サマーインターン・早期説明会 |
| 大学3年の冬(12〜1月) | 冬インターン・企業説明会解禁 |
| 大学3年の3月 | エントリー・説明会本格化 |
| 大学4年の4〜6月 | 面接・内定 |
説明会のメモは、できるだけ早い時期から蓄積しておくのが理想です。3月に複数社の説明会をまとめて受けると情報が混乱しやすいため、参加したその日のうちに整理する癖をつけておきましょう。
説明会参加後にやること(チェックリスト)

説明会が終わったら、以下を当日中に行うことをおすすめします。
- [ ] メモの整理・補足(10〜15分)
- [ ] 企業研究シートへの転記
- [ ] 「気になった点・確認したいこと」の洗い出し
- [ ] ESに使えそうな要素のメモ
- [ ] 次のアクション(次回説明会・OB訪問・エントリーなど)の確認
「聞くだけ就活」から抜け出すための思考法
説明会を「入社後のイメージ作り」に使う
説明会は「入社するかどうかを判断する場」でもあります。ただ話を聞くだけでなく、「もし自分がここで働いたら、どんな毎日になるか」を具体的にイメージしながら参加してみてください。
そのイメージの精度を上げるための視点:
- 「3年後の自分はここでどんな仕事をしているか」
- 「隣に座っている社員のような人と、毎日一緒に働けるか」
- 「この会社の仕事を、家族に誇りを持って話せるか」
感情的な反応も大切な情報です。「なんか楽しそう」「なんか違う気がする」という直感も、メモしておく価値があります。
「就活軸」と照らし合わせる習慣をつける
就活軸(自分が仕事に求めること)が明確になっていると、説明会のメモが一気に活きてきます。
例えば、就活軸として「成長できる環境」を持っている学生は、説明会で「研修・OJT・スキルアップ支援」に関する情報に自然とアンテナが立ちます。
就活軸がまだはっきりしていない人は、説明会に何社か参加するうちに「これは大事だ」「これはどうでもいい」という感覚が磨かれていきます。そのためにも、なんとなく参加するよりも「自分はこれを確認しに来た」という問いを持って参加する習慣が重要です。
OB・OG訪問とセットで活用する

説明会のメモは、OB・OG訪問(社員インタビュー)とセットで活用するとさらに効果的です。
説明会 → OB訪問の流れが理想的
説明会では「会社全体の話」が多いです。一方、OB訪問では「個人の体験談・リアルな仕事の話」が聞けます。
活用の流れ:
- 説明会に参加してメモをとる
- 「まだ確認できていないこと」リストを作る
- OB訪問でそのリストを中心に深掘りする
- 両方の情報を企業研究シートに統合する
このフローを踏むと、表面的な企業理解から、実態に即した深い企業理解へとステップアップできます。
説明会メモからOB訪問の質問を作る
説明会メモを見返して、「もっと聞きたかったこと」「もう少し深く知りたいこと」をリスト化すると、OB訪問の質問が自然に完成します。
例:
国内最大級のOB・OG訪問支援サービス【Matcher(マッチャー)】説明会メモ:「研修は3ヶ月と言っていたが、内容は?」 OB訪問で聞く:「研修期間中、一番大変だったことと、それをどう乗り越えたか教えていただけますか?」
まとめ:説明会メモの「3つの鉄則」

最後に、この記事の要点を整理します。
鉄則① 「6カテゴリ」で整理する
説明会でのメモは、以下の6つに分類して整理しましょう。
- 事業内容・ビジネスモデル(何を、誰に、どう売っているか)
- 職種・配属・キャリアパス(未経験者がどう育つか)
- 社員・職場の雰囲気(担当者の言葉・表情・熱量)
- 働き方・待遇・制度(リモート・残業・資格支援など)
- 技術・開発環境(言語・ツール・開発手法)
- 企業の「らしさ」「価値観」(繰り返し出たキーワード)
鉄則② 「担当者の生の言葉」をそのままメモする
担当者が自分の言葉で語った部分は、HPには載っていない一次情報です。特に、何度も繰り返した言葉・印象的なエピソード・「大変だったこと」への回答は重点的にメモしてください。
鉄則③ 当日中に「ESへの活かし方」まで整理する
メモをとって終わりではなく、「これはESのどの部分に使えるか」まで当日中に考えてメモに追記しましょう。時間が経つほど記憶は薄れ、せっかくの情報が使えなくなります。
説明会は、入社前に「リアルな会社の姿」を知ることができる数少ない機会です。受け身で参加するのではなく、「情報を取りに行く」という能動的な姿勢で臨むことで、その後のES・面接・最終的な企業選択の質が大きく変わります。

ぜひこの記事のメモ術を参考に、次の説明会から実践してみてください。



