

就活が本格化するにつれて、こんな悩みを抱える学生が急増します。
「ITパスポートは取っておくべきですか?」
「基本情報技術者試験は間に合いますか?」
「ポートフォリオって作らないといけないんですか?」
「何から始めればいいかわかりません……」
これはIT業界を目指す未経験学生のほぼ全員が通る悩みです。そしてこの悩みが解決されないまま時間だけが過ぎてしまう、という状況も非常によく見かけます。

私は採用担当として多くの学生の選考を担当してきましたが、「資格もあって成果物もある」学生が最強かといえば、必ずしもそうではありませんでした。一方で、「何もない」状態で面接に臨んだ学生が、戦略と話し方次第で内定を獲得するケースも見てきました。
重要なのは「何を持っているか」ではなく「何をどう使うか」、そして「限られた時間で何を優先すべきか」を正確に理解することです。
この記事では、採用担当目線で「資格と成果物のどちらが選考で評価されるか」「状況別にどちらを優先すべきか」「両方やろうとして失敗するパターン」まで、網羅的に解説します。

就活スケジュールとも照らし合わせながら、あなたに合った戦略を一緒に考えていきましょう!
そもそも「資格」と「成果物」は採用担当にどう見られているのか
まず前提として、採用担当者は「資格」と「成果物」をどちらも同じ目線で評価していません。目的も、評価のされ方も、伝わるメッセージもまったく異なります。
ここをしっかり理解しておかないと、「資格を取ったのに選考に通らない」「成果物を作ったのに評価されなかった」という残念な結果につながりやすくなります。
資格が採用担当に伝えること

IT系の資格、特にITパスポートや基本情報技術者試験が選考書類に記載されていると、採用担当は主に以下のことを読み取ります。
①基礎的なIT知識を体系的に学んでいる
資格試験の勉強は、プログラミングだけではなく、ネットワーク・データベース・セキュリティ・マネジメントなど幅広い分野を網羅的に学ぶことになります。「独学でプログラミングだけ勉強した」学生と比べると、知識の横断性・網羅性という点でプラスの評価が入りやすいです。
②勉強を継続する意志と実行力がある
資格は「勉強して試験を受けて合格する」という一連のプロセスを踏みます。これは「やると言ったことをやり切る力」の証明になります。採用担当が資格を見て評価するとき、実は知識そのもの以上に「行動力・継続力の証明」として見ている場合が多いです。
③IT業界への志望度・本気度の表れ
文系や非情報系の学生が資格を取っている場合、「本気でITに入りたいんだな」という志望度の証明になります。特にITパスポートより基本情報技術者試験まで取っていると、その本気度はさらに伝わりやすくなります。

ただし、資格には明確な限界もあります。
資格はあくまで「知識を持っている」ことの証明であって、「使える」「作れる」「問題を解決できる」ことの証明ではないのです。採用担当として正直に言えば、「ITパスポート持ってます」だけでは、選考の優劣を決める材料にはなりにくいのが実情です。
成果物(ポートフォリオ)が採用担当に伝えること

一方、成果物(ポートフォリオ)が選考書類に記載されていると、採用担当は次のことを読み取ります。
①実際に手を動かして「作れる」人間である
就活の場において、資格と成果物の最大の違いはここです。成果物は「知っている」ではなく「できる」の証明です。採用担当の多くは、特にエンジニア職採用においてこの違いを非常に重視します。
②課題設定・設計・実装・完成の一連の流れを経験している
Webアプリでもツールでも、「なぜ作ったか(動機)→どう設計したか→どう作ったか→何ができるか」という流れを辿ることで、採用担当は実際の業務に近い思考プロセスを確認できます。これは資格では絶対に見せられないポイントです。
③自走できる人間である可能性が高い
誰かに教わってではなく、自分でテーマを決めて、調べて、作り上げたという事実は、「入社後も指示待ちにならず、自分から動ける人材かもしれない」という期待感を生みます。特に成長フェーズのIT企業はこの自走力を非常に重視します。
ただし、成果物にも限界と注意点があります。
クオリティの低い成果物、動かないアプリ、説明できない設計は、プラスどころかマイナス評価になるリスクがあります。また、成果物を作るには時間と労力がかかります。就活の忙しい時期に中途半端なものを作ってしまうと、時間だけ取られて効果が出ない、という状況に陥りがちです。
資格と成果物、採用担当が「本当に重視している」のはどちらか

結論から言います。
職種・企業規模・就活フェーズによって、重視されるものはまったく異なります。
「どちらが偉い」という話ではなく、「何を求めている企業・職種なのか」によって正解が変わる、というのが採用担当としての正直な見解です。
エンジニア職(SE・プログラマー)志望の場合
エンジニア職を目指す場合、採用担当が最も知りたいのは「この人、実際にコードを書けるか?」という1点に尽きます。
そのため、成果物の優先度が高くなります。特に以下の2点が揃っていると選考上のアドバンテージになります。
- GitHubにコードが公開されている(コミット履歴が見えること)
- 動くアプリ・ツールが存在する(URLやデモで確認できること)
資格は「あれば多少のプラス」程度の位置付けです。基本情報技術者試験があれば「勉強熱心だな」という印象は持ちますが、それで成果物の代わりにはなりません。
営業職・ITコンサル・プリセールス志望の場合
この職種では、技術よりもコミュニケーション力・提案力・論理的思考力が重視されます。コードを書く能力よりも「ITを使って課題を解決できる思考力があるか」が見られるため、資格の評価が相対的に高くなります。
特にITパスポート+基本情報技術者試験の組み合わせで「IT全般の知識があること」を示すことが有効です。成果物については、必須ではありませんがあれば「行動力のある人材」として加点要素になります。
SIer・大手IT企業志望の場合
大手SIerや大企業のIT部門は、新卒に対して「ポテンシャル採用」の傾向が強いため、資格よりも学力・地頭・コミュニケーション力が評価軸の中心です。資格は「ベーシックな知識がある」ことの確認として機能する程度で、合否に大きな影響は与えにくいです。
ただし、基本情報技術者試験以上の資格は「差別化要素」として有効に機能します。志願者が多い大手では、書類選考の段階で少しでも目立つ要素が重要です。
スタートアップ・ベンチャー志望の場合
スタートアップ・ベンチャー企業では、即戦力感・自走力・熱量が最優先事項になります。資格よりも「何を作ったか」「なぜそれを作ったか」のストーリーが評価されやすいです。
成果物の優先度が高く、特に「自分で考えて自分で作った」という過程を説明できる成果物は非常に高く評価されます。
【職種別・状況別】優先順位マップ:何を先にやるべきか


ここからは具体的な「優先順位マップ」をお伝えします。自分の状況と照らし合わせながら読んでみてください。
パターン①:就活解禁まで6ヶ月以上ある場合(3年生の夏〜秋)
この時期は、時間の余裕があるうちに基礎力をつけることが最優先です。
おすすめの優先順位:
- プログラミングの基礎学習(Python・JavaScriptどちらでも可)
- ITパスポートの取得(IT知識の全体像をつかむ)
- 簡単な成果物の作成(ToDoアプリ・家計簿アプリなど、小さくても「動くもの」)
- 基本情報技術者試験の勉強開始(余裕があれば)
この時期に資格を取ることの最大のメリットは、「就活本番で武器として使える」ことです。逆に、就活直前に慌てて資格を取っても「間に合わせ感」が出てしまいます。

また、小さくても成果物を1つ作っておくと、この後の就活で「どう話すか」の練習材料になります。
パターン②:就活解禁まで3〜6ヶ月ある場合(3年生の秋〜冬)
インターンシップが本格化し、業界研究・企業研究も並行して進めなければならない時期です。この時期に「資格か成果物かどちらを優先するか」を決め打ちする必要があります。
エンジニア職志望の場合:
- 成果物制作を最優先にする
- 資格は「ITパスポートだけ持っている状態」で十分なケースが多い
- 基本情報は時間を取られるわりに成果物ほど差がつかないため、余裕があれば
エンジニア以外のIT職志望の場合:
- 基本情報技術者試験の取得を目指す
- 成果物はなくても可だが、「GitHubに何かある」状態が望ましい
この時期の最大の落とし穴:「どちらも中途半端になる」ことです。資格も勉強しつつ成果物も作ろうとすると、時間が分散して両方が未完成になります。戦略を決めて一点集中することが重要です。
パターン③:就活解禁まで3ヶ月を切っている場合(3年生の1月〜)
正直に言います。この時期からゼロで始める場合、資格も成果物も「間に合わせ品質」になるリスクが高いです。それよりも優先すべきことがあります。
- 自己分析・就活の軸の整理(なぜITか、なぜエンジニアか)
- ES・面接の準備(志望動機・強み弱みの言語化)
- 企業研究(ターゲット企業のリストアップ・業界理解)
もし時間があれば、ITパスポートは2〜3週間で取得可能なので、「証明できるものが何もない状態を避ける」という目的で取得しておくのは有効です。
成果物については、「動かない・説明できない成果物は逆効果」という原則があるため、短期間で無理やり作るのは避けたほうが賢明です。
パターン④:すでに就活中の場合(4年生)
就活が始まっている状況での資格・成果物の対応については、「今から新しく作るより、今あるものを最大限に活かす戦略」が基本になります。
- ITパスポートを持っていれば積極的にアピールする
- 基本情報があれば書類・面接でしっかり活用する
- 成果物があれば説明を磨く(「何を作ったか」より「なぜ作ったか・何を学んだか」を言語化)
- 何もない場合は「今から学んでいる姿勢」を正直に伝えつつ、自己分析と面接準備に集中する
資格の詳細ガイド:何をどのくらいの優先度で取るか

ここでは、IT就活生がよく検討する資格について、採用担当目線での評価と優先度を整理します。
ITパスポート
採用担当としての評価:「あれば悪くない、なくても問題ない」
ITパスポートは国家資格の中で最もやさしいレベル1に相当する試験で、IT技術だけでなく経営・マネジメントの知識も問われます。IT全般の入門資格として位置付けられています。
メリット:
- 勉強期間が1〜2ヶ月程度と短い
- 合格率が50%前後と比較的取得しやすい
- 「IT基礎知識がある」という最低ラインの証明になる
- 文系・非情報系学生が取ることでIT志望の本気度を示せる
デメリット・注意点:
- 採用上の差別化にはなりにくい(持っていて「当然」と見られる場合も)
- エンジニア職においては「それだけでは弱い」と感じる採用担当が多い
- ITパスポートを取ることに時間をかけすぎると、より重要な成果物制作や面接準備が後回しになる
取るべき人:
基本情報技術者試験(FE)
採用担当としての評価:「持っていると確実にプラスになる、エンジニア志望なら特に」
基本情報技術者試験はエンジニアの登竜門とも呼ばれるIPA(情報処理推進機構)の国家資格です。ITパスポートより難易度が上がり、プログラミング・アルゴリズム・ネットワーク・データベースなどより専門的な内容が問われます。
メリット:
- 採用担当が「基礎技術力がある」と認識する水準として機能する
- CBT方式(随時受験可)になり、スケジュール調整がしやすくなった
- エンジニア職でも営業・コンサル職でも「有利」になる数少ない資格
- 勉強を通じてIT全体の構造理解が深まり、面接での技術的な質問に答えやすくなる
デメリット・注意点:
- 合格まで平均3〜6ヶ月の学習期間が必要
- 試験勉強に時間を取られ、成果物制作や就活準備が遅れるリスクがある
- 合格していても「それだけで内定が取れる」資格ではないという前提を忘れずに
取るべき人:
採用担当の本音を言うと: 基本情報技術者試験を持っている学生に「すごいね」と言ったことは何度かあります。ただし、「だから選考を通過させよう」ではなく「基礎は勉強しているんだな、では実際の思考力はどうか」という次のフェーズへの関心が高まる、という感覚です。加点材料であって選考の切り札ではない、というのが正直なところです。
応用情報技術者試験(AP)
採用担当としての評価:「持っていたら確実に差別化できる、ただしコスパは低め」
基本情報の上位資格で、より高度なシステム設計・プロジェクト管理・セキュリティ・データ分析の知識が問われます。合格率は20〜25%程度で、就活生が在学中に取得するのは難易度が高いです。
取るべき人:
ただし、就活のためだけに応用情報を目指すのは時間対効果が低い場合がほとんどです。就活が終わってから取得する資格として位置付けるほうが現実的でしょう。
AWS・クラウド系資格(AWS CLF、AZ-900など)
採用担当としての評価:「職種によっては非常に効果的」
AWS認定クラウドプラクティショナー(AWS CLF)やAzure Fundamentals(AZ-900)は、クラウドの基礎知識を証明する資格です。近年、クラウド技術はITエンジニアの必須スキルになっており、採用担当の中でもこれらの資格を評価する人が増えています。
特に有効なケース:
- インフラエンジニア志望の場合
- クラウド関連のポジションを目指す場合
- 「ITパスポートだけでは弱い、でも基本情報に時間がかかる」という時間的制約がある場合
AWS CLFは勉強期間1〜2ヶ月で取得可能なため、「基本情報の代替として差別化したい」場合のコスパが高い選択肢です。
成果物(ポートフォリオ)の詳細ガイド:何をどう作るか

資格の解説が終わったところで、成果物についても採用担当目線で詳しく解説します。
採用担当が「良い成果物」と感じるポイント
多くの就活サイトでは「成果物を作りましょう」と書かれていますが、どんな成果物でも評価されるわけではありません。採用の現場で実際に「良い」と感じる成果物には、共通したポイントがあります。
ポイント①:動く(正常に動作する)
これは最低条件です。動かないアプリ・リンク切れのページは、ないほうがマシです。採用担当の立場からすると、「作りました」と言われて開けないURLほど印象が悪いものはありません。小さくてシンプルでも、ちゃんと動くものを提出しましょう。
ポイント②:「なぜ作ったか」が語れる
採用担当が成果物を見て確認したいのは、技術力そのものよりも「思考のプロセス」です。
- なぜそのテーマにしたのか
- 誰のどんな課題を解決しようとしたのか
- 開発中にどんな問題に直面して、どう解決したか

これを自分の言葉で語れる成果物は、どんなにシンプルなものでも高く評価されます。
ポイント③:GitHubにコードがある
エンジニア職志望の場合、GitHubアカウントにコードが公開されていることは非常に重要です。採用担当(特に技術系の担当者)はGitHubのコミット履歴を確認することがあります。コードの品質そのものよりも、「継続的に取り組んでいる姿勢」が見えることが大事です。
ポイント④:規模は問わない
よくある勘違いは「すごいものを作らないとダメ」という思い込みです。ToDoアプリでも家計簿アプリでも、上記のポイントを満たせば十分評価されます。むしろ「すごいもの」を作ろうとして未完成のまま提出するほうが、よほどマイナスです。
採用担当が「残念な成果物」と感じるポイント

反対に、こんな成果物は「残念」と感じます。正直に書いておきます。
①動かない・リンク切れ(前述の通り、最大のNG)
②「チュートリアルをそのまま実装しただけ」が明白なもの
プログラミング学習サービスのチュートリアル通りに作ったものを「自分で作りました」と提出するケースがあります。採用担当はよく知っているため、「学んだ形跡」と「自分で考えた成果物」の違いはすぐにわかります。チュートリアルで学んだあとに、少しでも自分のオリジナル要素を加えましょう。
③説明が「何を作ったか」しかない
「Webアプリを作りました」だけでは、採用担当としては「それで?」となります。「なぜ作ったか・何を学んだか」まで語れる準備をしておきましょう。
④技術スタックがバラバラで一貫性がない
「PythonもやってみたしRubyもやってみたしJavaもちょっと触りました」という状態は、「広く浅く手を出しているが何も使えない」という印象を与えます。1〜2つの言語・技術に絞って、それで作った成果物を見せるほうが評価が高くなります。
未経験就活生向け:おすすめの成果物テーマ5選


「何を作ればいいかわからない」という声が多いため、採用担当目線でおすすめのテーマをご紹介します。
①ToDoアプリ(定番・ただし差別化が必要)
最もよく見かける成果物ですが、「ただのToDoアプリ」では差別化になりません。代わりに、自分の生活の課題を解決する仕様にするなど、オリジナルのひと工夫を加えましょう。
②家計簿・支出管理アプリ
実際に自分が使いたいと思えるツールなので、「なぜ作ったか」を語りやすいです。カテゴリ分け・グラフ表示などの機能を加えると技術的なアピールにもなります。
③自分の趣味に関連したWebサービス
好きなゲーム・映画・スポーツのデータを活用したアプリは、「テーマへの愛着」が伝わりやすく、面接での話も盛り上がりやすいです。「なぜ作ったか」が自然に語れます。
④業務効率化ツール(スクレイピング・自動化系)
Pythonを使ったWebスクレイピングや作業自動化ツールは、「課題解決思考」をアピールしやすい成果物です。技術的な難易度も適度に高く、採用担当からの評価も高い傾向があります。
⑤LINE Bot・Slack Bot
チャットボットは比較的少ない実装量で「動くもの」を作れるため、初めての成果物として取り組みやすいです。「どんな課題を解決するBot か」のテーマ設定にこだわりましょう。
「資格も成果物も両方やる」は正解か?落とし穴を解説

ここまで読んで「どちらも大事そう、両方やろう」と思った方がいるかもしれません。
結論:「両方やる」は状況次第で正解にも失敗にもなります。
「両方やる」が成功するケース
以下の条件が揃っている場合、資格と成果物を並行して進めることが可能です。
- 就活まで6ヶ月以上ある
- すでにプログラミング学習を開始して3ヶ月以上経っている
- 自己分析・企業研究がある程度終わっている
この状態であれば、「週3日は成果物制作、週2日は資格勉強」という形でスケジュールを組むことができます。
「両方やる」が失敗するケース

以下の状況では、両方を並行させることが逆効果になりやすいです。
①就活解禁まで3ヶ月以内
この時期に新たに資格勉強を始めながら成果物も作ろうとすると、時間が足りません。ES・面接準備を最優先にすべき時期に、資格・成果物に時間を取られてしまいます。
②プログラミング学習を始めたばかり(1〜2ヶ月以内)
プログラミングを学び始めの状態で成果物を作ろうとしても、技術力が追いつかず中途半端なものになりがちです。まず基礎的な学習(Progateやドットインストールなど)を一通り終わらせてから成果物に着手するほうが効率的です。
③自己分析・就活の軸がまだ定まっていない
資格・成果物の前に「自分がIT業界のどの職種で何をしたいか」という軸が定まっていないと、どの資格を取るべきか、どんな成果物を作るべきかも決まりません。戦略のない準備は時間の無駄になります。
採用担当が見ている「本当の評価軸」——資格・成果物の先にあるもの

最後に、少し視点を広げてお話しします。
正直に言えば、資格も成果物も、採用担当にとっては「話のきっかけ」に過ぎません。選考で最終的に評価されるのは、以下のことです。
①「なぜIT業界なのか」の言語化
採用担当が一番聞きたいのはここです。「ITが好き」「安定してそう」「給料がいい」ではなく、「自分がIT業界でこういう課題を解決したい、こういう仕事がしたい」という具体的なビジョンが語れるかどうかが重要です。
資格や成果物は、この「なぜIT業界なのか」というストーリーを補完するための材料として機能して初めて価値を持ちます。
②「失敗・困難をどう乗り越えたか」の経験
プログラミング学習中に詰まったとき、成果物を作るときにエラーが出続けたとき——そのときに「どう対処したか」「何を学んだか」を語れる学生は、採用担当から高く評価されます。
「詰まったとき検索して解決しました」だけでなく、「検索して試して、それでも解決しなかったので◯◯という方法を試した」という具体的なプロセスを話せる学生は、入社後に活躍するイメージが持ちやすいのです。
③「学び続ける姿勢」の証明
IT業界は技術の進化が速く、学び続ける姿勢がないと活躍できない業界です。採用担当は、資格・成果物の有無よりも「この学生は入社後も自分から学んでいけるか」を見ています。
「資格は取ったけど、今は◯◯という分野に興味があって独学しています」「成果物を作ってみて、△△という技術を次は学びたいと思っています」という「現在進行形の学習意欲」を示せる学生は、資格も成果物も持っていない学生より高く評価されることがあります。
【時期別・状況別】まとめ:何をすべきかの優先順位チェックリスト

最後に、この記事の内容を整理した形でチェックリストを提示します。
🟢 就活まで6ヶ月以上ある学生へ
- [ ] プログラミング学習を開始する(まだなら今すぐ)
- [ ] ITパスポートの取得を目指す(1〜2ヶ月で取得可能)
- [ ] 簡単な成果物を1つ作ってみる(動けばOK)
- [ ] 基本情報技術者試験の勉強を始める(余裕があれば)
- [ ] IT業界でやりたいことを考え始める(自己分析の入口として)
🟡 就活まで3〜6ヶ月の学生へ
- [ ] エンジニア志望なら成果物制作を最優先にする
- [ ] 非エンジニア志望なら基本情報技術者試験の取得を目指す
- [ ] どちらかに絞って一点集中する(両方中途半端はNG)
- [ ] 自己分析・就活の軸を固める
- [ ] ESの準備を少しずつ始める
🔴 就活まで3ヶ月以内、または就活中の学生へ
- [ ] ES・面接準備を最優先にする
- [ ] 今あるもの(資格・成果物)を最大限に活かす準備をする
- [ ] 資格がない場合はITパスポートを短期取得(2〜3週間)
- [ ] 成果物は「無理に作るより説明を磨く」を優先する
- [ ] 「なぜIT業界なのか」を自分の言葉で語れるようにする
まとめ:資格か成果物かではなく「戦略的に使う」のが正解

この記事を通じてお伝えしたかったことを、最後にまとめます。
資格と成果物、どちらが「正解」というものはありません。
重要なのは、自分の志望職種・就活のフェーズ・残り時間を正確に把握した上で、何に集中すべきかを決めることです。
採用担当として多くの学生を見てきた経験から言えるのは、「戦略なく頑張った学生」より「自分の状況を理解して優先順位をつけた学生」のほうが、結果的に内定を取っていることが多いということです。
資格は「知識の証明」、成果物は「行動の証明」。どちらも、あなたがIT業界で活躍できる人材であることを伝えるための手段に過ぎません。手段に振り回されず、採用担当に「この学生と一緒に働きたい」と思ってもらえるストーリーを作ることを最終目標に、就活を進めていきましょう。

この記事が、あなたの就活戦略を整理する一助になれば幸いです!






